あれも聴きたいこれも聴きたい-Chara 最近、「チャラい」っていう言葉をよく聴くようになりました。はやっているんですかね。チャラのチャラはそのチャラとは何の関係もないそうで、「粗挽き」→「ちゃら挽き」→「チャラ」なんだそうです。知らんがな。

 しかし、デビューした当時は「なんかチャラいな」と思っていたことは事実です。チャラチャラと変な歌を歌ってましたからね。誤解していました。まあ年寄りらしいですね。まず「何だこいつは」と怒る。すいません。

 チャラは根っからお母さんですよね。母性に溢れている。彼女の歌を聴いていると、羊水の中に浸っているような心地よさを感じます。あまりに自分が無防備になって、ちょっとしたことで泣きたくなるんですよね。気持のよい涙を連れてくる。涙腺刺激度が高い音楽です。

 このアルバムは何だかとても大事にしてきました。この時期、うちのCD棚は出入りが激しくて、手放したCDは数多いんですが、このアルバムは無事に残っています。加えてPV集のDVDまで買いました。あまり人に聴かせたくないアルバムです。

 最初はテイ・トウワがプロデュースする曲で始まります。バッファロー・ドーターがゲストで参加していて、どんつくどんつく重いリズムが素敵です。後はセルフ・プロデュースの楽曲が並びます。落ち着いた曲調の歌が多く、地味と言えば地味です。その地味さ加減にはまるんですね、これが。なんたってお母さんですから。

 シングル・ヒットした「70%-夕暮れのうた」は唯一歌謡曲的なメロディーの曲で異彩を放っています。それにしてもこのタイトルは素晴らしい。惜しみない賛辞を贈りたいと思います。その他には、「あいしていると誠実に目に語れ」とか「話して尊いその未来のことを」とか「なんでそんなことをさせるの?僕に」など、チャラ・ワールド全開のタイトルが並びます。

 チャラの歌い方も声も独特なので、全体に歌詞は聴き取りにくいんですが、なぜか歌詞のもつメッセージは逆に伝わりやすい気がします。別に、ついつい歌詞カードを読んでしまうからというわけではありませんよ。曲の中での言葉の使い方がうまいんでしょう。

 何だか恥ずかしい文章でしたが、引かずに読んで頂いてありがとうございます。

Strange Fruits / Chara (1999)