あれも聴きたいこれも聴きたい-AliceCooper04 ジャケットの蛇の名前はカチーナと言います。初代だそうです。その後、イヴォンヌ、エヴァ、エンジェルと続いて行きます。それぞれ個性があったんでしょうか。面白いですね。

 アリス・クーパーの4枚目は、全盛期の始まりとなりました。決然とわが道を行く覚悟ができたとみえて、迷いのない完成度の高さとなりました。私はあまりその意見には与しませんが、アメリカのハード・ロックの最高峰と言う人さえいます。

 前作から「エイティーン」がヒットしたことで、自分たちの進む道がはっきりしたんでしょうね。とても素直で分かりやすい音になりました。もともとの彼らの特徴であるツイン・リード・ギターが、ここではますます活躍しています。

 加えてアリスのボーカルがより悪魔的な響きになりました。それに何よりも詩にも曲にも劇的な展開が際立ってきました。ここでは「デッド・ベイビー」から「キラー」に至る展開が秀逸ですし、A面でも「ヘイロー・オブ・フライズ」が素晴らしい。結構、ポイントはオルガンの音だったりします。演劇的な展開を深める音です。

 リズム・セクションが今一つな気もしますが、全体にアメリカン・ハード・ロックの名盤の一つには数えられるできだと思います。

 ジャケットはここからギミックが始まります。今回は、ジャケットにカレンダーがつながっています。ビデオでもご覧頂けるアリスの絞首刑シーンの写真が使われています。この紙ジャケット盤ではしっかり再現されています。

 今回の玉に瑕はライナーノーツですね。和久井光司さんが担当ですが、グラム・ロックの文脈に彼らを位置づけることのみを意図したものになっています。しかも全4ページの半分を当時のグラム・ロックのヒットを並べるという趣向。アリスがグラム・ロックだからと言って何がどう変わるのか、よく分かりません。あまり意味のない話だと思います。

 前作よりもアルバムは売れ、全米21位とじわじわとブレークの予感がしてきました。次とその次がチャート・アクション的には最高になります。期待が膨らんできましたね。順番に聴いている甲斐があるというものです。

Killer / Alice Cooper (1971)