![あれも聴きたいこれも聴きたい-Godiego](https://stat.ameba.jp/user_images/20111002/21/memeren3/e0/36/j/t02000202_0200020211522320143.jpg?caw=800)
「西遊記」はハゲヅラを被っても美しすぎる夏目雅子の姿として、アラフィフ世代の脳裏に深く刻まれています。堺正章、西田敏行、岸部シローと豪華なキャストでしたが、結局、夏目雅子の三蔵法師に尽きます。
ゴダイゴは、相撲取りのようなミッキー吉野(Key)を中心に、宣教師になったスティーブ・フォックス(b)、ハッピー&ブルーの方が似合う浅野孝巳(g)、シャンティのお父さんトミー・スナイダー(Dr)に埼玉で英語を学んだタケカワユキヒデ(vo)の5人組です。ロック界では名が知れた存在でしたが、この作品でチャート・ブレイクしました。
ゴダイゴはおしゃれでした。当時のロック・バンドはテレビを敵視していましたが、ゴダイゴは軽やかにテレビに出演しましたし、出ても安っぽくなりませんでした。このアルバムは全編英語ですが、シングルは日本語でしたし、その辺のこだわりもない。リズム・セクションは外国人です。当時のロック・バンド全般が持っていた欧米に対する劣等感から来るのではないかと思わせる妙なこだわりが一切ありませんでした。かっこよかったです。
このアルバムはサントラではありますが、一枚のコンセプト・アルバムとして十分に聴きごたえがあります。ポップでありながら、プログレ風の本格アルバムでもあります。演奏もうまいし、編曲もいい。何とも質の高い作品になっています。
「ガンダーラ」の歌詞に釣られただけではなく、アルバム全体の雰囲気から、ゴダイゴをインドに結びつける人も多いです。それはアルバム・コンセプトの勝利でしょうし、どこか第三国のバンドを思わせるゴダイゴの実力なのでしょう。
欧米でも発売され、そこそこの評判を得ています。とはいえ、当時のライナーに書いてある「世界のロック界・音楽界のトップ・グループとして君臨する日も近いのである」は筆がすべりました。突破力には欠けていました。
最近のことですが、テレビでゴダイゴが、「モンキー・マジック」にも日本語詞があったと打ち明けていました。しかし、「お猿が岩から生まれた」というような歌詞なので、「なんだかな」とお蔵入りになったそうです。ここらが日本語の限界ですね。こんな歌詞は童謡かコミック・ソングでしか成立しません。英語なら結構普通にありますよね。
Magic Monkey / Godiego (1978)