桜の花びら
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雨の降るその音と、けぶる遠くの山の景色が好きだと思った。

何年か前のあたしなら、いちいちこんな 事を思ったりしなかった。雨の日は、ただ雨が降っている日というだけだった。
特別なわけでもないのに、グレーの空を見上げて湿った空気を身体中で感じようとしたり、傘に当たる雨音に耳を澄ませてみたりする。

どうして、今は

なんで?

なんで疲れたんだろう。




生きるって事に、なんで疲れたの?




昨日も今日も、




なんにも変化のない1日で、ただ




日付と、地球の回転数だけが更新されただけで




あたしだけ、人の波の中で




飲まれて、浮き上がれない……



ような感覚。




だから、ひたすら眠り続けた。




こんな事を思いつつも、部屋の中を片付けたり、ゴハンを作ったりしてる。




まだマトモなのかな。
心が満たされる日があるのかな。


穏やかな、安息が欲しいと思う。


みんな同じようなそれを、持ってるみたいに見えるのに。




どうして今は、……

寂しい

苦しい、吐き出したい。

でもあたしには誰もいない。

寂しい。死にたい。



死にたい。




そんなことばかり言って、その言葉に陶酔してるのかもしれない。


あたしが死んだら親は、優しくしなかった事を悔やんで泣くかな。

死んだらあの人のことを、透き通った腕で抱きしめてみたいな。

とか。




有り得ないね。妄想か。




それが余計にあたしを憂鬱な気持ちにさせるんだよ。


歪んでるな。分かってるよ。




認めなきゃね。
死にたいなんて、書いても




あたしを可愛がれるのは、あたししかいない。分かってるよ。


この人生は、あたしが好きでやってるんじゃない。与えられたものだから勝手に捨てちゃいけないって。


それは、たぶん誰も見たこともない、なにか巨きなものから。


そう思わないと、生きていられない。