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「フェスやサーキットイベントなどで王道のライブパフォーマンスが話題」を呼んだというたんこぶちんの3枚目のテーマは「10代最後の夏を駆け抜ける!」というものです。小学校6年生の頃に成立したバンドですから、それでもキャリアは10年近い。ベテランです。
小学校の頃の写真を見ると、当たり前ですがまあ皆いかにも小学生でした。しかし、女の子は変わるものです。さすがに20歳前ともなるとそれぞれがしゅっとしてきました。それでもまだ10代、妙に色気づいていないところがいいです。
3作目も前作に引き続いてミニ・アルバムです。しかも、今回も3タイプ発売されています。このジャケットはタイプAです。「花火」のPVとライブの模様を収めたDVD付きバージョンです。よく調べずにAだからと買ったのですが、ちょっと後悔しました。
タイプBにはボーナス・トラックが入っていて、これが興味深い楽曲です。これは公式サイトによれば、「2051曲の応募を集めた『未来のヒットメーカープロジェクト』グランプリ曲」「レット・イット・ダイ~ミッドナイト・ウォーリーゲーム」なんです。
結局、タイプBも買ってしまったではないですか。まさにヤマハの思う壺。残念ながら、おまけで付いているトレカはどちらもYURI。ダブるか、普通。ファンならばトレカが揃うまで買い続けるのが筋でしょうか。
肝心の楽曲の方ですが、今回はスキャンダルへの楽曲提供などで知られる大久保友裕の曲が2曲、彼が編曲に係わっているのはそれを含めて3曲、前作を手掛けた鎌田雅人が3曲を編曲しています。マドカは作詞は全て、作曲は4曲です。
シングル「花火」は大久保の曲です。さすがに手馴れた作りで、いい曲に仕上がっています。ただ、私としては、やはりいかにもなロック・イディオムがどんどん出てくるマドカの曲の方が好きです。武骨な感じがするところが王道なんです。
ボーナスはまずゴメス・ザ・ヒットマンの山田稔明による「キララの夏物語」。中村佑介のイラストによる架空のアイドル、きららちゃんのイメージソングです。太宰治をモチーフにした歌詞はマドカの詩とはちょっと毛色が違いますし、楽曲もなかなか渋いです。
問題の「ミッドナイト・ウォーリーゲーム」はグランプリ受賞作品とは思えない骨太のギター・サウンドになっています。川羽田敍新という人の作品ですが、秋元康に送らずにこちらに送ったことは大正解でしょう。たんこぶちん向けです。
3作目ともなるとかなり落ち着いてきました。貫禄さえ感じます。このままわき目も振らずにサイの角のようにまっすぐ歩いて欲しいものです。配信時代なのでこだわることでもないかもしれませんが、次はフル・アルバムをぜひお願いしたいものです。
Tancobuchin Vol.3 / Tancobuchin (2015 YAMAHA)