こんにちは！

相談員の皆さま、今日もお疲れ様です。

退院支援していると、他の職種の不安や葛藤にぶつかることもありますよね。

80代の女性の退院支援をしている時のお話。

脳梗塞後のリハビリ目的にて転院してきた患者さん。

KPは同じく80代のご主人。

リハビリの評価では、高次脳機能障害もあるし、片麻痺もあり、車椅子生活がゴールだろうという見込みでした。

介護保険申請して、要介護4。

全てのADLに介助が必要な状態でした。

ご主人からは介護が必要でも自宅での介護を希望するとのお話あり。

娘さんもいましたが、協力は得られず。

看護の方でご主人に介護指導することになり、若い看護師さんが担当となりました。

ご主人は毎日のように面会に来て介護指導を受けていました。

担当の看護師さんも一生懸命教えてくれていました。

しかし、ご主人も高齢なので教えた事を次回には忘れていたり、理解力の低下もあり、なかなか指導は進まず…。

私は年配の看護師さんに「本当に家に帰れるんですか？！」と、よく怒られていました。

でも、患者さんと家族が家に帰りたいと言う希望があったので、患者さん、ご家族、関係機関と何とか自宅での生活が出来るように調整をしようとしていました。

そのような中、病棟に行った際に担当看護師さんに介護指導の様子を聞こうとすると、突然その看護師さんが泣き出してしまいました。

理由を聞くと上に書いた通り、ご主人の理解力の低下があり、なかなか教えた通りに出来ない。

覚えてもすぐに忘れてしまう。

こんな様子で家に帰れるのか…先輩達に散々責められていたみたいです。

同職種内で出来ていない事を責められるのは辛いですよね。

ましてや、今回は担当看護師さんのせいではありません。

私は泣いている看護師さんの話を聞き「あなたのせいじゃないよ」と、言い続けました。

施設退院も検討したケースです。

自宅での生活は難しいかもしれないという意見も沢山ありました。

退院までの短い期間で、完璧に介護が出来るようになるわけでもありません。

自宅に帰ってみて、どうしても無理だという事になれば、退院後であれケアマネと一緒に施設を探すつもりだいう事も伝え、その上で期間内に出来る限りの指導をして欲しいと、伝えました。

そして、先輩看護師さんや看護主任さんには介護指導は1人では無理である事、担当看護師さんの状況を伝えて協力を仰ぎました。

その後、介護指導の成果もあり、その患者さんは何とか自宅に退院して生活をされています。

退院支援する際に、「無理だ」「出来なかったらどうするんだ」という不安や葛藤から相手を責めるのは意味がないと思っています。

不安や葛藤は、他の職種の不安や葛藤と重なる事も多い。

それならば一緒に「どうしたら出来るか」「そのために何をしたらいいか」を考え、多職種で協力をする事が大事だと思います。

そうしたら最後には何とかなるケースが多い。

一番不安と葛藤を抱えているのは、患者さんとご家族です。

そこを支えるのが相談員であり、専門職のみなさんです。

それを忘れずにいたいと思うのです。