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赤薔薇


今日はちょっと
小説チックに書いてみます
笑



自殺や離職をほのめかす発言をしたあと
ここで夫がトイレへ行った。

どうせ死ぬ勇気なんかないことを
私は知っている。

私は姑に敢えて言った。

「あれ、自殺するつもりですよね。
だから本当は
お義母さんのもとで暮らすほうが
お義父さんと一緒よ
安心なんですけどね。
精神的に安心できると思いますし。
(暗すぎる舅といると
希死念慮が強まりそうだから
せめて明るい姑と一緒が良いと思った)

でも死ぬ勇気なんかありませんよ。

それから
仕事も辞めるって
言い出すと思いますね。

いつものパターンです。
ただ
仕事は本当に辞めかねないので
注意しておかないといけません。
(過去に勝手に辞表提出した過去あり)」

無言で頷く姑。

ここで夫がトイレから戻ってきた。

夫「離婚届を提出する日は決めてるの?」

私「まだ決めていない。クルマを売却するか名義変更するかとか細かいことを決めてからのほうがいいと思って。」

それまでに死んでおいてくれるって話か…?
確かに死んでくれたら
死亡保険金や貯蓄性の積立型保険で
1300万円入ることになるので
死んでくれたら好都合ではあるが
挙式が喪中で延期になってしまうと
莫大なキャンセル料がかかってしまうし
同じ死ぬにしても
挙式後にしてもらいたい…
などと考えているうちに
夫は私の父へ報告の電話を入れ始めた。

スピーカーにはしてもらえなかったので
何を喋っていたのかはわからなかった。

その間にも姑立ち会いのもと
どんどん身の回りのものを
キャリーバッグに詰め込んで
てきぱきと荷造りしていく私。

夫「そんなのもう要らないから…
あぁそれも要らない要らない
捨てといてよ…」

(私の心の声)
死にに行くつもりなんだろうな 笑
 前も死んでやるとか言って家出したけど
どうせ死ぬなんか勇気ないの、
知ってるから 笑

私「ここに置いておかれても迷惑だから
捨てるならそちらで捨ててちょうだい。
分別する手間かけさせないで。」

夏に向かう時期なので
薄手のものばかりなのでかさばらず
どうにかキャリーに詰め込める程度で
おさまった。

シングルの寝具一式は
布団袋に入れてあらかじめ
出かける前から準備しておいた。

そこへさっきまで使われていた枕と
タオルケットを突っ込んで完了。

靴類を別途袋に詰められるだけ詰めて
クルマに載せ込んで出発。

さぁ出発しようと思った時に
「松葉杖を病院に返却しておいてくれ
預り金が返金されるはずだから」
とか言い出したので
「そんなもの自分で返却して
手続きしてよ」
急遽病院へ。

と言うか松葉杖がなくても
歩けるとはどういうことだ。

自分で松葉杖を返却させると
登山用のステッキで
歩けるようになっていた。

仕事を多く休みたいがために大袈裟に
演技をしていたということか。

次に、ギプスをつけたまま履ける
サンダルがほしいというので
ショッピングモールへ。

気温32℃の暑さで
喉がカラカラに乾いたので
ミスドに行こうと言って
3人でミスドへ。


ミスドの新商品を注文した夫。

フロマージュ・ド ティラミス

ひとくち味見してみなよと
勧められてかじってみたが
甘過ぎて無理だった。

私はココナッツと
ロイヤルミルクティー。
姑はブレンドコーヒー。

普通の会話を
姑と私とでにこやかにして
いつもとなんら変わりない私の様子で
まだやり直せるのではと
思ったのだろうと思う。

行先を舅宅ではなく
姑宅へ変更してほしい
と言い出した。

「えるのお父さんがこういう時ほど
冷静に行動しなさいって諭してくれた。
本当はこのまま夜行列車に乗って
どこか遠くへ行こうと
思ってたんだけど…」

前もそんなこと言って
自殺の名所に行こうとして
結局1泊したらのこのこ
帰って来たことがある)

(私はその時も一切止めることなどせず
むしろ好都合だぐらいに思っていたし
追いかけることも探すこともしなかった。
賠償金が発生するようなことだけは
やめてくれと伝えたのだった。)

姑はもっと荷物が
大量だと思っていたから
無理だと断っていたが
中型キャリーひとつで
おさまる程度+寝具だったら
うちでもだいじょうぶよ
ってことで姑宅へ。

搬入するのがキャリー1つ、
靴が複数入った袋1つ、
布団袋が1つなので
あっという間に搬入完了。

暑かったので
車内が熱くなりすぎないように
車の窓は全開に下げて
搬入作業をしていたから
窓が開いたままになっていた。

クルマに乗り込んで
エンジンをかけると

夫が絞り出すような小さな声で
何か言ってきた。

「もう決めてるんよな…?
もう一度チャンスをほしい…」

私「もうこれまで
何度もチャンスは
与えて来たけど
変わらなかったからね
決意が変わることはないよ」

夫「もう一度話し合いの機会がほしい」

私「もう決めているから。」

一度も夫のほうを見ず
進行方向を向いたままで答えた。

戻る気はないことを
きっぱりと告げて発進。

何と言っても
もう警察から
一緒に居てはいけないと
言われているのだ。

もう辛気臭い顔も姿も見たくなく
振り返ることもせず
角を曲がった。