【妄想小説】甘い色(10) | 彼方からの手紙

彼方からの手紙

ラブレターフロム彼方 日々のお手紙です

<第10話>

エロい

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

(side潤)

 

黒のTシャツと

黒のハーフパンツ。

 

マコトのお気に入り。

 

あの雨の日、

服乾くまでこれ着てろって

テキトーに出したオレの部屋着は

今じゃマコト専用になってて、

 

うちに泊まる時はいつも、

マコトはこのお気に入りに

着替えるわけだけど…

 

「お風呂ありがとー。さっぱりした♪」

 

すっぴんになったマコトは

いつもより少し幼くなって

すげーかわいいけど。

 

「………」

 

オレの服を着てる姿は

正直めちゃめちゃ、エロいから。

 

マコトが風呂から出てくる時は

わりといつも…落ち着かない。

 

「………」

 

どう見ても

”着せられてる”感がすごい

ぶかぶかなTシャツ。

 

首元が開き過ぎてて

動く角度によっては

肩までするっと下がりそうで。

(でもいつも絶妙に下がらない)

 

黒いハーフパンツから

大胆に伸びてる白い足は

無防備に動くほど逆にエロくて。

 

デカいクリップみたいなので

ささっとまとめただけの髪、

洗いたての甘い匂いと

首すじのラインの艶っぽさ…

 

もうマジで、

マジでいろいろ、タチが悪い。

 

「はーーーーー…」

 

よく我慢してるよ、オレ。

 

この1ヶ月、

もう何度もうちに泊まってんのに、

毎回オレのベッドに一緒に入るのに。

するのはいつも、キスまでで。

 

キスしたあとはただ抱きしめて、

同じベッドで寝てるなんて。

 

好きな子が腕の中にいるのに

ただとなりで寝てるだけなんて。

 

改めて考えたら、

けっこうすげーよな、オレ…

 

”松潤てドМだよね!”

 

前になんかのタイミングで

相葉さんにそう言われた時

おいふざけんなってツッコんだけど。

 

やっぱオレ…ドМなのかな。

 

”したことないの、1度も”

 

マコトに告白された時は

すげーびっくりしたけど。

 

聞いたときから、今日まで。

大事にしたい気持ちは、本当で。

 

でも最近はどうしようもなく、

マコトのカラダを意識して

欲望と戦ってるのも、本当。

 

「~♪」

 

頼むよ。

 

ふたりきりの部屋ん中で

そんな無邪気な顔すんなよ。

 

楽しそうに鼻歌を歌いながら

エロい格好でうろうろしてる

風呂上がりのマコトを

恨めしい気持ちで眺める。

 

「余裕ねーな…」

 

小さな小さな声でつぶやいて。

 

「はーーーーー…」

 

「どしたの潤、さっきから。笑」

 

悶々と考えてるオレになんか

全く気がついてない、

リラックスしたマコトの笑顔に、

とりあえず煩悩をふり払う。

 

「オレも風呂入ってくるわ」

 

「うん。ゆっくりしてきてー」

 

 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

 

ザーーーーー

 

熱いシャワーを

あたまからかぶりながら、

目を閉じて。

 

「Please Please me、

With The Beatles、

A Hard Day's Night…」

 

昂りから意識をそらしたくて

ビートルズのアルバムを

デビューから順番に口の中で数えてみる。

 

「Beatles For Sale、

Beatles For Sale、えーっと、

次なんだっけ次…Sgt.Pepper…

あーーちげえ、全然ちげー、」

 

ザーーーーー

 

いくら目を閉じても。

意識をビートルズにもってっても。

頭をぶんぶん強く振ってみても。

 

ザーーーーー

 

華奢な肩が、

白い素足が、

甘いくちびるが、

 

ザーーーーー

 

柔らかい感触が、

甘い甘い匂いが、

 

オレん中から全然、

離れてくれない。

 

無邪気なマコトに、

追い詰められる。

 

なんか日に日に…

追い詰められてる気がする。

 

 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

 

触れるだけの小さなキスをして

ベッドサイドの灯りを消した、その後。

 

「ね…潤、」

 

真っ暗な部屋に響く、マコトの声。

 

ちょっと甘えたようなその声と

すぐ隣にある柔らかさの存在感に

オレの神経は完全に昂ぶってるけど。

 

「も少しくっついてもいい?」

 

「…ん」

 

平静を装って、

マコトの方に身体を動かす。

 

首のうしろに右腕を通して

腕枕するようにぐっと伸ばしたら、

いつものごとく…いや、いつも以上に、

ぎゅっと抱きついてくるマコト。

 

「ふふふ…潤、熱い。体温高いね」

 

「そ?」

 

「うん。あったかくてよく眠れる。笑」

 

オレに腕枕されたまま、

嬉しそうに抱きついてくる感触に、

さわさわと肩を撫でてくる手のひらに、

今日も完全にショート寸前。

 

頼むよマコト…

勘弁してくれよ…

 

マコトは安心しきってる。

 

旅行までは絶対、

オレはそういうことしないと

わかってるから安心しきって、

オレに身を委ねてる。

 

まあでも…

 

初めては1泊旅行でって

決めたのはマコトじゃなくてオレだし。

 

やっぱ思い出になるような、

特別な時間にしたいし。

 

なによりちゃんと、

大事にしたいし…

 

あと2週間。

短いようで長い、2週間。

 

「んー…」
 

腕の中からすーすーと、

健やかな寝息が聞こえてきても。

 

オレはやっぱり、今夜も全く、

 

「眠れそうにねーわ…」

 

 

<第10話>

エロい

 

 

(初出:2019.7.17)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

読んでいただき

ありがとうございます(^^)

 

 

【小ネタメモ】

 

ひたすら悶々とする潤くんの回に、

Rebornしてみました。

 

「ふふふ…潤、熱い。体温高いね」

 

熱くなっちゃってんのは

察してあげて!マコちゃん!笑

 

「Beatles For Sale、

Beatles For Sale、えーっと、

次なんだっけ次…Sgt.Pepper…

あーーちげえ、全然ちげー、」

 

For Saleの次のアルバムはHelpだよ!

まさにHelp!な状況の潤!

 

あー楽しい。

めっちゃ楽しいです。

お付き合いありがとう( ´艸`)

 

次の11話が、

もともとの10話と11話を

くっつけた感じのRebornになります。

 

連日読んでいただき感謝です(^^♪

次回もまたよろしくお願いします。