$あれも聴きたいこれも聴きたい-Follow Me ジャケガイノススメ・シリーズの一作です。この紙ジャケ・シリーズはなかなか素敵なジャケットが多くて、目移りしてしまいました。結果、買ったのはこれでした。美しいジャケットだと思ったんですが、よく見ると女性の体型が必ずしも最高とは言えないところが少し残念です。

 LP時代は、それこそジャケ買いした作品が沢山ありました。CDになって、小さくなった分、その頻度は減ったものの、まだまだジャケ買いしたものも多いです。配信時代になるとどうなるんでしょうねえ。さすがにiPodの画面だと、ちょっとその気にならないと思います。

 紙ジャケでジャケ買いなので、当然、5年前に購入するまで聴いたことがありませんでした。どんな音が出てくるか楽しみなところがまたジャケ買いの魅力です。外れた時の衝撃も大きいはずですが、不思議と外れはあまりありません。元を取ろうと無理やり好きになるのかもしれませんね。

 ところで、一時期、モンドやラウンジといった言葉がはやりました。メインストリームのロックやポップス、ジャズから外れた音楽に光をあてたということで大きな意味があったと思います。名前を与えることで、そうした音楽が蘇るというのは大変面白いことでした。

 この作品は外れではありませんでした。確実にモンドやラウンジといったジャンルで拾われる作品だと思います。身も蓋もない言い方をすれば、B級サウンドトラックなんですね。1969年制作の映画は日本で公開されていません。大ヒットとは程遠いようです。

 ストーリーは、3人のアメリカ人サーファーが世界中でサーフィンしまくるというものだそうです。行先は、ポルトガル、モロッコ、インド、セイロン(スリランカは当時セイロンと呼ばれていましたね)、香港、東京、最後のハワイです。東京は何と世界で唯一屋内でサーフィンができるサマーランドです。

 音楽は、ハリウッドのサウンドトラック界では有名だったというステュ・フィリップスという人が制作しています。ボーカル曲は4曲、これを歌うのは、ディノ、デシ&ビリーというハリウッド・セレブの二世グループ。親の七光り的なローティーンのアイドルだそうです。正しい二世タレントの使い方ですね。

 聴いてみると、とても分かりやすい。いかにもサウンドトラックな作りです。インスト曲は、ポルトガルからモロッコ、セイロン、インド、香港、ハワイとそこはかとなくご当地を感じさせるエキゾチックな作りになっています。下品すぎない程よい力加減が心地良く感じます。

 ボーカル曲はサーフィンですからビーチ・ボーイズを初めとするサーフィン・サウンド。ボーカルもコーラスですから、ジャニーズ的な感じだと思えばよいでしょうか。悪くはない。

 一言で言えば、邪魔にならないCDです。紙ジャケなので場所には困りませんし、聴いてみても悪くはない。持っていることを忘れるタイプのCDなので、時々、発見してはどんな音だったか聴いてみる、そんな作品です。

Follow Me (Original Soundtrack) (1969)