神子の運命~戦う少女~第8話「運動会2」

作・葉菜

       *

「神、神子、音さん、ご飯ですよ!!」

「そういうことだ。神子。頑張りなさい。」

父上が、和服の裾をあげて、たちあがった。

私は、うれしさで立つことができなかった。

今まで、姉上の運動会にもましてや私の運動会にも、来てくれなかった、父上が、きてくれるんですもの。

父上は、毎年行くと言ってくれるのだが、必ず、参拝客やら、何やらで来ることができずにいた。

運が悪すぎるのだ。

「神子。ほら、行くよ!!ごはん食べなきゃ、走れないよ。」

姉上が、私の手をとって立ちあがらせた。

「は、はい!!!!!」

    *

「神子!!音さん、運動会言ってくれるんですってね。お弁当多めに作っておいてよかったわ。」

母上が、ぎこちないスキップで、サラダを持ってきた。

「はい!!がんばります。」

家の朝ごはんは決まっている。

サラダ。食パン。牛乳。ヨーグルト。

父上は外見の割には洋食が好きで、朝食はこれでなきゃ、1日が始まらないそうだ。

「いただきます。」

「いただきます。」

父上に続いてみんな、食べ始める。

出雲ちゃんは、一切しゃべらない。

黙々と食べている。運動会なのに長い髪を結んでいなくて、無造作に揺れている。

そんな、ふわふわした髪に、白い鉢巻きをしている。

ひざ上の体育着ズボンからは細くて、白い足が出ている。

こうしてく食べている姿も、天使のようにきれいだ。

私がぼーっとしているのを見つけた出雲ちゃんはいきなりしゃべった。

「何?」

「へ?」

私は、おどろいて、変な声を出してしまった。

「神子。どうしたの?出雲ちゃんの美貌に見とれてたの?いやらしいわねぇ。この子は。」

母上が平然とした顔で、そんな言葉を言うと、おかしくてたまらない。

「ご、ごめんなさい!!風間さんが、あまりにもおきれいだったので・・・。」

自分で言っていて恥ずかしくなってくる。

この言葉に、驚いたのは、出雲ちゃんだけ。

父上をはじめ、家族は特に関心がないようだ。

みとれてしまうほど、出雲ちゃんがきれいだからかな?

「そ、そんなに私は整った顔をしているのか?」

目が飛び出してしまうぐらい、目を大きくした。

そんな姿がまた、きれいなのである。

「は、はい!それはそれは、とっても整ったお顔をしていらっしゃいます。」

「そうか。でも、神崎さんだって、きれいな顔をしていると思うがな。」

止めていた手を動かし始めた。

「ありがとうございます。」

そういいおわると、何を話していいのか分からず、学校に行くまで、出雲ちゃんと話せなかった。

     *

「5年生のみなさんは、徒競争の準備をしてください。」

放送委員会の放送がかかった。

「神子には負けないからね!」

「うん!!」

私は、衣真と一緒に走る。

親友だからこそ全力で戦いたい。

5年生の徒競争は、プログラム4番!!

そして、私が走る順番は何と、1番!!

ちなみに、女子は女子。男子は男子。別々に走る。

(よし!!父上も見てることだし、がんばらなきゃ!)

この時の私は、まさか、あんな運命が待ち受けていたなんて、考えもしなかった。

つづく

こんばんは。

18日から19日までおばあちゃんの家にお泊りに言ってましたぁ

温泉に入ってきました。

そして、新しい服

おばあちゃんから、誕生日プレゼント用のを預かっていたのですが、買いに行くことができずにいました。

こんど載せますね

バッハハーイ葉菜のは葉菜のな

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