$あれも聴きたいこれも聴きたい-Karl Bohm 02 毎週1回はクラシックか現代音楽を聴く予定でしたが、少し時間があいてしまいました。なかなかままならぬものです。演奏時間が長いので忙しいとなかなか聴けないんですよね。

 言い訳はさておき、今日はカール・ベーム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるモーツァルトの交響曲二曲です。第40番と第41番。どちらも有名な曲です。

 第40番は、本当に有名な曲ですね。恥ずかしながら、私はこのメロディーがモーツァルトの交響曲第40番であることを知りませんでした。50歳をすぎてから新鮮な出会いがあるって羨ましいと思って頂けると嬉しいです。

 第41番は「ジュピター」と名付けられている名曲です。ご存知ですか。それはまた失礼しました。しかし、こちらの方はあまり聴いたことがないかもしれません。40番は運動会でもかかっていた気がしますが、41番はそうではなさそうです。

 いずれもモーツァルト後期の作品で、39番とあわせて「三大交響曲」と呼ばれているそうですね。いずれ劣らぬ傑作として人気が高いということでしょう。

 40番の方はモーツァルトには珍しい短調の交響曲ということで、とても文学的な聴き方がされているようです。短調イコール「悲劇的ペシミズム」という解釈で、晩年のモーツァルトの苦悩と悲哀を引き合いに出して鑑賞することが多いです。

 しかし、運動会でかかってましたよね。決して悲しいとは思えないんですが、それは私のシリアスさが足りないということでしょうか。クラシックの批評では、高邁な精神を裏に読み込もうとする傾向があって、その流れで悲しみや怒り、喜びなどの感情の表出と作品を解釈することが多いように思えます。

 高尚な書き方がしてありますが、演歌や歌謡曲の感想と大差ない気がします。個人個人の受け止め方に差が大きいので、そういう批評は鬱陶しく思うことも多いですね。

 この40番は、モーツァルト晩年の作品だけに円熟した手法でとにかく美しいと感じます。中だるみすることもなく、性急な展開がとても見事だと思います。

 なお、この40番にはクラリネットあるなしの2バージョンがあります。このベーム盤はクラリネットなしだそうです。言われて初めて分かりましたが。

 41番の方は、ハ長調で短い主題が繰り返し現れる壮大な曲で、端正にして壮麗な明るい曲です。どんどん終盤に向かって盛り上がって行って、最後はなんだかすごいことになっています。煉瓦職人ベートーヴェンを思わせるところもありますね。何だか寝っ転がって聴いていられない大曲です。

 カール・ベームはこの当時、特定のポストにはついておらず、フリー指揮者としてあちこちに出没していました。この録音はベルリン・フィルとの共演です。聴き比べする能力がないので、何とも言えませんが、非の打ちどころのない端正な演奏だと思います。

 やはりモーツァルトは天才なんですね。なるほどよく分かりました。

Mozart : Symphonien Nr. 40 g-moll (in G minor), Nr.41 Jupiter / Karl Bohm, Berliner Philharmoniker (19662)

オケ違いですが。