sweet dream factory -2ページ目

もー、なんでーー!?(>_<)

大が私を貫いてからじっと私を見つめてくる。

「な....に.....?」

息を荒くしながら大の眼を覗き込む。
大は少し眼を細めてひきつった笑みを見せた。

「お前の....そーいう...とこがズルいよな....」

一体なんのことかわからない。
何がずるいの?私が一体何をしたっていうの?(`ε´)
昨日だって....ドラマの台本読みながら....
私のことじっと見つめてきたのは大じゃん。
そのまま...ずるずるこうなっちゃって
もーなんかズルいのなんて大のほうじゃん。

そんなことを考えていると、
シンクに座らせている私の腰を掴んで動かし始めた。
大のモノが出たり入ったりすると
奥の方が当たって頭がぼーっとしてきた。

「あっ あんっ あっ ああっ あんっ」

動きに合わせて声が出てしまう。
大も恍惚の表情を浮かべ私の顎をつかんで
深いキスをしてくる。

舌で舌を絡めとられ、息が出来ない。
私は息苦しさと、快感でもうどうにかなりそう。

「っは...はあっ はあっ はっ はっ」

大の息もかなり荒くて、
私の顔の横で息がかかって熱い。
私は耳にかかる大の息がくすぐったくて
避けようとするけど、
大は私の首に手を回し耳を舌で愛撫しはじめる。

ピチャピチャピチャ.....
いやらしい舌音に私の頭は痺れたようになって.....

「ああんっ....!いや....っ大.....!待って....っ イ、イっちゃ.....うぅっ」

私の言葉が届いたからか、にくたらしいことに
さらに愛撫の手を休めない大
に、
私の体はもう長くはもたないと感じた。

「イけよ....」

そう言うと大はさらに腰を激しく動かして私を責めた。
同時に首筋に舌を這わせて乳房を唇全体で辿り
乳首ごと口でくわえこむ。

そうしながら舌だけ動かして乳首をチロチロ舐めた。
そして腰の動きの激しさとはうらはらに、
唇のやわらかい感触のままそっと乳首に触れるか触れないかの
動きで私の感覚を翻弄した。


「ああんっ!あっ あっ やーんっ...も....だめぇえっ.....!」

私の体が弛緩すると同時に大もわずかな吐息をもらして
私の腰をかかえこんで背中をぶるっと震わせた。

「はっ....はあ......っ はっ はっ」

大が息を大きく吐いて......
達したのを知ると、
なぜか私はホッとした。

小さく笑った私に

「......なーにがおかしいんだよ....」

実におもしろくなさそうな表情で睨んでくる大。

だって....昨日に続いて
私だけが負けるのは、くやしかったんだもんw(´∀`)

え〜ん、こいつもーやだー。゚(T^T)゚。

私はそのまま後ろからスカートをまくり上げられて
パンツをずりおろされる。
そのまま大の長い指が私の秘部を撫でさする。
ゆっくり上下する指にどうにかなりそうだった。
だんだん濡れて滑りがスムーズになって。

「ああ.....っ やんっ だ...めぇっ!大....っ」

いやらしい声がもう押さえきれない~
もー、なんでこいつこんなに私のツボがわかってるのおー
ほんとにくったらしい(-""-;)

そのまま片手は私の秘部を愛撫して、
もう片方の手は胸の突起をいじめる。

そして大の唇は飽く事なく私の背中を這わされた。

ピチャピチャという音が響いて....
どうしようもなく息があらくなり
部屋の中は大と私の息づかいといやらしい音しか
しなくて濃密な空間になった。


「んんっ....大....っ!もー...だめぇっ!」

たまらなくなり私は叫んだ。
大は意地悪くにやっと笑う。

「......どーして欲しいのかわかんねえ。口で言えよ....」

そう言うと私をシンクに座らせて深いキスで口を塞いだ。
そのまま大の唇は私の鎖骨を這い、
胸の突起の周りをチロチロと舐めて来た。
焦らすのが目的なのかなかなか乳首を吸わない。
私は思わずねだるように背中を逸らして
大に胸を突き出す格好になった。
これすっごい不本意なんだけど.....!!(TT)

「も....っ早くぅ....っ 入れて....っ」

やっとの想いですごい恥ずかしかったけど
大の望む言葉を小さく叫んだ私に、大はなおも要求してくる。

「何を?どうすればいいって?」

いいながら舌先でチロチロと乳首に触れてくる。
そうしながら大の指は私の秘部への愛撫をやめない。

「あん.....っ!大の......をっ!入れ...てほし....のぉっ....!!」

喘ぎながら息も絶え絶えになりながら
叫ぶ私に大は深く口付けて
瞬間、大のモノが私を貫いた。

「ああーーーーっ!んっ!んんんっ やぁ.....っ」

待ちわびていた衝動に私の意識がまっしろになる。
この時もうイっちゃったなんて....
口が裂けてもいいたくないけど.......

大はきっと気付いてる。
くやしいーー。ほんと大はにくたらしいよ(>_<)

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もう....やだーー!ヽ(`Д´)ノ

やはりオーディション会場に遅れて到着しちゃったよ~
もー大のせいだ!
あいつ....いっそいで出てく私に
手をヒラヒラさせて「いってらっしゃ~い」って!( ̄へ  ̄ 凸
まったく.....あんなやつ昨日のうちに
追い出せば良かったよ!プンスカ(゙ `-´)/

「このドラマは相手役の男性とキスシーンがあります」
「今ここで相手の俳優とキスしてみてください」

えーーーーー!Σ(゚д゚;)
水着審査はなくてホッとしたけどさあ~ww
なんなのそれ!聞いたこと無いけど!
まあ、私が最終選考に残って事務所はすっかり
この仕事とったつもりだし
いまさら断るなんてできないけどおー

相手役は大よりは背は低いけど優しそうなイケメン。
まあドラマの役柄の好青年にピッタリ。
私の役柄は小悪魔風な女子大生だから
きっと経験豊富なキスシーンが要求されてるんだよね....
よーし.....

私は相手役のヤサイケメンに「よろしくお願いします」
声をかけるなり
その頬を両手で挟み
唇を重ねた。キスは得意分野だもんねーヘヘン♪

最初はついばむように彼の唇を自分の唇で
挟んでは離し....

次は音をチュッとたてて吸い付く。
まさに彼の唇を食べている...というふうに
舌の愛撫も足していく。

心なしか相手も息が荒くなって来たようなww

しばし見つめ合って今度は深いキス。
舌を絡め合って息づかいごと貪り合う。
(なんだコイツもキスうまいじゃ~ん)
そんなことを考えつつキスを続ける。
相手のヤサイケメンの片手が腰に回って来て
もう片方の手は私の手首を掴んでいる。

(おいおい....これどこまでいくんだよ....)

そんなことを考えていると
審査のスタッフからようやくストップがかかった。ほっ

「いいねいいね~。やっぱ君たち相性いいみたいだね!」

これって合格ってこと?(^人^)
連絡は事務所にくるらしい。

それにしてもさっきのキスで思い出しちゃった
大のキスは息をする暇も与えてもらえないほどの
激しいキスだった。


帰ったらまたされんのかな~
あいついつまで居る気なんだよ~
そんなことを考えながらも
まんざらでもない自分に気付いてるんだけどねw

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思い出の公園

千夏は雨の音に、手を止めて外を見た。
窓の外は午前中だというのに暗く、
道路や地面は降り出した雨で徐々に色を変えていった。

千夏は時計を見上げると、
また先ほどまで熱中していた作業に戻った。

「3時の待ち合わせまでには仕上げないと.....」

そう決心してまた手をせかせかと動かし始めた。
千夏の手にはもうすぐ完成しそうなマフラー。
深いグレーの色合いのシックな雰囲気のものだ。
今日の3時に祐司と会う約束をしていた。

それまでになんとしても祐司に似合うであろう
このマフラーを仕上げなければならない。
祐司と会って、この千夏の心を込めた誕生日のプレゼントを
内緒で渡すつもりだったからだ。
今は午前11時。
千夏は時計をちらちら見ながら、作業の手を早めていった。

「祐兄、喜んでくれるかな.......?」

祐司に手渡す時のことを思うと、自然に笑みがこぼれる。
祐司に会うのはこの間家に招待された時以来だから
たった半月ぶりなのだが、
祐司が大学に入ってからの数ヶ月会うのを我慢していたことを
考えると千夏はこうしてまた祐司に会える事が
とても幸せに感じてならなかった。

夢中で、昼食もとらずに作業を続けて、
千夏はとうとう祐司に似合う深いグレーのマフラーを完成させた。

「やったあ.....出来た!.....あー、間に合った。良かったぁ。」

時計の針はもう2時を指していた。

「あ!.....もう出ないと!」

千夏は焦って身支度を始める。
祐司へのマフラーを完成させることに夢中で、
自分の格好が外にでる格好ではなかったので
急いで髪をとかし始めた。



待ち合わせ場所は昔よく遊んだ公園。
祐司は一足先に到着し、ベンチに寝転んでいた。

「あー....久しぶりだな。この感覚。」

昔はよく千夏を連れてこの公園に来たものだった。
千夏がジャングルジムに上って、
ベンチにめんどうくさそうに寝転ぶ祐司に
楽しそうに手を振っていたことを思い出す。

祐司はベンチで、
千夏が必死でこっちに話しかけてくるのを
嬉しく思いながらも
寝たフリをしてごまかしていた。

「昔から、あいつも俺も変わってないな......」

そんなことを考えながら
目を閉じて千夏が来るのを待った。

ほどなくしてパタパタと軽い足音が聞こえてきた。

千夏だ。

祐司は笑いをかみ殺しながら
千夏が話しかけてくるのを待った。



「お前、これちょっと早いだろ.....」

千夏の作った誕生日プレゼントのマフラーを手にとって
あきれた表情を見せる祐司に、千夏は笑った。
今は9月。まだマフラーの時期ではない。
祐司の表情は千夏の予想していた通りだった。

「だって、祐兄って寒がりだから....もう巻いていいんだよ?」
「ばか!......何言ってんだ今こんなん巻いたら汗だくだろ。」

そんなやりとりすら楽しい千夏は、ふふふと声をあげて
笑っていた。
祐司も心底迷惑な訳ではなく、
マフラーをしばらく眺めたあと、首に巻いてみせた。

「ほら.....暑そうだろう」
「祐兄、やっぱり思った通りグレー似合う!良かったぁ」

ピント外れの返しをする千夏に負けて、
祐司も笑顔を見せる。

「俺様はどんな色でも完璧に着こなすんだよ!」

そんな大口をたたき冗談ぽく笑う祐司の顔も
千夏は昔から大好きだった。



「じゃあ、.....ほんとにここまででいいのか?」
夜8時、祐司に帰り送ってもらい千夏は別れを告げた。

「いいの、ごめんね?本当は家に上がってもらいたかったけど...」
「気にすんな、お前だってまだ住んでそんなにたってないし、
気使うだろ。」
祐司に全てわかってる、とばかりに頭をポンと叩かれると
千夏はなんともいえない幸せを感じた。

「お前、慣れたか?あの家.....」
千夏をおおっぴらに心配する事などなかった祐司の言葉に
千夏は少し驚きながらも、やわらかく笑って
「大丈夫!......祐兄に今日会えたから、また頑張れるもん。」
と答えた。
そうか、と短く言って祐司は千夏に別れを告げ歩き出した。
振り返ると昔と同じで千夏はいつまでも祐司に手を振っていて。

頑張れる......そう言った千夏の瞳が
一瞬揺れたのを見逃さなかった祐司だったが、
あの家で千夏の身に何が起こってるのか
予想すら出来なかった。


昔のようにいつも側にいられるわけじゃない。


そう考えると急に夜風が冷えて感じて、
千夏にもらった誕生日プレゼントのマフラーを
ふわりと首に巻いたのだった。

絶対の拒絶

「ごちそうさま。」
輝人は使用人の料理を食べ終え、席を立った。
すこしやわらかい笑顔で使用人においしかった、と告げると
こちらをちらっと見てすぐに視線を外した。

......冷たい視線だった。

千夏はごくん、と料理を飲み込み
部屋に戻る輝人の後ろ姿を見つめていた。


今日から、君は僕に一番近い他人だ。
勘違いして僕のテリトリーにずかずか入ってこないで欲しいな。



先日言われたことを思い出して、
胸の奥がすーっと音をたてて冷たくなっていった。
これから仲良く暮らしていこうと決めていた義弟からの
自分を拒絶する一言。
いつまでも抜けない刺のように、
朝も晩も千夏の胸をちくちくと刺していた。


(きっと、輝人さんは再婚話が最初から....嫌だったんだ。)



自分が再婚の話を父親から切り出されて、
祐司と話をして納得するまで辛かったように。
きっと、輝人さんも。

それに加えて、住み慣れた自分の家に他人が移り住んでくるのだ。
拒絶するのは当たり前のことのように思えた。


(あまり、迷惑にならないように....離れていよう。)


昔から人の気持ちを最優先に考える性格の千夏は、
嫌がる輝人に姉としてとりいることなど到底できることではなかった。

「.....ごちそうさまでした。」

食事を終え、使った食器を片付けようとして
使用人に止められる。
ここに移り住んでもう1ヶ月になるが、
いまだに使用人が家事の一切を取り仕切る環境に
慣れる事ができなかった。


足取りも重く、2階の自室に向かう。
義母の陽子は、今メディアでも取り上げられるフードコーディネーターで。
毎晩帰ってくるのは10時過ぎだった。
父の正雄も外で待ち合わせて帰ってくるらしく、
早く帰ってくる事は少なかった。

......なんだか、お父さんと二人の時よりも...ずっと寂しい。

そう考えるとなんだか泣きたくなり、
頭をふって自室のドアノブに手をかける。

向かいの部屋は輝人の部屋。
いつもしーんとしていて、物音ひとつしない。
その沈黙が、自分を拒絶しているようで
ますます寂しさが増した。

「.....にゃー。」
足下にふわりと触れる感覚。
視線を落とすと、輝人が飼っている猫(名前はわからない)が
千夏の足に顔をこすりつけていた。

「あれ....猫ちゃん、部屋に入りたいの?」
かしかしと音をたてて、輝人の部屋のドアをひっかいている。
部屋にいる輝人は気付かないらしく、
ドアがあく気配がない。

「どうしよう....」


千夏は困ってしまった。
この家に来て、輝人の部屋のドアをノックしたことなどない。
でもいま、輝人のかわいがっている猫が部屋にいれてもらいたがっている。

「どうする?....猫ちゃん。私の部屋にくる?」

千夏が声をかけて猫を撫でてみるが、
猫はそっぽをむいて、またドアをひっかきはじめる。


かなり躊躇したが、千夏は観念して
ドアをノックした。

「......輝人さん?猫が入りたがっているよ?」

.....返事がない。
しばし待ってみてまた声をかけるが結果は同じ。


どうしたのかな。でも、どうしよう.....
猫もしびれを切らしてきたのか、
さっきより激しくドアを引っ掻き始める。

(し、仕方ないよね.....)

千夏は中が見えないくらいうすく、ドアをあけて
猫をいれようと思った。

(ご、ごめんね、見ない。見ないから.....)

心の中で謝罪してドアを少しだけ開ける。
そこに待ちわびた猫がおもいっきり勢いをつけて
なかに体を割り込ませた。
そのせいでドアが大きく開く。


「あっ、.........」

どうしよう!と焦ってドアを閉めようとする。
その時、千夏の目に思っても見なかった光景が飛び込んで来た。


簡素に片付けられた部屋。
黒と白が基調になってまとめられていた。

その部屋の片隅で一心にスケッチブックに絵をかく輝人。
その絵は.....

服のデザイン画だった。


千夏は昔から服を作る事が大好きで。
ミシンで深夜までかかって服を作ったりしていた。
夢中でいろんな服を作り、
うまく出来たときはこの上ない喜びを感じた。
そんな生活をもう何年も続けていた。

そんな千夏にとって、
輝人が描いていたデザイン画は強烈なインパクトだった。
そこには、自分が作りたくても作れなかった服の理想が
つまっていた。

「そ、それっ......」

千夏はそこが踏み入れるべきではない輝人のテリトリーと知っていた筈なのに、
気がついたら部屋のなかに入り込み夢中で
輝人のスケッチブックを覗き込んでいた。


「すごい!それ、すごくいいと思う!」
顔を紅潮させて自分の部屋に入って来た千夏に、
内心かなり驚きながら、輝人はあからさまに拒絶の態度をしめした。


「.....言ったはずだ。僕のテリトリーを侵すなと。」


低く千夏にそう言う声に、千夏はハッとして動きを止めた。


あわてて謝罪の言葉を必死に探す。

「ご、ごめんなさい...!ね、猫ちゃんがあの、えっと....」

輝人の厳しい目線の前では、千夏の謝罪も宙に浮いて消えた。
しどろもどろになっていると、
輝人はすっ、と千夏の目の前に立ち、肩をつかみ
千夏の体を部屋の外に押し出した。
何も物も言わずにしたその行動で、どれだけ
輝人が自分を拒絶しているかが痛いほどわかって.....


千夏は大きな音を立てて閉められたドアの前で
いつまでも、呆然と立ち尽くしていた。

心を揺さぶる音

「うわーーーー.....すごい!大きい家ーーー....」

口をぽかんとあけてこれから住む事になる家を
見上げる千夏に、父正雄は苦笑いして背中をたたいた。

「ま、慣れるまで時間も必要だろうが.....
前に住んでたところよりは高校にも近いし、いいだろ?」

「お父さん、そんな心配しなくても私....大丈夫だってば」

そう言ってふふふと笑いかけてくる千夏に
正雄はホッと息をつく。
確かにこの間までは再婚話にあまり乗り気じゃないらしかった千夏も、
祐司の家に行ってからはまるで嘘のように
ふっきれた表情を見せてくれていた。

(これでこの生活になれてくれれば....ひと安心かな。)

フードコーディネーターとして活躍している再婚相手の陽子は、
ごく普通の会社員の正雄と違い、
そうそう簡単に住所を変えるわけにいかなかった。
だから、迷ったが陽子たちの家に引っ越してくる事を了承したのだ。
その選択が間違いじゃなかったと、今は思いたかった。



「お父さん!引越のトラック着いたよ~」

千夏に声をかけられて「じゃあ、はいろうか。」と
インターフォンを押す。


出迎えてくれた陽子はきれいなエプロンをして、
ゆったりと笑みを浮かべ歓迎してくれた。

「よく、いらっしゃったわ。正雄さん、千夏ちゃん。」

千夏はやや緊張しながら荷物を持って
初めて入る我が家に足を踏み入れたのだった。


「ここがバスルームで、ここの棚にタオルが入ってるから....」

陽子は颯爽とした様子で、正雄と千夏に家の中を
案内した。二人は初めて入る豪邸とも呼べるその家に
気後れしながらもぱたぱたと後をついていった。

「ここが千夏ちゃんのお部屋ね。」

かわいらしく飾り付けられた部屋。
少し開いた窓から風がはいって、サーモンピンクのカーテンを
揺らしていた。

「すまないね、千夏の為に部屋まで用意してもらって....」

恐縮した様子で正雄が陽子に頭を下げる。

「あら!気になさらないで。部屋ね、女の子の部屋ってよくわからなくて....
コーディネーターに頼んでやってもらったの。気に入るといいけど....」

「あ、ありがとうございます....とっても可愛い部屋で...
嬉しいです。」

そういうと千夏はぺこりと頭を下げた。

「いいのよ、なんにも母親らしい事してあげられないのは嫌だもの。
......千夏ちゃん、部屋で荷物片付けていていいわよ。夕飯になったら
お手伝いが呼びにくるから、1階に降りていらっしゃい。」

陽子は千夏を部屋へ促すと、
正雄と楽しげに腕をくんで廊下の先に消えていった。


見慣れない可愛らしく飾り付けられた部屋に取り残された
千夏は、ぬいぐるみが飾られたベッドに腰掛けてひと息ついた。

「.....新婚、だもんね。一応....」

なんだか自分が陽子に追い払われたような気がしたが、
父と陽子の間を邪魔する気はなかったので気にしないことにした。

「さ、片付けないと。」

備え付けられた白いタンスに自分の洋服をしまっていく。
ふと、背後にひとの気配を感じて
千夏はくるっと振り返った。

「あ、........輝人さん?」

この間紹介された端正な顔をした長身の青年、
今日から義理の弟になる彼がドアが開いたままの
部屋の入り口にたっていた。

「今日から....お邪魔します!よ、よろしくお願いします。
仲良く....なれたらいいな。」

一生懸命、言葉を喉から押し出す千夏に、
その輝人(きひと)と呼ばれる青年は
すごくおだやかな笑みを返した。

その笑みは、すごく人なつこく優しい笑みだったので
千夏もつられてにっこり笑みをかえした。

......だが次にその青年の口から出て来た言葉は、
この家で新しい家族、新しい環境で前向きに生きていこうと
決意した千夏にとっては
自分の耳を疑うような冷淡な言葉だった.......




「今日から、君は僕に一番近い他人だ。
勘違いして僕のテリトリーにずかずか入ってこないで欲しいな。」




青年はそれだけ穏やかな口調で吐き捨てるように言うと、
自分の部屋に入っていった。
バタン!と強く閉められたドアの音に
千夏の心まで揺さぶられ冷たく震えていた。

宝石箱の夜景

部屋の居間で盛り上がる
少々酔っぱらった親たちの熱気にあてられ、
祐司はベランダに出た。
すこしひんやりした9月の夜風が
頬に心地よかった。

「祐兄、どうしたの?具合悪い?」
後ろから千夏の心配そうな顔が覗く。

「いや、.....ちょっと外の空気が吸いたかっただけだ」
そう答えると、千夏の頭に手をポンとのせた。

良かった、という感情をそのまま顔に出して、
千夏は祐司の横にちょこんとおさまる。
久しぶりの横に並ぶ感覚に、
嬉しくて千夏の顔が余計にほころぶ。

こうして二人で話すのは久しぶりだ。
千夏はぽつりぽつりと遠慮がちに、
大学はどうか、とか
忙しくて寝てないんじゃないか、とか
母親のような心配と質問をしてくる。
昔からそうだった。
祐司が何も語らない分、
千夏は祐司のいろんなことを聞きたがった。
祐司も千夏になら、
詮索されたりするのも特に嫌ではなかったので、
やはり、ぽつりぽつりと返事を返した。

「お前....俺の事より、どうなんだよ?
おやじさんの再婚とか、そっちのほうがよっぽど大変だろ」

そう祐司に言われて、千夏は少しうつむいた。

「そ、そんなことないよ。大丈夫!うまくやっていけそうだし...」

「お前....どもってるぞ(笑)」

そんなやりとりで、少し千夏もほっとして本音がでる。

「.....正直ね、お父さんの再婚相手の人も、弟になる男の子も、
すごーく、世界が違うっていうか.....私なんか全然普通なのに、なんか、えっと....」

うまく伝えられなくてもどかしくて。
千夏は一生懸命次の言葉を探していた。

「......自信ない。これから一緒に住むのにね。」

やっとの思いでそう言うと、千夏はため息をついた。



こいつはこいつなりにダメージ、受けてんだな....

祐司は黙って千夏が話すのを聞きながら、
その千夏の戸惑いを敏感に理解した。
それでも状況は変えられない。
だから祐司はいつもはあまり口数が多くないが、
真摯に千夏の悩みに答えようと思った。


「お前、なんか考えすぎてないか?」
「え?」
「単に、新しく家族が増えるだけだ。
.......おやじさんと、お前の今までが否定される訳じゃない。」
「.................」
「それに、たった何回かあっただけで、相手がどんなかわかるわけないだろ」
「そ、そうだけど....」
「世界が違うといっても一緒に住むんだ。そこからは
同じ、世界だろ。合わせる必要もないし、好きにしていいだろ」
「祐兄.....」


会話の中で何回か沈んだ表情で考え込んでいた千夏も、
だんだん表情をやわらかくして祐司の言葉を聞いていた。

少しの沈黙のあと。

千夏は祐司の方に体をむけ、
まっすぐ祐司の顔をみてきた。
そして弾けるように笑顔を見せた。

「やっぱり、祐兄に今日会えて良かった。」
「なんだそりゃ」
少し照れてそっぽを向く祐司。
でも自分の言葉をまっすぐ受け止めて
前向きになった千夏にほっとしていた。

「せっかく弟ができたんだもんね!
あ、そっか。いままで一人っ子で、やりたくても出来なかった事色々できるね!」
「.......馬鹿。無理矢理テンションあげなくてもいいだろ。」

千夏のおでこを指で小突くと、
祐司は安堵の笑顔を見せた。

その笑顔を見ながら、
千夏はなんだかさっきまで悩んでたことが嘘のように
消えている事に驚いた。

そして思った。
今ならなんでも出来る気がする。
新しい家族とも、仲良くなれる気がする。

そう考えるとさっきまで滲んで見えていたベランダから見る夜景も、
すごくきらきらした、宝石箱のように思えた。

嬉しい気持ち、不安な心

ガチャ、と玄関で音がした。

「あら、ようやくご到着ね。祐司。」
母の瞳が食事の準備の手を止める。

千夏は弾かれたように玄関に続く廊下のほうを見た。
そしてすぐ体が勝手に動き、
玄関のほうへ急ぐ。ぱたぱたと音を立てて、祐司の顔を見たい...
その一心で玄関へ走った。

「祐兄、おかえり!」
とびっきりの笑顔でそう言って迎える千夏を見て
祐司は少しバツの悪そうな顔で
「ああ」と答える。
昔からこの千夏なまっすぐな感情表現のまえでは、
冷静に取り繕った祐司の態度はなんの意味も持たなかった。
にこにこして祐司の顔をじっと見つめる千夏に
なんとなく力が抜けてしまう。
千夏の横を通り過ぎながら、ポンと千夏の頭に手をおく。

「あいかわらず、犬みたいなやつだな」
久しぶりの祐司のつっけんどんな態度も、また嬉しい。
千夏は祐司の背中を見ながら
会えなかった3ヶ月間のことを考える。
(よく会わずに我慢できたな。私....)
今祐司の大きな手が置かれた頭をさすりながら、
祐司とまた会えたことがとっても嬉しいと感じていた。




「それでは、正雄さんの再婚と新しいスタートを祝して....かんぱーーい!」
瞳は明るい声で乾杯の音頭をとった。
正雄は頭をかきながら照れていた。
「いやあ~、まさかこんな大々的にお祝いしてもらえるとはね...」
そういってグラスのワインを一気に喉に流し込んだ。
「まあ、結婚式やらないんだから、こうするしかないだろ」
隆行はいささか不満そうにそういって料理に手を伸ばす。
「ははは、まあ、この年だからな....」
和気あいあいと始まった食事会。
その中で千夏は祐司とこの3ヶ月で積もった話を
したいなどと思い、タイミングをはかっていた。
そんな千夏に瞳が話しかけて来た。
「ねえ、千夏ちゃん。新しい家族の方とは、うまくやっていけそう?」
千夏の食事をとる手が止まる。
「あ、はい...えっと、とても良いひとたちで....」
少ししどろもどろになりながら言葉を出す千夏を遮るように
正雄が口を挟む。
「新しいお義母さんも弟も気に入ってくれたよな?」
千夏は父に聞かれ、一瞬ひるんだが
にっこりして「うん!」と答えた。

しかし祐司は、その一瞬の千夏の心の動きを見逃さなかった。
何か言いたげな、そんな迷ったような雰囲気。
千夏は必ずしも、今回の再婚に喜んでる訳ではないことを
瞬時に見破ったのだった。

そんな祐司の見透かすような視線に気付いてか、
千夏は下を向いて食事を続けた。

(こいつは....ほんとバレバレなんだよな.....)
祐司は千夏が昔と変わらずわかりやすいことにほっとしつつも
何がそんなに千夏を不安にさせているのか、
その不安の正体がやけに、気になった。