韓国映画『王の運命 歴史を変えた八日間 』を観に行ってきました!




18世紀の朝鮮。

第21代国王として君臨する英祖(ソン ガンホさん演)は、世子(ユ アインくん演)を王位継承者にふさわしい学問と礼法に精通した者に育てようと考える。

しかし、彼の意に反して世子は芸術と武芸に情熱を注ぐ青年であった。

そんな息子に対する英祖の失望は次第に怒りへと変わり、一方の世子も自分の意思を尊重しようとしない父親に憎しみを抱くようになる。

二人のすれ違いは激化し、英祖は、ある出来事をきっかけに世子を米びつに閉じ込めようとする…。





韓国歴代の王の中でも、映画・ドラマで最も多く描かれていると言ってもいいであろう第22代国王・正祖(イ サン)の祖父・英祖とその息子(イ サンの父)の物語です。


彼を表す時によく聞くのが「思悼世子(サドセジャ)」という呼び名ですが、これは彼が亡くなった後に付けられた、いわゆる戒名みたいなものだと思います。

(ちなみにこの映画の現代も『사도』でござます。)


映画の中では、彼が亡くなった時、父である英祖が息子の死を悼み、悲しく思うという気持ちから付けた名前だと描かれていました。


「世子」というのは、日本で言う「皇太子」みたいなもので、次期国王を表します。


生前の名前はなんだったのかなーと気になって調べましたところ、「李 愃(イ ソン)」だということが分かりました。


「荘献世子」という呼び方もあったそうです。


ここら辺、度々整理しておかないと、ごちゃごちゃになってしまうので、忘備録みたいなものですw


余談でございますが、ワタクシは正祖を描いた作品の中では、『風の絵師』が好きだったなー!





王である英祖は、自分の息子に立派な王になってほしいと期待を寄せるのですが、思うようにはいかず…。


取るに足らない超一般人という立場であっても、人間を育てていくということは難しいのに、国を背負う家系となれば尚の事。


世子は、「父上から温かい言葉一つかけてもらった記憶がない」と言っていましたが、その悲しさは英祖も同じだったはず。


王ではなくただの父親であれば、息子との関係も全く違ったものになっていただろうと…。


それこそが、『運命』ということなのでしょう。


死なせてしまっては取り返しがつきませんが、それくらいの覚悟でなければ国を任せられるような人間を育てることはできない、という責任が、英祖にはあったのでしょう。


悲しい親子の物語だったな…、と…、胸が痛くなりました。





一つの救いだったのは、世子の息子のサンが、真っ当な人間として成長し、立派な国王になったことでしょうか。


その時代の韓国では、罪人の親をもつ者は自らも罪人とされてしまうため、サンは世子の兄に養子になったそうです。

(世子には腹違いの兄がいましたが、既に亡くなっていたので世子が次期国王とされたはず。

ってことは、亡くなった人の養子になることもできたってことですかね? 難しい★)


しかしサンは、王になった後に、自ら思悼世子の息子であると公言したそうな。




…とここまで書いた記事、しばらく寝かせてありました(物は言い様。要は放置。)。


歴史もの、面白いのですが予習復習が必須でございますな。


学生時代、これくらい興味を持って勉強していれば…(遠い目)。




キャスティングについてでございますが、ソン ガンホさんはもう! 無条件に好き!


その分、作品への期待値も高まりますが、外れることはまずございませんよ!


ユ アインくんも確かこの作品で、賞をもらっていたかと。


なんでも地面に頭をごんごんぶつけるシーンで(「いっそ殺して下さい~!」みたいなシーン)、通常撮影では柔らかいマット等を敷いてごんごんしている風にするらしいのですがアインくん、演技に熱が入り過ぎて直に地面にぶつけていたのだとか!


熱演は素晴らしいのですが、ケガはヤメテ~!


そして何と言ってもサン!


少年時代のサンを演じていた子役くん、ソ ジソプさんに似た、鋭い眼光! と思っておりましたら、大人時代を演じていたのがジソピー←だったというね!


やっぱりね! そうよね!


ほんと親子みたいに、兄弟みたいにそっくりなお二人でございましたよ!


そして…。


時の流れをひしひしと感じだ事。


それは、ムン グニョンちゃんがサンの母親役だったということ!


天才子役と言われていたグニョンちゃんが、母親役とか…。


なんでしょうね、日本の感覚で言うところの、安達祐実さんがお母さん役(というか既にお子さまもいらっしゃいますが)という感じでしょうか。


そりゃワタクシも歳とるはずだわ!