いきなり自慢させて頂きます。私は、アート・アンサンブル・オブ・シカゴの変態なドラマー、ドン・モイエと握手したことがあります。どうです。他愛もない自慢なだけに深いですよ。
時は92年だったかな、うろ覚えですが、ロンドンにあるロンドンで一番ファンキーな教会で彼らのライブを見た時のことです。その日は2回公演で、最初の公演に行ったのですが、あまりの感動にそのまま居座り、2回目も見ました。もちろんお金払いましたよ。2回分。
その幕間に教会内のパブでビールを飲んでおりますと、メンバーもやってきて、ビールを飲みだしたんですね。それで、ドン・モイエに挨拶して握手できたんでした。本当はロスコー・ミッチェルと握手したかったんですがね。まあ贅沢は言いません。
素晴らしいライブでした。彼らのライブはいつもそうですが、祈りから始まりました。しかし、その日は後半からゲスト・ギタリストを交えて、ブルースのセッション。最後は踊りながら「モージョー・ワーキン」。最高に熱くてクールなステージでした。
トランペットのレスター・ボウイのMCが忘れられません。「ジャズ、ロック、ブルース、レゲエ、ソウル、何とでも呼ぶがいい。俺たちゃ、グレート・ブラック・ミュージックと呼ぶんだ」。
アート・アンサンブル・オブ・シカゴは世界最強のフリー・ジャズ・バンドです。しかし、ありとあらゆるブラック・ミュージックへのリスペクトが感じられる暖かみのある音楽です。彼らの特徴はパーカッション類。ドラム担当のドン・モイエだけではなく、メンバー全員が何か叩いています。笛やホイッスルを吹いたりもします。本当に無造作にやっているのですが、この上なく見事にきまっています。計算されたというよりも無邪気な感じです。
この作品は、彼らの結成10年目の作品で、初めてECMからリリースしたものです。ECMのレーベル・カラーも出ていて、全6曲のスタジオ録音は音がとても綺麗です。
アルバムは、いきなりレスター・ボウイ作の楽しげなレゲエというかカリプソというか、そんな曲で幕を開けます。肩の力が一気に抜けますよ。冒頭に持ってくるのは正解でしょう。
二曲目はタイトル・トラック。私が敬愛してやまないサックスのロスコー・ミッチェルの作品です。この人のミニマルなタッチのサックスは素敵なんですよね。タイトル曲なのに2分足らず。まさにナイス・ガイです。そしておまたせのパーカッション・アンサンブルが聴かれるドン・モイエ作の「フォーカス」。子供が遊んでいるようでもあり、呪術のようでもあります。
ここでアナログだとB面に移ります。サックスのジョセフ・ジャーマンとロスコーの曲が一曲ずつ収められた後、最後の大作はジョセフ作の「ドリーミング・オブ・ザ・マスター」。このマスターはマイルスでしょうか、コルトレーンでしょうか。ジャズ・マスターの演奏を模した、いかにもなもどきな演奏を聴かせます。賛否両論あるようですが、彼らの何でもありな雑食性を、ああこういう方向もありなのね、という方向に発揮したということなのだと思います。曲の構成は素晴らしいですし、パワーあふれる演奏を前にすると我を忘れて聴き入ってしまいます。
昨日の夜、なぜか眠れなかった上に、今日は一日中、家でちょっとした工事をしていて落ち着かなかったのですが、一日の締めくくりに、久しぶりにこの音楽を聴いて、救われました。精神が浄化されるようですわ。
Nice Guys / Art Ensemble Of Chicago (1978)
どんぴしゃのビデオは、お住まいの地域では見られませんということなので。
時は92年だったかな、うろ覚えですが、ロンドンにあるロンドンで一番ファンキーな教会で彼らのライブを見た時のことです。その日は2回公演で、最初の公演に行ったのですが、あまりの感動にそのまま居座り、2回目も見ました。もちろんお金払いましたよ。2回分。
その幕間に教会内のパブでビールを飲んでおりますと、メンバーもやってきて、ビールを飲みだしたんですね。それで、ドン・モイエに挨拶して握手できたんでした。本当はロスコー・ミッチェルと握手したかったんですがね。まあ贅沢は言いません。
素晴らしいライブでした。彼らのライブはいつもそうですが、祈りから始まりました。しかし、その日は後半からゲスト・ギタリストを交えて、ブルースのセッション。最後は踊りながら「モージョー・ワーキン」。最高に熱くてクールなステージでした。
トランペットのレスター・ボウイのMCが忘れられません。「ジャズ、ロック、ブルース、レゲエ、ソウル、何とでも呼ぶがいい。俺たちゃ、グレート・ブラック・ミュージックと呼ぶんだ」。
アート・アンサンブル・オブ・シカゴは世界最強のフリー・ジャズ・バンドです。しかし、ありとあらゆるブラック・ミュージックへのリスペクトが感じられる暖かみのある音楽です。彼らの特徴はパーカッション類。ドラム担当のドン・モイエだけではなく、メンバー全員が何か叩いています。笛やホイッスルを吹いたりもします。本当に無造作にやっているのですが、この上なく見事にきまっています。計算されたというよりも無邪気な感じです。
この作品は、彼らの結成10年目の作品で、初めてECMからリリースしたものです。ECMのレーベル・カラーも出ていて、全6曲のスタジオ録音は音がとても綺麗です。
アルバムは、いきなりレスター・ボウイ作の楽しげなレゲエというかカリプソというか、そんな曲で幕を開けます。肩の力が一気に抜けますよ。冒頭に持ってくるのは正解でしょう。
二曲目はタイトル・トラック。私が敬愛してやまないサックスのロスコー・ミッチェルの作品です。この人のミニマルなタッチのサックスは素敵なんですよね。タイトル曲なのに2分足らず。まさにナイス・ガイです。そしておまたせのパーカッション・アンサンブルが聴かれるドン・モイエ作の「フォーカス」。子供が遊んでいるようでもあり、呪術のようでもあります。
ここでアナログだとB面に移ります。サックスのジョセフ・ジャーマンとロスコーの曲が一曲ずつ収められた後、最後の大作はジョセフ作の「ドリーミング・オブ・ザ・マスター」。このマスターはマイルスでしょうか、コルトレーンでしょうか。ジャズ・マスターの演奏を模した、いかにもなもどきな演奏を聴かせます。賛否両論あるようですが、彼らの何でもありな雑食性を、ああこういう方向もありなのね、という方向に発揮したということなのだと思います。曲の構成は素晴らしいですし、パワーあふれる演奏を前にすると我を忘れて聴き入ってしまいます。
昨日の夜、なぜか眠れなかった上に、今日は一日中、家でちょっとした工事をしていて落ち着かなかったのですが、一日の締めくくりに、久しぶりにこの音楽を聴いて、救われました。精神が浄化されるようですわ。
Nice Guys / Art Ensemble Of Chicago (1978)
どんぴしゃのビデオは、お住まいの地域では見られませんということなので。