あれも聴きたいこれも聴きたい-倉木麻衣10 「みんなで一緒にオーバー・ザ・レインボウ Yeah!」。行った人しか分かりませんね。すいません。行ってきました。倉木麻衣オーバー・ザ・レインボウ・ツアーのファイナル東京国際フォーラムへ。

 開演前にいきなり隣の男の子がペンライトのチェックをしだしたので、用意していなかった私は一瞬帰ろうかと思いましたが、頑張りました。6時に始まって、9時過ぎまで3時間。堪能いたしました。よかったです。いや、何というか、凄いよかったです。はい。

 一級のエンターテインメントでしたよ。歌がうまいですねえ、感動しました。最後まで声も乱れないし、ステージの構成も素晴らしい。腰を落としてすり足で歩くR&Bウォークも極まっていました。2階席の中ほどだったんですが、見ているとだんだん近くなってくるようでした。それだけステージに引き込まれたということでしょう。

 今回のツアーに冠された最新アルバムがこれ。今回もシングル4曲、カップリング2曲に新曲6曲を加えたいつもと同じような作りです。ほとんど全曲ステージで歌われていました。

 ジャケットがこれまでになくセクシーで、倖田來未化が始まったのかと思いました。随分タイプが違うものの、内容もちょっとそれっぽくなったような気がして、若干微妙な気持ちになりました。

 今回の新しい試みは映画俳優アレックス・ルーとのデュエットと、ジョルジェ・カンチェーミの登場でしょう。ジョルジェはイタリア人のお父さんを持つハーフ。西野カナなんかに曲を提供しています。この作品ではシングル1曲を含む5曲を担当しています。中でも「ユア・ベスト・フレンド」はいい曲ですよ。

 ただ、ボーカルの処理の仕方がちょっとどうよと思うところがあります。特に「ステイ・ザ・セイム」と「ユア・ベスト・フレンド」。キーが高いんですが、アイドル声の処理になっています。ミックスの問題かもしれません。彼女の声の魅力が損なわれている気がします。特にこの2曲はライブの方がずっとよかった。

 私は倉木麻衣原理主義者なので、やはりデビュー時から係っているサイバーサウンドのサウンドや大野愛果の楽曲があるとほっとします。今回のサイバーサウンドは1曲「ラブ・ワン・アナザー」でジャングルな感じが素敵です。よく分かってますな。大野愛果は2曲。「1000万回のキス」は名曲です。

 というわけで、また賛否両論分かれるところですが、なかなかの力作であることは間違いありません。それに、コンサートに映える曲なんですね。彼女のコンサートに行くのは初めてなんですが、コンサートを見るとアルバムの魅力もまた一段と増します。これまでのアルバムもそうだったのかもしれませんね。油断できませんねえ。

 こうしてコンスタントにアルバムを出してツアーを行う。10年以上続けることは容易ではありません。やはり実力あるんですね。今日のコンサートで実感しました。いや、大したもんです。

 とても幸せな気分になれました。この幸せを皆さんにもおすそ分け。
 
Over The Rainbow / 倉木麻衣 (2012)

コントロール、きついですね。