YOU WILL NOT SURVIVE

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PUNK/HARDCORE/METALの良盤を
地味に無責任にレビューするだらしねぇブログ

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遂に!遂に!遂に!!

遂に出た!!!!!!!!

播州姫路ジャパニーズネオクラスト、sekienの記念すべき1stアルバム!!!

本当にとんでもない怪物アルバムですよ。超傑作。
これまでの彼らの歩みを総括しつつも、新たな境地を開拓した名盤です。

基本は哀愁、悲壮、激情溢れるクラスティーハードコアパンク。
喉を震わせ絞り出すようなジョージさんの咆哮にはただ平伏すのみ。

特筆すべきはまずその音質。
確かに、レーベルインフォにもある通り、ロウでプリミティブなのですが、
決してチープさや薄っぺらさを感じさせない奇跡的なミックス。
「野性的な音質」というか、荒々しく、生々しい感じ。
sekienといえば、その壮絶なライブこそが最大の魅力。
ライブ感をスタジオ音源でも再現する……という触れ込みの作品は
これまでにも数多く世に出回ってると思いますが、
今作の音質の荒々しさ生々しさは、まさにあのライブそのもの。
ここまでのクオリティでそれをやってのける作品は初めて聴きました。

楽曲においても、再録曲は更なる進化を遂げてより攻撃的に、
また新規楽曲は新たなアプローチも見せてくれます。

まず、1曲目の「絡繰」から凄い。
ドタバタのD-BEATから幕を開けるこの曲、TragedyのConflicting Ideasを思わせますが、
そこからロッキンドライヴィンなリフで切り込んできて、
その時点で今までとは違うぞと思わせてくれます。
元々このアルバム、制作時点での仮タイトルが「カラクリ」だったので、
つまりこれが実質的なタイトルトラック。
男の背中で語るような不器用な哀愁漂わせつつ、破竹の勢いで突き進むド名曲。
そして2曲目、「sacrifice」は昨年のデモCDRで発表された曲ですが、
既にライブではおなじみのアンセムで、拳突き上げるコーラス、
ドラマティックな緩急の素晴らしいことと言ったら。
3曲目の「岩漿」、いきなりのブラストビートと
不穏なトレモロリフで一気にテンションマックス。
続く「開闢」「残照」は過去作にも収録されていた楽曲ですが、
数々のライブを経て、より強靭に鍛えられた彼らの姿が明確に感じられます。
そしてしっとりとしたピアノの調べに導かれたインスト「開花」を経て、
Bandcampでも先行公開された「航路」へ。
本作でも随一の突進力を誇る曲で、悲壮感あふれるフレーズが
爆走するドラムビートに乗って猛進する様は緊張感にあふれてて滅茶苦茶かっこいいです。

それと、今作は歌詞もとても素晴らしいのですよ。
ストレートな怒りを感じさせる文言と、韻を踏んだりダブルミーニングを交えたりした
言葉遊びを感じさせる部分が入り乱れて、独自の世界を形作っているように思います。
そんな歌詞の面での魅力も爆発しているのが8曲目の「奇脳狂」、そして9曲目の「赤壁」。
男泣きメロディも最高な上に、前のめり気味に言葉数多い歌乗せ、心底唸らされます。
「後ヲ見ヨ 立チハダカルハ
 播磨ノ守護 小赤壁」(「赤壁」より)
↑この歌詞、ほんとに最初読んだとき痺れました。濡れました。
次に姫路行ったら、「赤壁」聴きながら小赤壁の眺めを満喫したいと思います。


10曲目、「摩天楼」。
この曲で雰囲気がまたガラッと変わります。
何せ暗い!ダーク!
sekienの曲の中でも、ここまで不穏でダークな曲もなかったと思います。
これまた新たな境地に至ったことの力強い証明である佳曲です。

そしてラスト、「六六六」!!オーメン!!!
sekienの中でも定番中の定番、毎回ライブでは大合唱の起こる曲で、
最後に再びがっつりリスナーのテンション上げて鼓膜ぶち破って締め。
完璧ですよね。

Khmer Japan Tour Final in Himeji
24.4.2016
sekien gig


↑この、修羅場と化した壮絶なフロアを見よ!
水谷さんの着てるYvonxheパーカー欲しい。

恐らく、相当な苦心と苦難を乗り越え、
徹底的にパンク、ハードコア、音楽への愛情と拘りを目一杯詰め込んで作られたであろう一枚。
末永く大切に愛聴させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

bandcamp






スパニッシュ・ブラッケンドハードコア/ネオクラスト、Khmerが待望の新譜をドロップ!
ex.IctusのIvan氏、ex.El EgoのMario氏を中心に結成されたこのバンド、
ネオクラストの伝統を更に深化させて行きついた極上のブラッケンドハードコア。
今回も更なる発展を遂げ、壮絶な名盤が生み出されてしまいました。

この作品では、A面に新録5曲、B面は2012年に発表され絶賛を受けたデモ音源を再録。
Khmerというバンドの、凄まじい勢いでの発展を体感できる1枚です。
私が購入したのはもちろん3LAさんの日本盤。
一つの詩編としても成立するような、素晴らしい和訳がついていて、
それを読みながら聴くと、より一層想像力をかきたてられます。

まずは、何はなくともA面。
不穏な旋律でアグレッシブに斬り込みつつも、
哀愁メロディ撒き散らして駆け抜けるブラッケンドクラスト全開で全面的に最高なのですが、
俄然ポストブラック色強めの#2、からの#3。
やや明るめの、勇壮に猛り狂うメロディ全開で爆走する超名曲。
この曲を最初に聴いたとき、私が受けた感動は、
金沢のThe DonorのShine(これも名曲!)を初めて聴いたときの衝撃と同種のものだと思います。

続いてB面。
既にこの時点で、とてもデモとは思えないほどのクオリティなのですが、
こちらはよりメタリックな残虐性を強調したようなメタルコアな楽曲中心。
特にお気に入りは#10で、まるでTragedyをより猟奇的にしたようなリフで
威圧感たっぷりに駆け抜けてく疾走感は間違いありません。

個人的に、他のブラッケンドハードコアは、
「鈍器を振り回す」「錆びついた大鉈を叩きつける」みたいな
鈍い重々しさを持ったようなバンドが多いと感じていて、
言うまでもなく、そういうのも大好物なんですが、
Khmerに関しては真逆の感想を受けました。
最初に聴いたのはAfter Foreverとのスプリットで、俺たちの3LAさんの
レーベルとしての最初のリリースだったんですが、
「なんて鋭いリフを奏でるバンドなんだろう」「これはまるで日本刀だ」
そんな事を思った記憶が今でも脳裏に焼き付いています。

スパニッシュ・ネオクラスト/ブラッケンドハードコアの現在、そして未来。
この先、彼らがどんな素晴らしい音を私たちに届けてくれるか、とても楽しみです。

Bandcamp
スペインの新鋭ハードコアバンド、Tersius Tarsierをレビューします。
何でもこのバンド、Khmerのメンバーに見初められ、その全面的サポートを受けた本作でデビュー。
そして国内盤がお馴染み俺たちの3LAさんからリリースと、発売までの経緯まで熱い一枚です。

まだデビューしたての若いバンドだからか、確かに荒削りな部分はあるのかもしれませんが、
それでも端々に奇怪なリフや展開がぽんぽん出てきたりして、非常に面白い作品です。
何となくCara Neirをもっと荒削りに、ブラックメタル要素を薄めたような。
悲壮感あるメロディアスなネオクラストからヘヴィでロッキンなスカンジクラスト、
はたまたメロデス/メロブラ要素まで目まぐるしく現れ、雑多な要素を大いに吸収した感。
元々ネオクラストってそういう音楽の集合体なんだとは思いますが、
それでもそういった様々な音を貪欲に飲み込んで未整理のまま一気に吐き出す様は正にパンク。
勢い任せに駆け抜ける疾走感は最高にかっこいいです。

多分、この勢いで行くと、次くらいに大化けするような、そんな大器の片鱗も感じさせるCD。
今のうちに、ツバ付けとくのが吉ですね。

私が今年聴いた新譜の中から年間ベストをランキングしようと思ったのですが、
今年は名盤が多すぎて収拾がつかなくなりました。
苦肉の策として、国外編/国内編で分けてベスト10を選出してみました。

<国外編>
1位・Into Dreadnought Fever/Vladimir Harkonnen
2位・Nux Vomica/Nux Vomica
3位・Complete Discography/Ictus
4位・ACxDC/ACxDC
5位・Funeral Embrace/Gehenna
6位・Circle Of Death/Homewrecker
7位・Maailman Palkka/Horros
8位・Opposite Flow/Dirty Wombs
9位・Elddop/Martyrdod
10位・Peste/Hierophant

<国内編>
1位・我が意の夜明け/sekien
2位・Bombenhagel/Demolition
3位・魘 -unasare-/Acute
4位・Agony/The Donor
5位・渦捲く絶望の世界/DIEAUDE
6位・Regeneration Of Darkcore/Knave
7位・Robotti/Solpaatos
8位・ヒビノコト/Isolate
9位・A Wheel Of Wrath/assembrage
10位・Up To You/Hoist

他に凄く良かったのは国外だとYoung And In The Way、Hexis、Gridlink、NOIA、Full Of Hell、Midnight、Downfall Of Gaia、
国内だとSLANG、蟲酸あたり。鉄アレイはまだ買えてないし、ダイユーはショップ売り今年に間に合わなさそう。

という訳で、2014年は、個人的には今までで最高の当たり年でした。
国外のバンド、1位はNux VomicaかVladimir Harkonnenかでものすごく悩みました。が、僅差でVladimir Harkonnen。
Ictusは純粋に今年の新譜ではないのかもしれないけど、内容はやっぱり圧倒的。
国内はsekien。ライブも2回見れたけど最高でした。また来年2月に岡崎来るらしいから見に行きます。

んでもって来年、2015年。Khmerも来るし(まあ、正確にはもう出てるけど)、
ダイユーもお店に並ぶだろうし、sekienもフルアルバム製作中ということで
きっと来年も素晴らしい新譜に出会えるでしょう。
という訳で、今年も色々お世話になりました。よいお年を!








<番外編>
今年最も異臭……もとい異彩を放ったのはこいつら。人気爆発しすぎワロタ



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姫路ネオクラスト、sekienの記念すべき1st EP!

久しぶりのブログ投稿ですが、
本ブログで日本のバンドを取り上げるのは初めてです。
今回は私とsekienの出会いから書いて書いてみたいと思います。

最初はTwitterでした。
sekienのベースボーカルであるJyojiさんと相互フォローしたのが切っ掛けで、
その時はまだsekienの事を知りませんでした。

Jyojiさんに音楽の事教えてもらったりしながら交流するうちに、
そのJyojiさんがベースボーカルを務めるsekienの存在を知りました。
デモCDRが"俺たちの3LA"ことLonglegsLongarmsさんで売ってると聞き及び、早速注文。
一撃でノックアウトされたわけです。

そして2014年、待望の1st EPは
そのデモ音源から更なる発展を遂げた、
正に怪物のような傑作でした。

泣きのメロディを極めたかのようなToshiyukiさんのギター、
抜群のドライブ感でパワフルに疾走するRyujiさんのドラム、
太く轟くベースに、デモより更に苦渋を増しながら咆哮するJyojiさんのボーカル。
どの要素をとっても最高だし、ロウな音質も絶妙。

MetallicaのBatteryか、はたまたEnd Of AllのThe Age Of The Serpentsかといった
アコースティックな調べから
力強くぶっ叩くドラムが入り、Jyojiさんの咆哮一閃と共に爆走する1曲目、踉蹌でいきなりのクライマックス!
続く2曲目の夜明けは個人的に特に気に入ってます。
ドラマチック極まりない旋律と糞っ垂れ!のシャウトには鳥肌不可避。
そこに乗る歌詞も、憤懣やる方なしという、怒りと嘆きを隠すことなくぶちまけつつも
拳握り熱くならざるを得ません。
3曲目の開闢も、ストレートなクラストサウンドで激走し
激&劇的な怒涛の激音で血液は瞬間沸騰!
そしてラスト、六六六はデモ音源にも収録されていた曲ですが、
全く別の曲と言える程アレンジも曲調も変わってて、
その進化を実感するのもまた楽しからずや。
ラーラライライライ!の最高にして最強のシンガロングパートは思わず拳振り上げ大合唱。
Asta Kaskの影響は何となく分かりましたが、
3LAさんによるインタビューで、長渕剛の影響も明らかにされ、
その意外性にも驚かされました。

デモ音源を聴いた時にも思ったのですが、
sekienの音楽って、核はやはり溢れんばかりの怒りと悲しみでありながら、
そこに優しさと、音楽に対する深い愛情が
しっかり寄り添っているのだと
このEPを聴いて実感しました。

そして先日、待望のsekienライブを拝見し、
Jyojiさんともご挨拶を交わさせていただいたのですが、
体験した方が皆絶賛するのも納得の、
噂に違わぬ、いやそれ以上の激烈なライブで、
その実感は確信に変わりました。

今後のsekienは、更なる活発なライブ活動と、
そしてスプリット等の音源のリリースを控えているとのことで、
今後の活躍が楽しみで仕方ありません。
そして、またsekienと会える日が待ち遠しいです。