皆さんこんにちは。
今日もお付き合いいただき
有り難う御座います。
ここでは、GVL効果、GVHDについて
お話しします。
この2つの効果・症状は、幹細胞移植の
最大の効果であり最大のリスクでもある
諸刃の剣と言えます。
GVL効果 (移植片対白血病効果)
※移植片=ドナー由来の細胞
GVL効果とは、生着した幹細胞により
生産されたドナー由来のリンパ球が腫瘍
細胞(ATL細胞)を攻撃する効果のことで、
幹細胞移植の最大の効果です。
化学療法では排除しきれない腫瘍細胞を
完全に叩き、治療以降も再発しない様に
見張り役としての効果が期待されます。
GVHD (移植片対宿主病)
※移植片=ドナー由来の細胞 ※宿主=患者
一方、ドナー由来のリンパ球は、患者の
臓器も敵とみなして攻撃します。
この症状をGVHDと言います。
急性GVHDは移植後3ヶ月以内に生じ、
主に皮膚、肝臓、胃腸などがターゲット
となります。
慢性GVHDは移植後3ヶ月以上たって
から出てくる反応で、皮膚、目や口の
粘膜障害、肝障害、呼吸困難など、さま
ざまな症状が現れる可能性があります。
いずれも過度な症状とならない様に
細心の注意を払いながら、免疫抑制剤や
薬でコントロールする必要があります。
GVL効果とGVHD
前者に対しては、免疫反応を最大限発揮
してATL細胞を叩き、再発を予防したい。
後者に対しては、免疫反応を極力抑制して
患者の体を守りたい。
十分なGVL効果を引き出してATL細胞
を叩きつつ、再発のリスクを抑え込みなが
ら、GVHDが重症化しない様に免疫抑制する
という、この相反する諸刃の剣をコントロ
ールしながら治療を進める必要があり、そこ
がこの治療の難しさであり、この病の完治の
難しさと言えます。
たくさんの応援を頂いています。
今日も一日頑張りましょう。