来てくださってありがとうございます!


1月が一瞬で過ぎていった…。




今月の勝手にMVPはこれ!


 

 

直木賞候補作ってことで軽率に手に取ったんだけど、良かった…!(そして何気に宮内悠介さん初めましてである。)


心の栄養になるような、しみじみ噛みしめたい一冊です。


さて、先月のまとめいってみよー。



読んだ本の数:20
読んだページ数:5987
ナイス数:538

学生時代にやらなくてもいい20のこと学生時代にやらなくてもいい20のこと感想
2014年に「時をかけるゆとり」と改題文庫化されてます。似た書影の全然違う人が書いた自己啓発本があったような気がする。そっち方面から苦情でも来たのか?まあそれは兎も角、やっぱり朝井さんのエッセイはおもろい。あと、この頃は若いから(って一言で片付けて良いのか分からないくらい)体力があるな…。125kmハイクに500kmバイク。スイートボイスの眼科医面白すぎるというかヤバすぎる。大学二回生の著者に就活エッセイって、依頼した出版社が何を考えていたのか知りたいが、それすらちゃんとお笑いに昇華してて凄い。おすすめ。
読了日:01月30日 著者:

朝井 リョウ



処刑台広場の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)処刑台広場の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
1930年、不況に喘ぐ、重い霧に包まれたロンドン。人々から畏れられ疎まれた判事の娘レイチェル・サヴァナクは、自ら突き止めた殺人犯を死に追いやるという噂があった。1919年から始まる、彼女の親戚ジュリエッタの日記では彼女の残酷さ怠惰さが書かれているが、果たして彼女は悪魔なのか正義の執行人なのか?彼女を追いかける新聞記者ジェイコブにもやがて穏やかならざる事態が迫る。そんじょそこらの男よりタフでクールなダークヒロインがこの小説の魅力。レイチェルかっこいいよー。ミステリというよりサスペンス…?という印象を受けた。
読了日:01月28日 著者:

マーティン・エドワーズ



変えること変わらないこと: 人生後半を機嫌よく過ごせるよう見直した毎日の暮らし (ナチュリラ別冊)変えること変わらないこと: 人生後半を機嫌よく過ごせるよう見直した毎日の暮らし (ナチュリラ別冊)感想
来年60歳ってのが信じられん…。自分ではだいぶザックリにしたと思っておられるようだが、相変わらずきちんと暮らしておられる…。ここまで来ると偏執的かも、と思うようなとこもあるけど、やっぱり美しい暮らし、いいなー。
読了日:01月25日 著者:

内田彩仍



ラウリ・クースクを探してラウリ・クースクを探して感想
1977年、エストニアに生まれたプログラミングの天才少年・ラウリ。「半分は数字でできている」彼はロシア系の学校で親友・イヴァンと切磋琢磨する。国境や民族を越えた友情。だがやがてソ連は崩壊。激動の時代が個人にもたらしたどうしようもない隔絶、鬱屈と悲しみが淡々と描かれる。読んでいる間、エストニアの深い森の中、湖をボートでたゆたっているような気分になり、ずっとこの世界に浸っていたいような気分にさせられた。引きずり込むようなパンチがあるわけではないのに惹きつけられる、落ち着いた魅力に溢れた作品。おすすめです。
読了日:01月24日 著者:

宮内 悠介



逆転正義逆転正義感想
短編ミステリ六編。読み始めてすぐに「これは叙述トリックだな」と分かってしまう(中には作品名と粗筋だけで分かってしまうものも。)のが残念。ミステリではなく、「自分が正義だと思っているものは本当に正義なのか」について考えさせる啓蒙小説集だと割り切って読んだ方がいいかも。『死は朝、羽ばたく』でも、普通の受刑者と死刑囚が同じ房って事はないのは常識でしょ、とか色々突っ込みを入れたくなったが、とは言え死刑制度について考えさせられた。「死刑囚は菩薩の心境で死んではならんのです。」という秋葉の最期の言葉をどう受け取るか。
読了日:01月23日 著者:

下村 敦史



狭い部屋でスッキリ心地よく暮らす狭い部屋でスッキリ心地よく暮らす感想
突っ張り棒って絶対落ちちゃう(多分私が下手くそなのもある)。滑り止めみたいなの買ってまで突っ張るのしんどい。

読了日:01月21日 著者:



カーテンコールカーテンコール感想
掌編25篇。にやりと笑ってしまう良作2割、意味不明or全然面白くないの8割。長らく日本のSF界を引っ張ってきたんだから自分の為だけの本出しても良いでしょ?という下心が透けて見えるのがなんともはや。ちょっとこれ以上書くと悪口の羅列になって嫌な気分になるのでやめておきます。
読了日:01月21日 著者:

筒井 康隆



わたしの名店 (ポプラ文庫 480)わたしの名店 (ポプラ文庫 480)感想
asta*に掲載された、作家おすすめの飲食店紹介エッセイ集。お、森見登美彦さん、と手に取ったのだがやはり面白さという点に置いては朝井リョウさんがずば抜けていた。ところでこの本、表紙がどこからどう見てもフルーツサンドなのだけど、どの話にも、一回も、フルーツサンド、登場しませんでした。いや別にいいんやけど。~ここから自分語りです~その昔若かりし頃、憧れの銀座千疋屋に主人(当時は彼氏)と入り、これまた憧れのフルーツサンドを注文しようとしたら、「地味じゃない?もっと派手な奴にしたら?」と言われました。
読了日:01月20日 著者:

三浦 しをん,西 加奈子



最愛の最愛の感想
村上春樹から性描写を引いたような小説。コロナ禍、外資系通信機器メーカー勤務の久島はコワーキングスペースで出会った男から、自分の為だけの物語を書くことを勧められ、過去の文通を掘り起こす。事故に遭ったせいで二年遅れの高校生活を送る望未からの手紙はいつも「最愛の」から始まる。彼女が「私のことは忘れて」と願った理由とは。芥川賞作家の長編恋愛小説なんて、絶対自分には合わないのに何で読もうと思ったんだろう…、と後悔しながらちゃんと最後まで読んだよ…。村上春樹よりは言いたい事が分かりやすいのが唯一の救いと言えば救い。
読了日:01月19日 著者:

上田 岳弘



鈍色幻視行鈍色幻視行感想
久しぶり過ぎて最早はじめまして、の恩田さん。六小夜と夜ピクがとても面白かった記憶があったし、話題作ということもあり、期待して読み始めたが、これはどういう風に楽しめばいいの?と困惑。呪われた本とその作者について、関係者が豪華客船の上で繰り広げる妄想めいた考察と関係者インタビュー。最後に良い方に印象が変わってくれ…!と祈りながら読み切ったが、残念ながら変わりませんでした。夜果つるところを読んだらまた変わるかもしれんけど…もうね、二作で一作みたいな本が最近多過ぎて辟易。一作でちゃんと面白い本をお願いします…。
読了日:01月16日 著者:

恩田 陸



すこしずるいパズル3すこしずるいパズル3感想
脳みそを揉みほぐしつつ、かわいいイラストに癒されちゃう。これで1,100円はお得!
読了日:01月15日 著者:

たつなみ



インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 (徳間文庫)インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実 (徳間文庫)感想
激重イヤミス。疲れた…。胸くそ悪いってのはこういうことを言うんだろうな。前作「殺人鬼フジコの衝動」の続編なので、必ずそちらを読んでからどうぞ。前作のラストで匂わせがあったので薄々分かっていたけれど、続編、というよりは上下巻と言った方がしっくりくる。茂子の人心掌握術が凄すぎて怖すぎる。カルト教団の手口を見せつけられた気分…。結局本当の黒幕は誰だったのか?というのが最後の最後で明らかになるが、全然すっきりしない。(それがこの本の醍醐味でもある。)相変わらず描写がえげつないので、心身共に好調なときにどうぞ。
読了日:01月13日 著者:

真梨幸子



ツミデミックツミデミック感想
コロナ禍で不遇に陥った人々の物語6編。どの作品も刺さった。「違う羽の鳥」結局かつて死んだはずの同級生なのかどうかあやふやなままおわるのが余韻があって良い。「特別縁故者」一番好み。現実にこんなことはまず起こらないけど、恭一に感情移入してしまい泣けてきた。血が繋がってなくても親子同然で頑張ってきても、本物の血の繋がりには勝てないよな…。「さざなみドライブ」川瀬七緒の四日間家族を彷彿させたが違う方向の黒さが良い。因みに(作者が意図したかどうかは分からないが)マリーゴールドの花言葉は“絶望”である。おぞぞぞぞ。
読了日:01月12日 著者:

一穂ミチ



夜明けのはざま (一般書)夜明けのはざま (一般書)感想
家族葬専門葬儀社・芥子実庵で働く佐久間真奈を軸に、「生きるとは、死ぬとは何か」を描いた物語。葬式なんてどうでも良い(遺された人間が区切りを付ける為にあるのが葬式で、故人はもう何も感じることなんてできないのだから。)と思っている私が読んでも意味がない話だったかもしれない…。登場人物が多すぎてごちゃごちゃしてるし、各々のエピソードでまだ描きたい部分があるのでは?とも思ったので、各人の話は別の本にして、佐久間さん目線で一冊にしてほしかった。男女差別してないつもりでしてることあるよなー、とか、色々考えさせられた。
読了日:01月10日 著者:

町田 そのこ



すみれ荘ファミリア (講談社タイガ)すみれ荘ファミリア (講談社タイガ)感想
今時珍しい、昔ながらの下宿の管理人・一悟を中心としたほんわか系ラノベ…かと思ったら大間違いである。芥と名乗る小説家に当たり屋をされ、下宿に入居されることになった一悟。幼い頃に生き別れた実の弟のはずなのに、何故か正体を明かそうとしない芥。問い詰めない一悟。他の入居者達も曲者揃いで、万華鏡のようにくるくる変わる表と裏の顔の描写にゾクゾクさせられっぱなしだった。しかし隼人、パワハラはパワハラだし、タレントを追い詰めたことには間違いないのだから反省しろ!と思ったが、彼も業界の闇の被害者だよな…。巻末の掌編も良き。
読了日:01月08日 著者:

凪良 ゆう



迷彩色の男迷彩色の男感想
ゲイの恋人(?)「いぶき」が地下のクラブで傷害事件に遭う。ゲイばれに怯える「私」は、さも何事もなかったかのように日常に戻る。その後「迷彩色の男」と親密になって、最終的にこれはどうなったん?最初から最後まで(これはどういう意味なんや…)とよく分からない文章が続き、短い作品なのに読み切るのに相当疲れた。私の読解力では無理でした。芥川賞候補作なので分かる人には分かるんやろな、多分。
読了日:01月07日 著者:

安堂 ホセ



グレイの森グレイの森感想
兄を亡くした(自殺?)過去を持つ藍は大学で心理学教授・斗鬼と出会い、カウンセラーを志す。斗鬼クリニックの同僚・潤はアセクシャルでルームメイト。小学校で7人もの児童が殺される事件が起きる。被害者と加害者両方の家庭と関わることになり、やがて藍自身のトラウマとも向き合うことを余儀なくされる。美しいラストだが美しすぎて共感できなかった。文章は読みやすいけど説明的過ぎて没入できず(ルポと小説の間みたいな中途半端な感じ)、教育虐待とかLGBTQとか色々詰め込まれ過ぎていて結局何が言いたいのかよく分からず、残念でした。
読了日:01月06日 著者:

水野梓



嘘と正典嘘と正典感想
SF短編集。「魔術師」過去へワープするタイムマシン。「ひとすじの光」父が遺した駄馬の所有権の意図。「時の扉」ナチスと過去を改変する代償。「ムジカ・ムンダーナ」歌を財産とし、取引の材料とする小さな島の民族。「最後の不良」流行をやめる、という流行。これが一番私好みだった。「嘘と正典」ある日、未来からのメッセージに気が付いた男。共産主義の誕生を止めることはできるのか。▼全体的に理論が難しくて(SF苦手になりそー)って思った。淡々とした文章に助けられて読了。SFの理屈が飛び交うカオスな感じが好きな人におすすめ。
読了日:01月05日 著者:

小川 哲



風と共にゆとりぬ風と共にゆとりぬ感想
第三部「肛門記」が圧巻の面白さ。痔瘻って言葉を初めて知った。病気も入院生活も手術も、何もかもを面白エッセイのネタにしてやるぜ!という朝井さんの気概をひしひしと感じる。日経新聞の連載、朝井さんにしては硬めに書いてると思うんだけどそれでも「もっと真剣に生きろ」ってクレームが入るんや…。生きにくい国・ニッポン。
読了日:01月02日 著者:

朝井 リョウ



カウンセラーはこんなセルフケアをやってきたカウンセラーはこんなセルフケアをやってきた感想
メンタル本ではなくエッセイ。主にカウンセラーである著者自身が日々の生活にどのようにマインドフルネスやスキーマ療法を取り入れているかを綴っている。うんこのイメージでのマインドフルネス、興味深い。しかしそれより衝撃なのはお母様との関係性である。生活費の仕送りもして新築一軒家のローンも返してあげて月に一回は外食おごってあげて…。挙げ句の果てに著者が引っ越すなら自分もついて行く、と当然のように宣う。いや、ヤバいよ。ザ・毒母。あと、しれっと子ども時代の万引きエピソードを開陳してるけど、犯罪っていう意識ないのか…?
読了日:01月02日 著者:伊藤絵美



最後まで読んでいただきありがとうございました!


良い一日を!