「聖なる者」第2章 太陽と月~シャーマンの末裔 ウソン 第2話 若葉のころ | 銀河の渚 Dreamscape

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地上に舞い降りた天使 
かすかに聞こえる羽音
羽が風に舞うその瞬間
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プロローグ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デビューをかけた

オーディション番組の収録日が

迫ってくる中、

グループのリーダー、

ブライアンはいつものように

怒鳴り散らしていた。

 

 

「ダメだ! ダメだ! ヨハン!

何回言ったら分かるんだ」

 

 

そう言われた少年は、

今にも泣き出しそうだった。

 

 

グループのリーダーは、

外国人でバイリンガルでは

なかった。

 

 

その上、彼は

7年間も練習生をしていながら、

驚くほど踊りが下手だった。

 

 

とうぜん、どこが悪いのかを

きちんとことばで説明できなかったし、

実際に踊って

少年に手本を見せることも

出来なかった。

 

 

それでも少年は

一生懸命、罵声に耐え

踊り続けた。

 

 

「ダメだ! ダメだ!

何度言ったらわかるんだ!

明日も出来ないなら、

他のメンバーに

代わってもらうからな!」

 

 

リーダーのことばに少年は

ついに泣き出し、

レッスン室から

飛び出して行った。

 

 

その様子を見て

マイケル(ウソン)は、

少年が可哀想になった。

 

 

少年はリーダーよりも、

明らかに踊りは

上手だったのだ。

 

 

少年は振付家が示した踊りを、

正確にきちんと再現していた。

間違って振付を憶えていたのは

リーダーの方だった。

 

 

しかしリーダーは

事務所に莫大な寄付してくれる

富豪の息子で、

いつも事務所から

忖度される

練習生だったのだ。

 

 

実はマイケルは、

リーダーがあまりに

実力が無い

練習生だったことから、

番組の成り行きを心配した

会社の指導陣とスタッフが、

デビューを餌に

他の事務所から

引き抜いていた

練習生だったのだ。

 

 

マイケルは少年を

屋上まで追いかけて行き、

慰めた。

 

 

そして実際に踊って見せて、

アドバイスを与えた。

 

 

すでにマイケルは振付を

完全に憶えていたし、

自分のものにしていた。

 

 

「君の踊りは

未完成だけど

間違ってはいない。

 

もっと自信をもって

踊るんだ。

 

少なくとも君は

リーダーよりも

踊りは上手だし、

審査員はきちんと

評価してくれるはずだ」

 

 

ヨハンはいつも

理解されない孤独を抱え、

悩んでていた。

 

 

何が違うのか、自分でも

分からなかったのだが、

感情を抑えきれなくなり、

よく泣いてしまうのだった。

 

 

その上、彼は

弱いにもかかわらず、

喧嘩っ早かった。

 

 

しかしマイケルはヨハンと

年が離れていたこともあり、

初めから喧嘩の対象では

なかった。

 

 

マイケルは歌も踊りも、

グループの中では

一番上手な練習生で、

その日からヨハンにとって

マイケルは憧れの人となり、

心から慕う相手となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P.S.

この小説の主人公

マイケル(ウソン)のイメージ・モデルは、

今はソロ・シンガーとして活躍する

キム・ウジンさんなので、

物語のディテールには

伝え聞く実話も少し折り込んでいます。

しかし基本的にはフィクションの

ミステリー小説です。

 

 

忖度の結果、

外国人メンバーには

伏せられていると思われる

不都合な真実を土台に

小説を組み立てていますので、

外国人メンバーのファンかたは

スルーしてください。

 

 

 

 

 

 

 

(写真:ヨハンの憧れの存在マイケル~イメージ キム・ウジン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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