飛鳥side




アナウンス(間もなく○番線○○......



はぁ...落ち着け私...
大丈夫...お姉ちゃんたちもいる
違うことを考えよう...



大丈夫...大丈夫...




アナウンス(扉が閉まります、ご注意ください。



............ガチャ



久しぶりに電車に乗った。
いざ乗ってみるとやっぱり怖い...
息を吸っても全然楽にならなくて、むしろどんどん苦しくなっていく



飛鳥(はぁ...はぁっ...お姉...ちゃんっ...



七瀬(飛鳥落ち着いて
         深呼吸しよっか



衛藤(隣の車両に移動する?
         あっちあんまり人いないよ
         ここだと人目が気になるし...



七瀬(飛鳥歩ける?



飛鳥(はぁ...あぁっ...あぁっ...



こたえようとしてるのに苦しくて声が出ない...
でも、このまま人前でこんな状態が続くのは嫌だったから、みんなに手伝ってもらって隣の車両に移動する。



白石(ここ座ろっか
         飛鳥大丈夫だよ〜



七瀬(よしよし...
         吸ってー吐いてー......



飛鳥(すぅ...はぁっ...すぅ...はぁっ...




七瀬(そうそう、上手上手〜



飛鳥(はぁ...はぁっ...ひっぐっ...




衛藤(苦しいね〜
         大丈夫だよ〜



私の異変にいち早く気づいたお姉ちゃんは一緒に呼吸法やってくれて、まいやんとみさみさは手を握ってずっと背中をさすって落ち着かせてくれる



飛鳥(はぁ...すぅ...はぁっ...うぅっ...




七瀬(飛鳥、息吐いて〜
         止めちゃうと苦しいの治んないよ?



飛鳥(はぁ...すぅ...はぁ...あぁっ...




衛藤(次の駅で1回降りよっか?




飛鳥(はぁ...大丈...夫...降りなくて…




白石(うん、わかった
         喋らなくていいよ
         苦しくなっちゃうでしょ?



衛藤(飛鳥が大丈夫ならそれでいいんだけど...









しばらくするとだいぶ呼吸が楽になってきた



飛鳥(すぅ...はぁ...



七瀬(落ち着いた〜




発作が治まったとたんに涙が溢れてくる。
安心感。恐怖心。申し訳なさ。
その全ての感情が溢れ出すように涙が止まらない。




飛鳥(ひっぐっ...




七瀬(よしよし...
         がんばった、がんばった…



そういって優しく抱きしめてくれるお姉ちゃん。



白石(もうちょっとで着くよ〜



 衛藤(喉乾いたでしょ?
          お茶飲む?



飛鳥(......コクッ



発作は治まったけど、喋るとまた苦しくなっちゃうから、頷いて答えることしかできない。
ほんとはちゃんと言葉で伝えたいのにな…




飛鳥(はぁ...もう大丈夫...



アナウンス(次は○○....



七瀬(降りるよ~
         飛鳥立てる?



いつも発作のあとは両手両足が痺れて立ち上がれない
立ち上がろうとしても、足が言うことを聞かない



飛鳥(.........



七瀬(無理だよね...おいで



飛鳥(…ごめんね



結局歩けなくてお姉ちゃんにおんぶしてもらう。
これもいつものこと。
お姉ちゃんのシャンプーの匂いに包まれて体重を預けると、だんだん瞼が重たくなってくる。



ここで私の記憶は途絶えた。








七瀬side


飛鳥(すぅ...すぅ...すぅ...



七瀬(ん?なんか飛鳥重たくなった?



白石(あぁ〜寝ちゃった



衛藤(いつも寝ちゃうよね
         よっぽど辛いんだろうね...



七瀬(飛鳥はまだ中学生やし、こんな小さな体で戦っとるから…
        でも、いざ狭い空間になると耐えきれなくなちゃうんやろうな
         今日やって、まいやんとみさみさがいなかったらパニックになっとったかもしれんし...
          ほんまありがとう


白石(私たちはそんな大したことしてないよ
        親友として当たり前のことしただけだから
         飛鳥が辛そうにしてると、本当に変わってあげたくなる


衛藤(少しでも飛鳥が克服出来るように、私たちも協力するからね



七瀬(ありがとう





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お待たせしました!


やっと5話ですね笑笑


これからもよろしくお願いします。