目を開くと、そこは焼け野原だった。
赤く焦げた空に真っすぐに伸びた黒煙、空気は焦げ肺を熱で満たす。
見渡す景色に人の姿は無く、家屋は崩れ遠くのビルは上半分が折れていた。
(そういえば、ここってどこだっけ。)
何も覚えていない、思いだそうとすることさえできない。
体は僕の意思に関係なく動き、目の前の果てしない階段を下り焦土の街へ向かう。
今降りていく階段が異常な高さにある事をその時初めて気づく。
勝手に階段を下りる体を必死の思いで止め振り返ると駅舎があった。
駅と書いてある訳でも、列車が止まっている訳でもなかったが僕はそれが駅舎だと思った。
次の瞬間、足を踏み外し僕の体は焦土の街の宙を舞った。
