おとといの昼間の事。
同居している彼に内緒についにカミングアウトした。
薬物を内緒で使用していた事を。
薬物とは覚せい剤のことだ。
ずっと一人で止めたい止めたいと思ってもできなくて。
でもこれ以上は家族や友達や最愛の人に嘘をついて薬物を続けたくなかった。
そして何より「自分自身に対して嘘をつき続けている」この情けない生活に本当に嫌気がさしたのだと思う。
「これが最後の一発」
何度もそう言って自分を騙して薬物を使い続けてきた。
忘れないように今の気持ちを記すと、私はこのままではいずれ某ドンファンみたいに部屋でいきなり覚せい剤中毒で死ぬと思った。
日に日に摂取量は増えていたし、抑えようとしても抑えられない欲求。
正直なところもう効いているなんてものじゃなくて、ただ薬効が切れて重たい頭と体を元に戻すためだけに寝起きから薬を使うこの頃だった。
ハイになんてなれないし、苦しいだけなの。
どんだけドエムなのか自分はと思うほど、自ら苦しい道に突っ込んでいる馬鹿げた行為。
認めたくないけど私は完全に薬物依存症なのだと認めた。
カミングアウト前夜も、寝ている彼の目を盗んで別室で一人で薬を使っていたので全く眠れなかった。
私は、朝の10時にようやく寝付いて、昼の13時30分に目が覚めた。
そしたら彼が家にいた。
「あれ?仕事は?」
彼「今日は午後からリモートワークだから午前中ジム行ってくるよって言ったじゃん笑」
「そかそか汗」
偉いな。私とは大違い。
朝方5時くらいから7時にかけては死にそうなほど心臓が痛くて、だけど何も知らない彼を起こして助けてとも言えなくて一人で深呼吸と水を飲んで応急処置をした。
水をついだコップを忘れてウロウロして深呼吸してお腹をマッサージして腸を揉んで水を飲んでないことに気づき、腸を揉んでは呼吸を忘れて息が浅い自分に気づいて、本当にもう何がしたいんだか分からないくらい自分でもだめだなこれじゃと思った。
今夜全部話してスッキリしよう。
リビングでテレビを見ていた彼に唐突に私は切り出した。
「あのね、話があるの」
彼「うん。なに?」
「あの、あの。うーん。何て言おうかな。あのね、怒らないで聞いてほしい」
彼「え?真面目な話?怒らないで聞くよ」
「うん、すごく真面目」
彼「え?何もしかして他に好きな人できたとか?」
「違う・・・そうじゃないの。そうじゃなくてその・・・」
彼「性病になった?」
「いや全然ちがうわ(苦笑)」
「あのね・・・・・・・わたし・・・・シャブ中になっちゃった」
彼「え!?嘘でしょ!?」
「ごめんなさい・・・」
彼「ダメじゃん!バカなの!?」
「うん。ごめん・・・。でも正直に言わないとダメだなって思って。もうこれ以上黙ってしててもいずれバレると思ったし、その・・・できれば・・・一緒にどうしたらいいかとか・・・・(思考停止)」
彼「・・・・・」
彼「薬は今も持ってるの?」
「うん。ある。あっちの部屋に。持ってくる?」
彼「うん持ってきて。」
私は部屋に行き薬を隠していた箱を持って彼に渡した。
約2グラム入っていた。
彼「本当にこれで全部?隠してない?」
「うん」
彼「よし!じゃあ捨てるよ」
「ちょちょちょ、ちょっと待って」
彼「捨てたらやだ?また使いたいってなる?」
「・・・うん。正直今は・・・完全に止めれる自信がない」
彼「またやりたくなっちゃうんだね。けどこんなの持ってたら捕まるよ」
「うん。私もいずれそうなる気がして。だから相談したかったの。誰にも言えなくて一人でずっと悩んでて言えなかったから。」
彼「うーん。まあ・・・そりゃたしかに誰にも言えないよね。でも俺に正直に言ってくれたのは?」
「大切な人だし、これ以上嘘ついてたくなかったし、嫌いになられても別れるって言われても仕方ないと思ってるけど、できれば助けてほしくて。。」
彼「もちろん助けるし嫌いにならないよ。だけどバカだなって。呆れた。」
「本当にごめんなさい」
彼「てか、いつからやってたん?全然気づかなかった」
「マジで・・・?私的には色々生活が乱れちゃって怪しまれてる気がしてたんだけど・・・全然変だなとか思わなかった?」
彼「うーん例えば?」
「たとえば、夜ねれないとかずっと起きてたりとかしてたし、ご飯も食べなくなったじゃん前よりも。体重だって顔だってやせたし」
彼「たしかに痩せたよね。って、これで痩せったってことか!!??ヤバイじゃん。本当のヤク中じゃん」
「うん。私は薬物依存症という病気になったのだと思う。色々とネットで調べたの。薬物依存症は病気で、本人がそれを認めないことが多いからいつまでも治らないんだって。だから私はまずちゃんと認めないといけない。私はヤク中になってしまいました。」
彼「なるほど。偉い。ん?偉いのか?ちょっと頭クラクラしてきた」
「ごめん。ちょっと休む?」
彼「とにかくわかった。これは俺が預かって隠しておくでオッケー?そして、今からやめてみよう。一緒についててやるから。じゃないと体壊したり心配だから。またやりたいってなったら俺に必ずやりたいって言って」
「うん。わかった。ありがとう。本当にありがとう。ごめんなさい。(感謝の涙)」
こうして私は覚せい剤を断つことを決意した。
日記を書くことは断薬の励みになるし、何より私と同じような境遇にいる人の励みになることもあるかもしれない。
それは私がこの日記をきちんと正直に嘘偽りなく更新し続けることができていればの話だけど。
書くことで私は私を諦めないで生きて行く。
薬物依存症・特に覚せい剤依存症になった場合は、治るということはない。
一生治らない病気なのだということ。
これは色々な記事を寝ずに薬をキメながら読みあさったので、きちんと理解しているつもり。
だけど、だからと言って投げやりになる必要もないということも書いてあった。
たとえば糖尿病などの疾患も同じで、完治することはないけど、糖質をできるだけ控えた食事や生活を変える適切な対処療法をすることで、病気とうまく付き合って天寿を全うすることもできる。
薬物依存症。一度でも覚せい剤の魔力に取り憑かれてしまった私は、今後、目の前に薬を出されたら、きっぱりと断ることはできないと思う。またやりたい。そう思う。
だけど、正直に話して受け入れてくれた人がいることに感謝したい。
何も褒めるところのない私だけど、唯一褒めてあげるとすれば、おとといの私はよく彼に正直に話した。
Today is the first day of the rest of your life.
バカな人生だと投げやりにはならず、バカなことをした人生経験を活かして少しでも何かのヤクに立てればと思う。
今日は以上。