「気を抜けないのが寒地の栽培」

寒暖の差の大きい時季です。

２週間程前には、農産物に大きな霜の被害があり、春一番に栽培意欲を削ぐようなダメージがありました。

地球温暖化が進み、栽培品目を変える要素が増える中、致命的なダメージになる"霜"は、栽培期を変えられない大きな存在です。

放射冷却で地表面の気温が０℃以下になると霜が地面につきやすくなります。

定植した苗に氷の結晶が着くと、凍結によるダメージを受けます。

湿度が低く、雲のない日ほど日中地面に蓄えられた熱が上空へ逃げやすく、放射冷却は強くなるそうです。

また、冷たい空気と暖かい空気が混ざらない風のない日も危険日。

リンゴなどの果樹園の防霜ファンは、危機管理の設備です。

９日から10日にかけての凍霜害は、長野県内の農作物に約2億4000万円の被害を出したそうです。
リンゴの産地では、リンゴのつぼみが凍り、花が咲くかの心配がありました。

この時季、リンゴやモモの果樹園に目が行き、近所で鮮やかに咲くモモの花にホッとしています。

１２日に訪ねた浅間山麓のブロッコリーの畑では、被覆しなかった定植後の苗が、霜被害に遭っていました。

霜を受けて２日後、葉は枯死し、新葉の生育を待つ状態です。

こうした被害に強いのは、根の活性が高く、畑で早く根を伸ばしはじめている健苗です。

土壌中のセンチュウや土壌病原菌は、根が土に入ると攻撃をはじめますので、地上の環境のダメージと地下の根のダメージが揃うのが最大の危機。

この危機を回避し、いかなる攻撃にも強い苗づくりをすることが、万全の栽培スタートになります。

これから風雨に曝され、猛暑にも耐えて育つ作物たち……。

太陽の恵み、大地の恵み、たくさんの恵みのチカラを蓄えて、私たちに恵みをつなげてくださいね。

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温暖化でも逃れられない「霜」の存在