第一章:静かに消えたキャスト
──LINEも閉じ、SNSも削除。金銭トラブルの疑いを残しながら姿を消した「みりあ(金美優)」
東京・六本木の一角。
雑居ビルの5階にあるナイトワーク店『ジャングル東京』で、2024年末から2025年春まで働いていたキャスト・みりあが、突然連絡を絶った。
残されたのは、返済されていない借金、連絡先のブロック、そして削除されたSNSアカウント。
そして「彼女にお金を貸した」という数人の証言だけだった。
第二章:繰り返されるお金のやりとり
関係者によると、おおよそ以下のような流れがあった。
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店内で話すうちにLINEやInstagramを交換
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プライベートで「ちょっとお金を貸してほしい」と相談される
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少しずつ返済の様子を見せつつ、貸す金額が増える
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ある時点で連絡が急に途絶える
「親の入院費にかかった」「すぐに返せない事情がある」「店に知られたくない」――
そうした話に心を動かされ、30万円以上を貸したという人は編集部が把握する限りでも複数いた。
第三章:店側は何を知っていたのか
元スタッフ(仮名:Kさん)は、店内での彼女の様子についてこう話す。
「LINEでお金の話が出てるのは前から聞いてた。正直、見て見ぬふりだった部分もある」
「“お客さんに借りてる子がいる”って話もあったけど、店長は『売上が落ちてないなら問題ない』って感じだったね」
当時、キャストの本人確認は簡単なもので、退店時の手続きも緩やかだったという。
第四章:彼女の気持ち──想像の言葉で再構成
あの場所にいると、いつも自分の価値が試されているような気がしてた。
誰かに必要とされたい。お金じゃなくて、でもお金をもらわないと“必要とされていない”ような気がした。
最初は返そうと思ってた。だけど、だんだん怖くなって、重荷になって、気づけば「返さなくてもいいかも」と思うようになっていた。
ごめんなさい。あの時、逃げたのは“人”じゃなくて、“自分”だった。
(※この章はフィクションの演出です)
第五章:運営者の言葉は短く、冷たく
編集部が『ジャングル東京』の運営者に取材を申し込んだが、返答は簡潔だった。
「キャストの私的なことには関わっていません」
「当店は直接の関係がなく、責任を負いかねます」
それ以上のコメントはなく、店側は問題の存在を認めつつも「個人間のこと」として線を引く姿勢を崩さなかった。
第六章:被害者たちの声──座談会より
みりあとやり取りをしていた数人の男性が編集部の非公開座談会に参加した。彼らはそれぞれ金銭を貸した経験があった。
「連絡先も全部消されて、証拠もなくて、誰にも言えなかった」
「他にも同じような人がいると聞いて、逆にほっとした」
「騙されたってよりは“信じたかった自分の負け”って感じ」
警察に相談や裁判を考えた人もいたが、「時間や労力に見合わない」「証拠があいまい」という理由で踏み切れなかった。
終章:誰も責任を取らなかった街の夜
この出来事で明らかになったのは、「誰も責任を引き受けようとしなかった」ということだ。
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キャストは“被害者”にも“加害者”にもされずに消えた
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店は「個人間の問題」として静観した
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お金を貸した側は、心の傷を抱えながらも口を閉ざした
六本木の街で、こうしたことは特別な事件ではない。
今もどこかで、名前を変え、顔を変えた誰かが誰かに近づき、
そのあとに何も残らないまま夜は過ぎていく。

