あれも聴きたいこれも聴きたい-SKM
 ネットで話題の神聖かまってちゃん。メジャーから二枚同時リリースのはずでしたが、こちらはインディーズからの発売になりました。何でも発売直前にワーナーの社長が亡くなったために、タイトルが問題になったんだということです。いろいろと話題な人たちです。

 このバンドのリーダーはキーボードのmonoだそうですが、ボーカルをとっている「の子」のワンマン・バンドであるようです。曲は全部「の子」が一人で作っています。しかし、バンドへのこだわりは強いということで、ロックしています。

 四人は千葉県在住で、「の子」が2チャンネルで宣伝書き込み活動を行った後、インターネットで自宅でのトークや路上ゲリラライブなどを動画配信することで、注目を集めました。まだ動画配信が珍しかった時期です。

 実力のほどは認められていて、2009年には1600組の応募バンドから選ばれてサマソニに出演もしています。その後、ミニアルバムを発表、これが待望の初アルバムです。待望久しかったということで、二枚同時リリースは大いに盛り上がりました。

 公式サイトのプロフィールには、「子供の頃の暗い記憶やニートの抱える不安な感情などを美しいメロディに乗せた楽曲、予測のできない破滅的なライブパフォーマンスでファンを増やし続けている」と紹介されています。

 破滅的なパフォーマンスということでは、パンク的なものを感じます。日本のパンクはザ・スターリンなどの第一世代以降、脈々とそのシーンが引き継がれていますから、どうしてもその系譜に置いてみたくなります。年寄りの性です。

 しかし、そんなに年寄りに分かりやすいわけではありません。スキャンダラスですし、「予測のできない破滅的なライブ」だそうですが、どことなく可愛らしいパフォーマンスなんだそうです。学ランの不良などとは時代も違うわけです。

 サウンドもとても面白いです。オアシス以降にみられる隙間を音で埋め尽くさずにはいられないウォール・オブ・サウンド的組み立てなのですが、全体に音が軽くて高い。そこが面白いです。B'zで音楽に目覚めたという話に合点できてしまいます。

 特にキーボードのラインがとても気になります。いや面白いです。オーソドックスだけれども新しい。全体的なサウンドの処理がラモーンズ的です。生音というよりも全体に薄く膜がかかったような処理が施されているように聴こえます。

 歌詞は若者らしくてとても気持ちいいです。無理やり日本語をメロディーに乗せるところが面白いです。「スピード」という曲の♪得体の知れないスピードで僕らはのっかっているんですけど♪なんていう字余り感など、とてもかわいいです。

 詞と曲の相性がよくて、目いっぱいロックしているサウンドはとても魅力的です。♪神様それではちがうなり♪というフレーズなど一日中繰り返してしまいます。♪男はロマンだぜ!たけだ君っ!♪。SKMっていう略語も素敵です。すくすく伸びてほしいバンドです。

みんな死ね / 神聖かまってちゃん (2010 Perfect)

(2015/4/26 Rewrite)