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一般に言われているというところに驚きました。なんてったって私のことだからです。私もそれまで彼らの作品を聴いたことがありませんでしたが、フレディ追悼コンサートでの彼らの姿を見て、いっぺんにファンになりました。
追悼コンサートでのエクストリームはガンズ・アンド・ローゼズやメタリカ以上に目立っていました。フロントマン二人のカッコいいことカッコいいこと。そしてクイーンへの愛に溢れた演奏は本当に素晴らしかったです。
この作品はエクストリームの二枚目にして大出世作です。日本人にとっては、ポルノグラフィティの名前の由来となったアルバムとしても名高い傑作です。この中の一曲、「モア・ザン・ワーズ」が全米1位となっています。
エクストリームはギターのヌーノ・ベッテンコートとボーカルのゲイリー・シェローンの二人の異才を中心とするバンドです。そして、パット・バッジャーのベースとポール・ギアリのドラムスも忘れてはいけないと常に語られますから、無駄のない4人組だったわけですね。
彼らの音楽は一般にハード・ロック/ヘビー・メタルに分類されますけれども、自らファンク・メタルと名乗っている通り、ファンク、R&Bの影響が濃いところに特徴があります。ファンキーなホーンを加えた楽曲もあってなかなか凄いです。
加えて、スーパー・ギタリストのヌーノ・ベッテンコートは、オーケストレーションなどにも才能を発揮していて、多彩な編曲を聴かせます。バラードからハードなチューンまで変幻自在のギターですね。
アルバムはまさにファンク・メタルなのですが、シングル・ヒットした「モア・ザン・ワーズ」は異色と言えば異色のアコースティック・バラードです。くっきりしたメロディーというよりも、ずるずると言葉が途切れることなく続いていく不思議な名曲です。
何とも心に染み入る名曲で、カラオケ向きなんですけれども、これが難しい。私の挑戦は見事に跳ね返され、ゲイリーさんはやはり上手いということを確認するだけに終わってしまいました。
アルバムの中心はよりハードな楽曲です。タイトなリズムにフロントマンの二人が自由自在のプレイを乗せて、スケールの大きなファンキーなメタルが楽しめます。チーム・ワークがいいですね。決してワンマンではない。そんなところもとてもアメリカらしいバンドです。
しかし、90年頃のCDって少し音が悪いです。この作品も例外ではなくて、リマスターした方がいいのではないかと思いますがいかがでしょうか。
Pornograffitti / Extreme (1990 A&M)