「伝統の技術は、言葉とともに手から手へ…」

 

大寒から一週間を過ぎ、暖冬とはいえさすがに厳しい冷え込みです。

雪は少ないですが、寒さが厳しいことが佐久地域の冬の特徴です。

 

この季節を迎えると、「浅科矢島凍み豆腐」の登場です。

地域の伝統食…。

コピーライターの業務をしていた時代から、地域の情報紙に載せた15年前、振り返ると30年以上、見続けてきた伝統食品です。

 

 

浅科矢島凍み豆腐は、乾燥品と冷凍品がありますが、今は冷凍品が主流。

昔ながらの乾燥は、寒風に吊るして干しますが、早朝作業で手間が掛かり、わらで編む技術者(編み手)が少なくなっています。

冷凍は冷凍保存が増えている現在の食事情にも合い、販売しやすくもなっています。

どちらも商品コピーは「絞らずに使うのがポイント」。(解凍後も、水で戻した後も)

温暖化、高齢化、冷凍食品の普及…、本来、寒風干しが伝統でしたが、時代の流れの中で変化していくのが食文化だと歳月の中で感じています。

 

年々生産者が減り、今は7軒になったとか。取材したお二人も亡くなられました。

しかし、一昨年、佐久市農業見学会で出会った地域おこし協力隊の方が「信源豆腐店」を開業し、今年は「浅科矢島凍み豆腐」の生産を受け継がれています。

昨日は、伝授した方の一周忌…。

「晴天でも月が明るくない星空がいい」「凍み方は木凍み(もくじみ)がいい」(木目のように凍みる)

生産のコツを伝える言葉とともに、手から手へと伝統は受け継がれます。

       ★浅科矢島凍豆腐

           https://ameblo.jp/megumico-agri-s/entry-12323599023.html

 

今日は赤坂直売所で、同じく亡き名人のご指導を受けて生産を継いだ方の凍み豆腐を買ってきました。

亡くなるその日に直売所へ納品に来られたそうで、突然の訃報の驚きが甦ります。

伝承された凍み豆腐が師匠の技術に追いつくのを願いつつ、これからも地元の寒の味をいただき続けます。

伝承の役割を果たされた名人に…改めてご冥福をお祈りしています。

       ★赤坂直売所

           http://www.city.saku.nagano.jp/outside/marchesaku/shop/akasaka.html