$あれも聴きたいこれも聴きたい-No Doubt バンドの紅一点、ボーカルのグウェン・ステファニは、肌の露出が多い人ですが、その割には妙に胸元などがきっちり抑えられています。レベッカのノッコと同じ系統に属しているように感じます。スポーツ・ブラをしてそうなタイプ。

 とはいえ、一見して明らかなようにマドンナがかなり意識されているようです。マドンナは真似してると言っているようですが、実は二人は遠縁にあたり、仲が良いという噂もあります。まあ、そんな野暮なことを言うのはやめましょう。東日本大震災の際に100万ドルもの寄付をしてくれた人です。

 このアルバムは言わずと知れた大ヒット作品です。アメリカだけで1000万枚以上を売ったモンスター・アルバムです。彼女たちのアルバムではもちろん最大のヒット作品です。

 彼女たちは、87年のデビュー以来、幾多の困難を乗り越えて、このアルバムで花開きました。95年10月に発売されたこのセカンド・アルバムは、「96年12月21日付の全米アルバム・チャートで、何とリリース以来14ヶ月を経てついにナンバー・ワンの座を獲得。最終的に9週連続で1位をキープし、トップ10に36週間ランクインという偉業を達成」します。(公式サイトより)

 学校を中心に地道にプロモーションをした結果の執念のナンバー・ワンですね。素晴らしい。リードしたのはシングル・カットされた「ドント・スピーク」です。この歌は本当にいい歌ですよね。私も、ノー・ダウトと言えばこの曲。大好きです。

 しかし、この曲はいろいろと曰くがあります。グウェンとベースのトニーは7年間も付き合った果てに94年に別れることになりました。この歌はその二人のことをグウェンが詞にしたものです。そう思ってPVを見ると何ともどろどろしています。どういう心持なんでしょう。別れた夫婦で漫才をやってる正司敏江・玲治のようなものでしょうか。

 それにこの曲の作曲はグウェンのお兄さんエリックです。彼はバンドの創設メンバーであり、ここまではバンドの中心でした。彼の手になる作品がバンドのレパートリーの大半だったわけです。彼はこのアルバムでもメンバーとしてクレジットされていますが、前年に正式にバンドを脱退しています。

 エリックの脱退でグウェンが本格的に詞を書くようになり、また他のメンバーが曲作りに取り組んだことが、結果的にこのアルバムを成功に導いたというわけです。

 ノー・ダウトはスカ・パンクだと言われます。確かにスカの要素が濃厚なアルバムです。ジャマイカ生まれのスカ・ビートは、何度も欧米でプチ流行しますが、彼らはその決定打となりました。ただ、彼らはスカの匂いのするパンク的でポップなロックですから、スカ原理主義者からは怒られるかもしれません。

 彼らの初期のデモには、スカまみれのフィッシュボーンからアンジェロがボーカルで参加していましたし、若干スカの匂いがしないでもないレッチリのフリーがプロデュースもしていました。なかなか期待されていたバンドだったんですね。売れるべくして売れたと。

 コミック的な要素もありますし、とにかく楽しいアルバムです。そこに「ドント・スピーク」のしっとり感が加わって最強度を増したということでしょうか。いいアルバムですね。

Tragic Kingdom / No Doubt (1995)