米コロムビア ML4257

プロコフィエフ 提琴奏鳴曲#1ヘ短調、#2ト長調

ヨゼフ・シゲティ(提琴)

ヨゼフ・レーヴィン(洋琴、ヘ短調)

レオニード・ハンブロ(洋琴、ト長調)

(1950年 初出)      

八年ほどまへの記事の加筆再掲

 

ヨゼフ・レヴィンは露西亞の大洋琴家 Josef Lhevinne(1874~1944)とは別人。

 

ヘ短調作品80は1949年、ト長調作品94は1944年の錄音ですこしひらきがあるが、どちらも非常によい音像。深みがあり、リアルだ。 

 

簡素簡潔な曲調だけにシゲティの實直な演奏語調が强いちからでこちらにとどく。

 

曲に對する真摯な向きあひ、對峙により非常に説得的なものとなつた。 他を壓する名演奏としかいひようがない。

 

提琴演奏の技術に關し、シゲティを心配なさる向きがおほくあるやうだが・・・まとはづれである。

米コンサトホール CHC46

ブラームス 洋琴五重奏曲 ヘ短調 作品34

クララ・ハスキル(洋琴)

ウィンテルトゥール弦樂四重奏團

(1950年 錄音)

 

露メロディア M10 46087 006

ブラームス 洋琴五重奏曲 ヘ短調 作品34

ロザ・タマルキーナ(洋琴)

ボリショイ劇場弦樂四重奏團

(1948年 錄音)

 

(八年ほど前の記事の加筆再掲)

 

ハスキル盤はいにしへより著名で、海賊盤も出たといふ。

鬼氣せまる演奏。 暗い情熱がことのほか印象的。求心的名演奏である。

市場にはほとんど出なくなつたやうだ。

 

タマルキーナ盤は逆に放射的な名演奏。 

外向きのエネルギー發散がすばらしい。 これも稀覯盤。

 

この二種、好みで申せばハスキル盤だが、タマルキーナ盤・・・

双璧。 まさに名演奏名盤二種だ。

 

八年半ほどまへの記事の再掲です。

米RCA LM1008

チャイコフスキー 交響曲第4番

セルゲイ・クーセヴィツキー指揮

ボストン交響樂團

(1949年錄音 1950初出)

二枚架藏するLM1008。 上は金文字、下は銀文字。ジャケットはおなじ。

市場には金文字が先にでて、銀が後發といふことだらう。

わたしの貧弱な耳では聽感上ちがひがない。 スタンパー番號は勿論ちがふ。

 

すでに書いたLM1005、LM1006よりも音質が段ちがひによい。 この演奏はLMで初出(SPからのトランスでない)だから、そのあたりのことが因か解像度、奥行き、殘響、どれもLP中期あたりの水準とまつたくかはらない。いや、中期以降でこの盤よりおとるものがいくつもある。

 

クーセヴィツキーは日本での評價が低かつた。または評價の對象になりきつてゐない、土俵にもあがりきつてゐなかつた、ともいへようか。この人は1951年に亡くなつてをりその活躍が日本とのいくさとかさなつたこともその一因だらう。これはわが國の音樂愛好家にとつて不運であつた。 この人の演奏は本來生氣感にとみ、緊張にあふれ、ゆるぎない。 ときに、内聲部のあつかひおよび速度の變化に極端な强調があり、ために全體の統一感をそこねる例も一部にある。 が、しかし、根本のところで端正直截豪毅、これに洗練もくははり、音樂が絶對に弛緩しないといふおほきな美點をもつ。 

 

彼の手兵たるボストン樂團の技術のたかさはこの第4交響曲でもおなじ。 

 

この人1930年代中葉録音の「4番」、米RCA キャムデン CAL109 を最高の名演奏と指摘するむきもあるがわたしは未聽。

 

なほ、「ワグナーとフルトヴェングラー」、「マーラーとワルター」 のごとく、「チャイコフスキーとクーセヴィツキー」 も當時から、作家と指揮者との等質を感じさせる代表例とされてゐたといふ。