星野 源さんの『そして生活はつづく』を読みました!



なぁのお稽古事の間に寄ったB◯◯K◯FFで偶然見つけた、星野 源さんのエッセイ。

ちょうど迷走者的『POP VIRUS』パワープレイ期間中(なにそれ)でしたので、星野さんがどんな文章を書かれるのか気になって、購入してみました。

面白かったです!
中には声を上げて笑った箇所もあるくらい!
ちょいとご紹介させて頂きますと、お箸選びの巻。

お箸なんてこだわりがあるわけではなかったのに、いざ買おうとするとどれもしっくり来ず選びきれない。
結局割り箸を買って帰ることとなり、敗北感、むしろ失恋にも似た気分になってしまった。
どうでもいいと思っていたお箸なのに、すっかり虜になっていた。
「はじめはあんたのほうから好きになったんやで。うちの好きより、あんたの好きのほうが大きかった。せやけど、あんたに抱かれてるうちにうちの好きのほうが大きくなっていってん。」
と、やしきたかじんさんの歌詞っぽい気分になってしまった。

…とかね!
このお箸選びには、まだ続きがあります。
お箸一膳選ぶのに、これほど想いを巡らされるとか、ステキです星野さん。



面白い文章を書けるかたって、魅力的です。
正確に言えば、ワタクシが面白いと思える、波長やツボが同類の文章、ということでしょうか。

読み入ってしまう文章を書けるかた。
音楽的センスのあるかた。
好き嫌いが少なく、グルメ過ぎず、味覚音痴でもないかた。
お洒落だけど、お洒落過ぎないかた。
押し付けがましくなく、どや感出しまくらないかた。
遠慮なくどつき合えるかた。

とか、魅力的。性別問わずね!
…ってワタクシの趣味嗜好なんかは別にいいって!

個人的には女性が書かれた文章を読むことが多かったのですが(益田ミリさんや群ようこさん、たかのてるこさん、林真理子さん等)、星野さんの他の著書も読んでみたいと思いました。



 驚いたことに、星野さんはこのエッセイの中で、

「私は今でも、基本的に感じたことを素直に表現するのが下手だ。」

とおっしゃっています。

お芝居でも音楽でも文章でも高い評価を得ていらっしゃる星野さんが、「表現するのが下手」だなんて!

ご謙遜も甚だしい!と思う一方、妙な親近感を覚えます。

星野さんの偉業とはこれっぽっちも比較対象にはなり得ないワタクシの平凡な日常でございますが、なんと「表現するのが下手」という、同種の自覚をお持ちとは…!

それに、お仕事で拍手を浴びても、家に帰れば虚無感に襲われる。だからお仕事の予定を入れまくる、とか…。

ワタクシ、よく求人サイトを覗きます。
自分の能力や体力を棚に上げて、まだ何かできないか、しなきゃいけないんじゃないか、という焦燥感に常に煽られているようで…。

星野さんが知られたら、「いやいや、そんなレベルで話してないし!」と一蹴されるのでしょうけど…。

とにかく星野さんの文章から、勝手にシンパシーを感じてしまったのございました。



ツラいコワいことは嫌だし、時に人間関係はメンドくさいし、愛想笑いや聞こえてないふりもしつつ。
したいことだけしてたいけど、まさかそんなわけにもいかないし。
食べたいし歌いたいし映画観たいし寝たいしお洒落したいけど、いっぺんに全部はできないし。
この歳で身長が伸びることはないし。
一緒にいたい人がそばにいないことと、そうじゃない人がそばにいること、どちらがしんどいんだろう?なんて考えてみたり。
愚痴っぽい人はキライと言いながら自分が愚痴っぽくなってて、いかんいかん!と思ったり。
食洗機の洗剤が見つからない!と思ったら冷蔵庫から出てきたり。
私には接客業は絶対ムリ!と昔は思っていたのに、今やってるよなーなんでかなーとか。
去年応募した作曲コンテスト、あれ、あの歌手さんでなくて坂本冬美さんとか石川さゆりさんがお歌いになるんだったら採用されてたかもなんて薄ら笑いしてみたり。
いい歳して泣きわめいたりなんて、できないし。
インフルエンザどころか風邪の一つもひかない、自分の馬鹿さにほとほと呆れたり。
ぶれぶれだし。
柿の種にチョコレートコーティング思い付いた人、天才!と感心・感謝してみたり。
今日は買うぞー!と張り切ってお買い物に出掛けた時ほど、欲しいものが見つからなかったり。
パンプス履きたいけど、足の甲寒いし。



そんなこんなで、生活はつづいていくのですね。