![$あれも聴きたいこれも聴きたい-Ashkenazy 02](https://stat.ameba.jp/user_images/20120930/17/memeren3/84/01/j/t02000202_0200020212213417626.jpg?caw=800)
日本シベリウス協会なんていうものまであります。ピアノの舘野泉さんが会長を務めていらっしゃいます。かなり愛好家が多いということなんでしょう。他に検索で引っ掛かったのは、シベリウスなる最新型の楽譜作成ツール。まあ、シベリウス、ナスノシベリウス、シンコウシベリウスなる馬もいますね。
そんなに人気だとはつゆ知らず、失礼しました。
この作品はシベリウス初の交響曲です。1899年といいますから、彼が34歳の時の作品です。この頃のシベリウスは、酒に溺れ、金を浪費し、自堕落な生活を送っていたといいます。そんな彼が一念発起して、紆余曲折を経ながら完成したのがこの作品。いいですね、ロックン・ロールな響きです。
彼の作風は交響曲第3番あたりから変わるそうですが、ここでは時代も時代ですから、ワーグナーとかの影響を受けた華麗で壮大な後期ロマン派的な作風です。民族的と言われることもあるようです。合ってますでしょうか。
クラシックの例にもれず、ネット上には熱い感想が多く書き込まれています。ぶらぶら見ていますと、どうやらシベリウスの楽曲は独特の世界だと言う人が多いように思います。耳が肥えてくればそのように聴こえるのでしょうが、私には変わった音楽だとは到底思えません。
後期ロマン派らしく、ポピュラー音楽と地続きの世界が展開されていると思います。プログレッシブ・ロックだと思って聴けばあまり間違いはありません。ティンパニーが大活躍しているところがとてもロック的です。ハード・ロック的なスピード感もありますし、静と動の対比もプログレ的です。全4曲で40分ですし。
展開が性急なんですよね。聴衆も演奏者も作者も飽きないように、急き立てられるような展開が続きます。そんなところがとてもエンターテイニングだと思うわけです。
演奏はイギリスの名門フィルハーモニア管弦楽団。指揮はウラディミール・アシュケナージ。えっ?ピアニストじゃなかったの?クリチコみたいな兄弟?と疑問の嵐が舞い降りてきましたが、アシュケナージは指揮者としても一流の人だったんですね。知りませんでした。
この演奏は84年、フィルハーモニアの首席指揮者を狙っての演奏だったようですが、その願いはかなわず、同年からシノーポリという人が音楽監督に就任します。残念。
私はこの演奏は結構好きです。丁寧に展開を追っている感じがするのにどこか楽しそうです。いい人なんですかね、アシュケナージさん。
ポピュラー・クラシックというと怒られるのでしょうが、プログレ的クラシックとして、ロック・ファンにも受け入れやすそうです。ヘビメタの聖地北欧には、19世紀からこういう土壌があったということでしょう。そう思うと興味深いものがあります。
Sibelius : Symphony No.1 / Vladimir Ashkenazy, Philharmonia Orchestra (1986)