あれも聴きたいこれも聴きたい-AmbitiousLovers 素敵なバンド名ですが、何もこの二人が愛人関係にあるわけではありません。ちょっとそれっぽいですが。

 アンビシャス・ラバーズは日本でもおなじみのギタリスト、アート・リンゼイとスイス生まれの凄腕ミュージシャン、ピーター・シェラーによるユニットです。アート・リンゼイと言う人は、坂本龍一と縁が深くて、その係わりでダウンタウンのゲイシャ・ガールズに曲を提供したりしています。急に身近な感じがしますね。

 全くの余談ですが、私のブログにたどり着いた検索ワードの圧倒的な第一位は「ガキ使&ナンバー・ガール」です。10か月経つのに今だにそれでヒットされるんですね。恐るべしダウンタウン。今回もその再現なるか。

 本当に関係ありませんでした。すいません。

 このアルバムはそのアンビシャス・ラバーズの二枚目の作品になります。一般に最高傑作と言われているようです。アート・リンゼイはニューヨーク生まれですが、3歳から17歳までブラジルで育っています。そういうわけで、ごくごく自然にこの作品にブラジル・テイストが横溢することとなりました。

 しかし、ブラジル、ブラジルしているわけではありません。ファンク系のリズムにガシガシ弾きまくるノイズ・ギターを中心に、ブラジルの楽器がなったり、ボサノヴァの曲があったりと、何とも独特な世界が展開されています。

 こんな音楽は他に聴いたことがありません。空気感が独特で、浮遊感に溢れていて、とにかくカッコいいわけです。録音の仕方は80年代だなあと思うものの、古びていないですね。リアル・タイムで買いましたが、今に至るも時々思い出したように聴いています。飽きません。

 アート・リンゼイという人は、伝説のアルバム「ノー・ニュー・ヨーク」に参加した屈指のアングラ・インテリ・バンドDNAのギタリストとして、一部神格化されているところがあります。その時のギターを彷彿とさせる場面もあるのですが、このアルバムの世界はとてもリラックスしていて、何だか昔にこだわるのが馬鹿みたいに思えてきます。

 マティーニの味がする音楽です。個人的な感想に過ぎますか...。

Greed / Ambitious Lovers (1988)