「歴史を掘り下げて治水技術のつながりを考える」

 

浅科五郎兵衛記念館からのご案内をいただき、「五郎兵衛用水世界かんがい施設遺産登録記念・特別講演会」に行ってきました。

演者は、工学博士の竹林征三氏。

「日本の治水史・四千年の系譜」の演題で、都江堰・大久保長安・五郎兵衛用水のつながりを歴史の流れから読み解くお話でした。

各地の治水や人脈が次々に語られ、頭の中の整理が必要でしたが、ひたすらメモをし、帰宅後、過去の取材で残されていた資料などを読み直してみました。

 

 

単に用水は農業や日々の生活を豊かにするものというだけでなく、治水として考えると、「環境防災学」と「風土工学」での視点が理解できます。

たくさん頂いた歴史への興味と治水の重要性は、もう少しゆとりができてから改めて好奇心を満たすことにして、今は「世界かんがい施設遺産」に登録された五郎兵衛用水の振興に注目することにします。

 

15年前に五郎兵衛用水を取材して記事にする時、さらに遡って、1990年に「圃場と土壌」の記事になった漫画の「市川五郎兵衛物語」をいただきました。

そして、その中にあった五郎兵衛用水路全体の流れを示すイラストをそのまま引用させていただき、2004年の同誌3月号に掲載しました。

 

その漫画は、水谷たけ子氏によるもの。

長野県土地改良偉人伝「市川五郎兵衛物語」と記されています。

水谷たけ子氏について調べると…、

       ★水谷武子(たけ子)氏

        https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E8%B0%B7%E6%AD%A6%E5%AD%90

 

幼稚園教諭退職後、漫画家となり、イラストレーターの仕事でも活躍されたそうです。

農水省の委嘱を受け、土地改良事業の普及活動のため全国をルポして、五郎兵衛用水も「マンガ土地改良偉人伝シリーズ」として描かれたようです。

そして、1982年に圃場整備推進の功績によって表彰されています。

圃場と土壌に、なぜ、マンガ…? と思っていた疑問に、15年後の今、合点がいきました。

 

30年近く過ぎますが、また、わかりやすいマンガで五郎兵衛用水を紹介できたらいいですね…。