![$あれも聴きたいこれも聴きたい](https://stat.ameba.jp/user_images/20130901/13/memeren3/34/c7/j/t02000198_0200019812669057921.jpg?caw=800)
このところ、あまり話題もなかったように思いますから、少しお休みされていたのかと思ったら、そうでもないんですね。これまで15年、新作のリリースがなかったことがないというハード・ワーキングな人でした。この作品もオリコンでは最高位9位と、そこそこのヒットとなっています。派手ではないけれども根強い。
最初に聴いた時には、フェブラリーの作品にしてはヘヴンリーみたいなところがあるなあと思いました。特におっと思ったのは4曲目の「エンジェル・フェイド」でした。ピアノのイントロからしてフェブラリーというよりはヘヴンリー。
と思ったら、インタビューでは、この曲は「作品の中ですでにほとんどヘヴンリーに乗っ取られかけている感じ」、「まさにヘヴンリーの前段階をイメージして聴いてもらいたいです」と語っていらっしゃいまして、私としては鼻が高い。誰かに自慢したくなったので、ここで自慢させて頂きます。
全体にフェブラリーからヘヴンリーに、このアルバムから次のアルバムに自然に移行できるように計算されているようです。「いい子のフリをしているけど、心の中には闇を抱えているキャラ」としての原点回帰で、ヘヴンリーに通じる「ちょっとシニカルな表現や毒っ気」が表現されています。
3つのキャラクターを使い分けることの面白さです。それぞれを客観視する別の視線があるところが、自己満足なり自己憐憫に陥らない秘訣なのだと思います。セルフ・プロデュースの極みという感じですね。それに大たいそういうことを一生懸命語っている時点で、私など彼女の思う壺です。
前にも申し上げましたが、相変わらずキャラクターは私にはよく分かりません。通り一遍の解釈はもちろん出来ますが、おそらく本当は違うんだろうなと思うんですよね。「基本オタクだし」と語っていらっしゃいますが、普通のオタのイメージとは違いますしねえ。
サウンドは、今回も80年代型アナログ電子ポップが基本ですけれども、EDM的なテイストが加わっていて、それなりに現代的でもあります。フリフリでキラキラな曲がないのが残念ですけれども、どれもこれもいい曲が並んでいて、基本は安心して聴いていられます。
デビュー当時のように英語詞の歌も多いです。全曲、英語で歌いたかったそうで、英語だけの完全盤をいつか出したいそうです。英語へのこだわりは分からないわけではありません。日本語は歌詞に使えない言葉が多いですからね。
派手なヒットにはなっていませんが、長く聴いていられるアルバムがまた一つ増えたということで、私は十分満足です。
(引用はナタリーから。http://natalie.mu/music/pp/tommyfebruary6 )
Tommy Candy Shop Sugar Me / Tommy February6 (2013 Warner)