私はディズニー映画を見て涙を流さない人とは付き合いたくありません。商業主義だの何だのと言われますけれども、作品にはアニメーターたちの純真が遺憾なく発揮されていて、とても美しいです。細部に突っ込みどころは多いですが、作品は総体として面白いと思っています。ベタの勝利ですね。
そんなディズニー作品の中でも、この作品は第二期黄金期、ミュージカル・ディズニーのおそらく最高傑作ではないかと思います。前後をはさむ「リトル・マーメイド」と「アラジン」もとても面白かったですが、最もミュージカルらしい構成をとっていたのがこの「美女と野獣」です。
この作品は作詞家のハワード・アシュマンと作曲家のアラン・メンケンのコンビによるものです。二人はディズニー作品でとても有名になりましたね。
このCDには、最後にサービス・カットとして、ピーボ・ブライソンとセリーヌ・ディオンによる「美女と野獣」のデュエットがあるほかは、すべて映画で使われた楽曲が並びます。まったく余談ですが、セリーヌ・ディオンのエディオンCMは何だか見ていられません。
それはさておき、私が好きな曲は、「朝の風景(ベル)」です。映画の冒頭で主人公の人となりを過不足なく説明するミュージカルの王道となる歌です。もうこれだけで物語にぐいぐい引き込まれます。素晴らしい、ザ・ミュージカルです。
シングル・カット(?)されたのは、「一人ぼっちの晩さん会」と「美女と野獣」の二曲ですかね。前者は邦題の雰囲気が少し違いますが、まあどちらもきわめて説明的な歌です。物語の展開を示す重要な歌です。
この三曲はいずれもアカデミー賞にノミネートされ、「美女と野獣」がオスカーを獲得しました。何という戦いでしょう。
一般にミュージカルで使われる曲は言いたいこと、というより説明したいことが明らかですから、深読みする必要もありませんし、聴き手としてはとても気が楽です。アシュマンの後継者となる作詞家ティム・ライスは、英国では英語が下手だと揶揄されていましたが、本作品では、ハワード・アシュマンの歌詞がつぼを心得ていてとてもいい感じです。彼は惜しくも1991年に亡くなっています。合掌。
そんなこんなで、いたれりつくせりのエンターテインメントです。ただ、リズムやビートがいかにも万人向けになっているところが、ロック耳にはなかなかなじみにくいところです。そのために、こういう作品を軽く扱う傾向があるのではないでしょうか。しかし、まあこのあたりは慣れの問題だともいえます。
この作品は、コンセプトがヨーロッパなので、ロックやポップスにすりよったりするのではなく、いかにもミュージカル然としているところが、かえって安心して楽しめます。同じ意味で、セリーヌが出てくるよりも、登場人物が唄う方がはまっています。
ところで普通のビデオ・クリップは何度も見る気がしないのに、ディズニーのソング・クリップは何度見ても面白いのはなぜでしょうね。やはりディズニーはただ者ではありません。
Beauty And The Beast (Original Soundtrack) / Alan Menken, Howard Ashman (1991)
そんなディズニー作品の中でも、この作品は第二期黄金期、ミュージカル・ディズニーのおそらく最高傑作ではないかと思います。前後をはさむ「リトル・マーメイド」と「アラジン」もとても面白かったですが、最もミュージカルらしい構成をとっていたのがこの「美女と野獣」です。
この作品は作詞家のハワード・アシュマンと作曲家のアラン・メンケンのコンビによるものです。二人はディズニー作品でとても有名になりましたね。
このCDには、最後にサービス・カットとして、ピーボ・ブライソンとセリーヌ・ディオンによる「美女と野獣」のデュエットがあるほかは、すべて映画で使われた楽曲が並びます。まったく余談ですが、セリーヌ・ディオンのエディオンCMは何だか見ていられません。
それはさておき、私が好きな曲は、「朝の風景(ベル)」です。映画の冒頭で主人公の人となりを過不足なく説明するミュージカルの王道となる歌です。もうこれだけで物語にぐいぐい引き込まれます。素晴らしい、ザ・ミュージカルです。
シングル・カット(?)されたのは、「一人ぼっちの晩さん会」と「美女と野獣」の二曲ですかね。前者は邦題の雰囲気が少し違いますが、まあどちらもきわめて説明的な歌です。物語の展開を示す重要な歌です。
この三曲はいずれもアカデミー賞にノミネートされ、「美女と野獣」がオスカーを獲得しました。何という戦いでしょう。
一般にミュージカルで使われる曲は言いたいこと、というより説明したいことが明らかですから、深読みする必要もありませんし、聴き手としてはとても気が楽です。アシュマンの後継者となる作詞家ティム・ライスは、英国では英語が下手だと揶揄されていましたが、本作品では、ハワード・アシュマンの歌詞がつぼを心得ていてとてもいい感じです。彼は惜しくも1991年に亡くなっています。合掌。
そんなこんなで、いたれりつくせりのエンターテインメントです。ただ、リズムやビートがいかにも万人向けになっているところが、ロック耳にはなかなかなじみにくいところです。そのために、こういう作品を軽く扱う傾向があるのではないでしょうか。しかし、まあこのあたりは慣れの問題だともいえます。
この作品は、コンセプトがヨーロッパなので、ロックやポップスにすりよったりするのではなく、いかにもミュージカル然としているところが、かえって安心して楽しめます。同じ意味で、セリーヌが出てくるよりも、登場人物が唄う方がはまっています。
ところで普通のビデオ・クリップは何度も見る気がしないのに、ディズニーのソング・クリップは何度見ても面白いのはなぜでしょうね。やはりディズニーはただ者ではありません。
Beauty And The Beast (Original Soundtrack) / Alan Menken, Howard Ashman (1991)