「安野光雅氏が子育てママに贈った珠玉の作品」

 

長野市の水野美術館で、「安野光雅のせかい」が開催されています。

8月4日から開催されていたこの企画は、明後日24日(月)が最終日となります。

 

安野光雅氏。絵本作家。

「ふしぎなえ」でデビューし、子ども向けの「あいうえおの本」「ABCの本」から、世界の旅を風景画にした「世界の旅」など、子どもから大人まで楽しめる作品があります。

 

 

水野美術館には、約130点の原画が展示されていますが、今まで知らなかった印象的な作品との出合いがありました。

「野の花と小人たち」。

福音館書店発行の「母の友」の表紙を1973~1975年まで飾った作品たちです。

それぞれの画に添えた安野氏の想い。

それは、自然を慈しむ戦争体験者ならではの文章です。

 

私が心ひかれたのは、「ひがんばな」。

戦争に負けて抜け殻のようにふるさとに帰ってきた兵隊が、花の美しさ、自然の中で人間としてのキモチが戻ってくる描写…。

自然の美しさが、平和な暮らしの中の細やかなしあわせを伝え、

傷つき、傷んだ心を癒す描写に共感を覚えます。

 

「野の花と小人たち」のコンパクト本があったので、身近に置くことにしました。

「母の友」は、私も子育て時代に読んでいた月刊誌。

大人の絵本…、1ページずつ心に刻もうと思います。