死にたいとは思っていない


父親を可哀想な存在と思ったのは初めてかもしれない


なかなか難しい問題である


ぼくはようやく自分が虐待を受けてきたと知った

特に兄からの暴力は半端なかった

6個も離れた兄

小学校低学年の時の記憶だと、首を絞められたり、思いっきり殴られたりしてた

怖かった

しんどかった

でもそれは表現されなかった


いつしか兄のそばを通るだけで緊張するようになっていた

兄と一緒にテレビを観るときは、兎に角兄が怒らないように、じーっと黙っていた


大人になって

ぼくが他の誰かと話す姿を兄が見て

兄から

「お前、喋るようになったんだな」

と言われた


この人はなぜぼくが喋らなかったのかを知らないんだ

とびっくりした



つづく