今思えば、初めて会った時から惹かれていた。
それから何度会っても綺麗な形の目に見られていると思うと、罪悪感にも似た恥ずかしさすら感じた。
何がどう間違ったのか、時間を共有することがない人とオレなんかがって思ってた。
ごめんね。
ふたり、せぞん。2
「ジェージュン!」
社員食堂でパンをかじりながら午前中にメモをしたことを清書していたオレの肩を、ポンと叩き声を掛けてきたのはジュンスだった。
隣の席に腰掛けたジュンスがランチボックスから取り出したのはサンドウィッチ。
「今日も美味しそうだね、ジュンス」
「お弁当作りが楽しいみたいでね、ボクの嫁さん」
いたたきまーすと頬張るジュンスはとても幸せそうに見えた。
ジュンスは新入社員研修で一緒になった中でとても気があった。
入社式前に見た所属課の名簿一覧の中に名前があってほっとしたんだ。
「見てるだけでオレも幸せな気持ちになるよ」
「えへへへ。それにしてもジェジュンは本当に仕事熱心なんだネ」
ジュンスは学生結婚をしていて、1歳になる娘が居るんだと研修中に話してくれた。
今度家に遊びにおいでよと言ってくれている。
写真で見せてくれた奥さんと娘さんはとても可愛くて、話をする時のジュンスは眉を下げて「そうでしょ〜」なんて惚気けるものだから、幸せというのはこういうことをいうものなのだとオレは感じた。
「物覚えが悪いからさ、こうしてまとめておかないとと思ってね」
オレが食べるパンは味気ないけど、オレはこれでいいかな、今は。
「そうそう、ジェジュン。嫁さんが早くジェジュンを連れてこいってうるさいんだよ」
「オレもソヨンさんとユナちゃんに会いたいな!」
「それなら次の日曜日はどう?」
パクパクとサンドウィッチを平らげたジュンスは、まるで遠足に来ている子供みたいに楽しそうに話す。
「大丈夫だよ、開けておくから」
「じゃあ時間はソヨンと決めてから連絡するよ」
「わかった。宜しくね」
オレたちはそう約束をして午後からの仕事に取り組んだ。
日曜日。ジュンスの家で夕飯を食べようと決まっていたから、オレはまだ少しだけ肌寒さを覚えて黒いカーディガンを羽織った。
何か手土産を買おうかなと思って入ったケーキ屋で、大人3人分のケーキを買って、少しの時間を潰すためにコンビニに入った。
雑誌コーナーで目に入ったのはナギルが表紙のファッション誌だった。
「なんでこんなに綺麗な顔で撮影できるのかな?モデルってすごいよなぁ」
隣に人が居ることを忘れてついつい心の声が言葉として発してしまった。
だって、いくら化粧をしたって元々の顔の造形が美しいものは、どうしたって美しく映るはずだから。
♪♪♪♪
ポケットの中の携帯が音をたてた。
画面を見るとジュンスと表示されている。
「ジュンス?どうした?」
(ジェジュン、ごめん!ユナが熱を出しちゃって…。これから病院に行ったりしなきゃ行けなくなっちゃって…!せっかく楽しみにしてたのにごめん…!)
電話越しにユナちゃんの愚図る声が聞こえてくる。
子供の発熱は仕方がない。
中学の頃にも年の離れた兄弟がいる友達と遊ぶ時もこんな事があったから。
「ジュンス、大丈夫だよ。いつでも遊べるし、オレも元気なユナちゃんに会いたいから」
(ありがとう、ジェジュン。また予定たてよう!)
「オレはいいから、病院、気をつけて行ってきて」
そう言ってオレは電話を切った。
「ケーキ、どうしような…。さすがに3個はきつい」
雑誌を棚に戻してケーキの箱を眺めた。
「俺でよければご一緒しましょうか?」
隣の人が突然話しかけてきた。
え?と思って横を見たら、怪しいくらいに着込んでいる男がそこに居た。
この服の男がいるなんて、気が付かなかったオレがおかしいくらい変な服…。
それに夜になりかけているのにサングラスかけてるし、なに、この人。
「え、でも…」
「仕事に行くまでの間、少し時間があって…。そちらのご予定もなくなったみたいだし、ケーキも勿体ないし…」
いや、なにそれ。おかしくない?
この怪しさ満点の男の言うことって、やっぱり変。
それに結構、強引。
「だめかな?」
その男はサングラスを少しだけ下げてみせた。
「え!ナ…!!」
「シッ!大きな声で名前を言うと人が集まるから。家、近い?」
ほんとにほんとに強引!!
「ちかい…です…」
「じゃ、君の家に行こう」
決まりねと、強引に決めたその男は、さっき棚に片付けた雑誌の表紙の男と同じ目をしていた。
こんな庶民の家に連れてきちゃった…。
芸能人。
しかも超一流のモデル。
「助かった!腹も減ってたし、時間も潰さなきゃだったし!」
どうしよう…。強引に押し負かされたとはいえ、どうしよう…。
だってオレの目の前で笑っているのは、
それから何度会っても綺麗な形の目に見られていると思うと、罪悪感にも似た恥ずかしさすら感じた。
何がどう間違ったのか、時間を共有することがない人とオレなんかがって思ってた。
ごめんね。
ふたり、せぞん。2
「ジェージュン!」
社員食堂でパンをかじりながら午前中にメモをしたことを清書していたオレの肩を、ポンと叩き声を掛けてきたのはジュンスだった。
隣の席に腰掛けたジュンスがランチボックスから取り出したのはサンドウィッチ。
「今日も美味しそうだね、ジュンス」
「お弁当作りが楽しいみたいでね、ボクの嫁さん」
いたたきまーすと頬張るジュンスはとても幸せそうに見えた。
ジュンスは新入社員研修で一緒になった中でとても気があった。
入社式前に見た所属課の名簿一覧の中に名前があってほっとしたんだ。
「見てるだけでオレも幸せな気持ちになるよ」
「えへへへ。それにしてもジェジュンは本当に仕事熱心なんだネ」
ジュンスは学生結婚をしていて、1歳になる娘が居るんだと研修中に話してくれた。
今度家に遊びにおいでよと言ってくれている。
写真で見せてくれた奥さんと娘さんはとても可愛くて、話をする時のジュンスは眉を下げて「そうでしょ〜」なんて惚気けるものだから、幸せというのはこういうことをいうものなのだとオレは感じた。
「物覚えが悪いからさ、こうしてまとめておかないとと思ってね」
オレが食べるパンは味気ないけど、オレはこれでいいかな、今は。
「そうそう、ジェジュン。嫁さんが早くジェジュンを連れてこいってうるさいんだよ」
「オレもソヨンさんとユナちゃんに会いたいな!」
「それなら次の日曜日はどう?」
パクパクとサンドウィッチを平らげたジュンスは、まるで遠足に来ている子供みたいに楽しそうに話す。
「大丈夫だよ、開けておくから」
「じゃあ時間はソヨンと決めてから連絡するよ」
「わかった。宜しくね」
オレたちはそう約束をして午後からの仕事に取り組んだ。
日曜日。ジュンスの家で夕飯を食べようと決まっていたから、オレはまだ少しだけ肌寒さを覚えて黒いカーディガンを羽織った。
何か手土産を買おうかなと思って入ったケーキ屋で、大人3人分のケーキを買って、少しの時間を潰すためにコンビニに入った。
雑誌コーナーで目に入ったのはナギルが表紙のファッション誌だった。
「なんでこんなに綺麗な顔で撮影できるのかな?モデルってすごいよなぁ」
隣に人が居ることを忘れてついつい心の声が言葉として発してしまった。
だって、いくら化粧をしたって元々の顔の造形が美しいものは、どうしたって美しく映るはずだから。
♪♪♪♪
ポケットの中の携帯が音をたてた。
画面を見るとジュンスと表示されている。
「ジュンス?どうした?」
(ジェジュン、ごめん!ユナが熱を出しちゃって…。これから病院に行ったりしなきゃ行けなくなっちゃって…!せっかく楽しみにしてたのにごめん…!)
電話越しにユナちゃんの愚図る声が聞こえてくる。
子供の発熱は仕方がない。
中学の頃にも年の離れた兄弟がいる友達と遊ぶ時もこんな事があったから。
「ジュンス、大丈夫だよ。いつでも遊べるし、オレも元気なユナちゃんに会いたいから」
(ありがとう、ジェジュン。また予定たてよう!)
「オレはいいから、病院、気をつけて行ってきて」
そう言ってオレは電話を切った。
「ケーキ、どうしような…。さすがに3個はきつい」
雑誌を棚に戻してケーキの箱を眺めた。
「俺でよければご一緒しましょうか?」
隣の人が突然話しかけてきた。
え?と思って横を見たら、怪しいくらいに着込んでいる男がそこに居た。
この服の男がいるなんて、気が付かなかったオレがおかしいくらい変な服…。
それに夜になりかけているのにサングラスかけてるし、なに、この人。
「え、でも…」
「仕事に行くまでの間、少し時間があって…。そちらのご予定もなくなったみたいだし、ケーキも勿体ないし…」
いや、なにそれ。おかしくない?
この怪しさ満点の男の言うことって、やっぱり変。
それに結構、強引。
「だめかな?」
その男はサングラスを少しだけ下げてみせた。
「え!ナ…!!」
「シッ!大きな声で名前を言うと人が集まるから。家、近い?」
ほんとにほんとに強引!!
「ちかい…です…」
「じゃ、君の家に行こう」
決まりねと、強引に決めたその男は、さっき棚に片付けた雑誌の表紙の男と同じ目をしていた。
こんな庶民の家に連れてきちゃった…。
芸能人。
しかも超一流のモデル。
「助かった!腹も減ってたし、時間も潰さなきゃだったし!」
どうしよう…。強引に押し負かされたとはいえ、どうしよう…。
だってオレの目の前で笑っているのは、
(写真はお借りしました。ユノの私服ダサいみたいに書いてごめんなさい!)


