我が家の愛犬『さくら』がやってきたのは8年前の夏。
厳しい猛暑のある日、近所の「道の駅」で
まだ目も開いていない子犬が5匹捨てられていた。
彼らはみんなそこで植木を売っていたおばさんに保護されていたのだ。
「この子達どうしたんですか?」
「この暑いのに箱にまとめて捨てられてたのよ、可愛そうに・・・。
このままじゃ死んじゃうからもらってくれる人をさがしてるんだよ~。」
まだみんな目も開いていない。
毛も生え揃っていない。
泣き声ともならない震えた声でピーピー鳴いていた。
「・・・・」
箱の中に手を入れると
みんな私の指をママのおっぱいのようにちゅうちゅうと吸うのである。
~なんてことだ・・・~
みんなまだ産まれて5日くらい。
私は妻を見た。
~妻よ、止めてくれるな!~
「おばさん、俺この子達みんな連れて帰ります!!」
「えっ!!」
さすがにおばさんも妻も驚いた様子。
「ちょっと、ちょっと!全員はいくらなんでも・・・」と妻。
「そうだよお兄さん、きっとみんなもらわれていくから無理はいけないよ!」
「・・・・」
「だってもしもらわれなかったら・・・。」
「そん時ゃしょうがないから私が飼うわよっ」
「ホントに?」
私は冷静になった。
「一匹だったらいいよね?これは黙っていられない」と妻に聞く。
「う~ん、でもうち動物園みたいになっちゃうよ。」
「でもさぁ・・・」
「じゃあ・・、ちゃんと世話する?」
「する!」
「散歩も行く?」
「行く!」
「じゃあ一匹だけね!!」
「ホント?やったー!」
まるで母と子の会話である。
てなことで一人選ぶことにした。
興奮してたせいもあってか、
何故現さくらを連れて帰ってきたかは覚えていない。
そんなこんなで家に到着。
そうなると黙っちゃいないのがうちの先輩の住人たち、
「何なんだ、こいつは?」とばかりにさくらを警戒する。
まずは好奇心旺盛でやさしい『ごん』がちょっかいをだす。
「こら、ごん!いじめちゃダメだぞ!!」
でもどうしても気になる様子。
ずっとさくらのそばを離れようとしない。
そこへいくと一番古株の『たま』はすぐに落ち着く。
彼女は『ごん』が来たときに一度こういう経験をしている。
年季が違う。
「まぁ、私にちょっかいださなきゃそれでいいのよ」
とでも言わんばかりにそ知らぬ顔。。
そんな人間模様(?)を私は静かに眺めていた。。。
でもそれからは大変だった。
なにしろ妻も私もこんなに小さい赤ちゃんの世話などしたことがないのだ。
何を考えてるか分からないし、何を欲しているのかも良く分からない。
固形のご飯はまだ食べられないのでミルクを人肌にあたためて、
空調の温度やら、トイレの具合やら
とにかく大変だった。
でもさくらはみんなにも少しづつ慣れ、
元気に大きくなっていった。
こうして現在の「悪ガキさくら」と一緒に暮らすようになった。
しかしさくらはこの後恐ろしい変貌を遂げることとなる。
その驚愕の事実はまた今度。。。




