$あれも聴きたいこれも聴きたい-EDPs 02 寒くなりました。韓国は大雪だそうです。モンゴルからインチョン経由で帰国した後輩の話です。モンゴルはマイナス36度だったそうで、日本が暖かいと感じるそうです。

 そうは言ってもずっと日本に居る身には寒さが応えます。こんな寒い夜にはキンキン冷えたロックが似合います。というわけで、今日はEDPsのセカンド・アルバムを聴きました。

 寒い夜が似合うとは言いましたが、この人たちは九州男児三人組です。ファーストの後、ベースがイデから大分のヴァニラに代わりました。ヴァニラはドラムスのボーイ、宮崎出身と同じく元スピードです。マッチャンは熊本です。九州のロックと言えば、めんたいロックが有名ですが、この三人は明太子とは関係なさそうです。

 実は、ヴァニラは結成当時のメンバーですから、これでオリジナル・ラインアップに戻ったことになります。イデさんはゲスト的な扱いでもあったようですね。バンドとしてのEDPsは、ここでようやくもともと意図していた通りになったわけです。

 ジャケットはまたもツネマツマサトシの絵です。今度のタイトルは「夢の果て」です。頭を抱える男の姿。ナルシスのようでもあります。夢の果てには絶望が待っていたということなのでしょうか。前作同様、なかなか考えさせる絵です。加えて文字がいいですね。タイプライターの文字。

 サウンドはよりバンド色が強まったような気がします。それに今回は、カラフルな感じになってきました。特にアフロ・キューバンなビートを持った「テル・ア・ライ」がその象徴でしょう。その他にも、歌謡曲的な曲もありますし、ストレートなロックやパンクもあります。

 フリクション在籍時には封印していたというブルースやロカビリーなどの音楽嗜好が全開したということなのでしょう。殺伐とした前作に比べると、この作品には暖かみすら感じます。キンキン冷えてませんでしたね。暖をとれました。

 とても正統派なロックなんだと思います。ストイックな姿勢で奏でるアンサンブルは見ごたえがあったようです。ステージを見てみたかったですね。

 ただ、私は、よく聴いてはおりましたが、少し物足りなくも思っておりました。華のあるギター・ワークは好きなんですが、リズムが歌謡曲的なんですよね。この曲想にはどうかなあと思っていました。ですが、とても真摯な音楽には心奪われます。立派なバンドです。

 彼らはこのアルバムを発表したのち、84年の暮れには解散してしまいます。解散の経緯はよく分かりませんが、燃え尽きたということでしょうか。

Edges Of Dream / E.D.P.s (1984)