私は、母親から、色々ひどいこと言われたりされたりしながら育った。

が、母親は外面が超良い、良妻賢母ぶるのがうまく、父は事なかれ主義。


何されたの?


と聞かれると、一体何から説明していいのか分からない。

「あんたはかわいくない」
と、四六時中言われていた。

「その顔、やめ!白痴みたいや。」

とも。
父がいない夜には3つ下の弟と比べて
「あんたはかわいくないから絵本読んだらへん。あっちへ行け!」
と、言われて別室に閉じこめられたり、ベランダに出されたり、玄関から外に出されたりも結構あった。
理由は、学校の連絡帳に先生から注意があった、とか、よそのお母さんからのうわさ話を聞いて、とか。

母は幼稚園の先生だったこともあり、教育にうるさかった。
…とまぁ、生きてきた年数分だけひどい目にあってきたと思うが、そのことをひとに説明する時の

  どうせわかってもらえない


という徒労感。

これが一番、私を疲れさせる。

私は見た目がお気楽で、話すとさばさばハキハキしているので、愛されて恵まれて育った娘だと思われることがほとんどだ。

15で家を出た。
自分の育った環境の不自然さと、自分の歪みを目の当たりにする。
20代で体を壊して実家に強制送還。
10年間、たっぷりと不眠症・摂食障害・人間不信に苦しみ
30過ぎてやっと吹っ切った。
と思ったのに
35過ぎて自分が母になったら今度は、自分の中や周囲の「母たるものは」的な呪いに苦しんでいる。