あれも聴きたいこれも聴きたい-Perfume04 順番に聴いてきましたが、ようやくここまでたどり着きました。パフュームの最新作、2011年の「JPN」です。

 前作から2年と4か月、待望のアルバムでした。オリコン・チャートも文句なく1位でしたし、メディア受けもよく、音楽雑誌では年度のベスト・アルバム10などという特集があると、必ずランクインしています。大したものです。

 雑誌やネットを見ていると、「パフュームはアーティストなのか、アイドルなのか」という論争があって面白かったです。どっちでもいいじゃないか、と最初は思ったんですが、ファンの楽しみの一つは、そういう事を真剣に議論することだと思い直しました。

 どっちだと思うかと言われると困りますが、一つ言えるのは、彼女たちの立ち位置が変わらないにしても、前作からの2年4か月の間には、空前のアイドル・グループ・ブームが来ましたから、相対的にアーティスト寄りになったということでしょう。もともとアイドルにしては背が高くて大人っぽいですからね。

 いや、議論のポイントはそういうことではないはずでした。ではどういうことかと言えば、キャラクターを先に立てるか、音楽を先に立てるかということなのでしょう。しかし、音楽とキャラクターは不可分ですからね。そう考えていくと、不毛な議論な気がしてきました。どっちやねん、と突っ込まれると、すんませんと謝るしかなくなりました。

 このアルバムですが、前作発表以降に発売されたシングル曲が9曲、アルバム・オリジナルが5曲、うち1曲はオープニングのインスト曲です。なかなか心憎い展開だと思います。粗製乱造ではなく、じっくりと世間から新曲を絶やさずにいて、それをまとめたアルバムを出す。落ち着いています。

 しかも、シングル曲もちゃんとアルバム・ミックスにして、統一感を出す。アイドルっぽくて、かつアーティストっぽい展開です。

 楽曲の質はJポップ的に高くなってきました。ボーカルの処理もかわいらしくなってきていて、先の議論に照らすと、アイドルよりになってきました。テクノ、エレクトロ的にはそれほど冒険はないのかなと思います。そこを不満に思う人もいるようですね。

 私としては、キャラクターと音楽がうまく合っていますし、電子音サウンドへの妙なこだわりが感じられますし、これはこれでいいかなと思います。レトロな感覚も戻ってきたような気がしますし、何よりも、結構、耳につく王道アイドル歌謡ですしね。

JPN / Perfume (2011)