外科系の中でも
消化器外科医師としての一意見です。
消化器外科志望の学生さんが
初期研修先をどう選んだらいいか。
という設定でコメントします。
長い目で見れば、初期研修中に
メスや腹腔鏡鉗子をどれだけ触れるのかは
全くもってたいした問題ではありません
本当の意味での外科医としての修練開始は
3年目以降からで、
近年、基本的に初期研修医はお客さんですから(小声で・・・)。
ですが
初期研修中にたとえたいした事で無かったとしても、手術の経験をすると心に深く刻まれモチベーションにつながるのは事実です。
「〇〇に対して〇〇の手術を始めます。
メスください。」
「パシッ」
「スーッ」
僕も未だに、初期研修中の初めて経験での興奮・恐怖心・感動が混ざった独特な感情は忘れられません
この経験をきっかけに外科医を目指すことになりました。
ですが、現在の僕の上司(外科部長)は
「無理に初期研修医に執刀させてはいけない」という姿勢です。
患者さんは練習台ではなく、
そのチームのベストな治療(手術)を提供する必要がある。からです。
これは僕も完全に同意。
このように昔に比べると研修医の先生が執刀するチャンスというのは全国的に少なくなっているのではと思います。
また組織のことを考えると、
やはり後期研修医を育てる必要があるので
3-5年目をすっとばして
初期研修医にどんどん執刀させるといことは
あまり無いような気がします。
(後期研修医がいない病院は別ですが)
ですが誰よりも患者さんを診て手術の勉強を真面目にしている後輩には、やはり手術経験をさせてあげたくなってしまいます。
僕の責任の範囲内で、かつ患者さんに事前に説明した上で、腹腔鏡下胆嚢摘出術や鼡径ヘルニア修復術などの部分的執刀をレベルに合わせてやってもらいます。
またちょっとした手技を、一緒に手術に入っている初期研修医の先生にやってみてもらうことがあります。
そう思うと、執刀うんぬんより、まずは手術に手洗い参加出来るかどうかは研修医にとって重要ですよね。
まとめますと、
初期研修中にはどんどん執刀する機会は近年少なくなってきているとは思いますが、上記のようにちょっとしたチャンスがあることは事実です。
研修医が手術に参加できる環境かどうかを見学の時に見定めるというのがいいのかと思います。
研修医の数が多い人気市中病院や大学病院だと、研修医が手術に参加するチャンスは少ないのかなと推察します。
12月29日 09:07
とのご指南を賜りました
先生ありがとうございました
確かにその昔は(って40年ぐらい昔)
研修医が虫垂炎を執刀は
あたりまえみたいな感じで
Nの妹が研修医の虫垂炎の手術ミスで
生死の境を彷徨った
なんてこともありましたので
それを考えると
今は一人で全部をさせてもらう
みたいなことはまずありませんね
マンガ「医龍」で
研修医 伊集院君(小池徹平)に
朝田がオペさせた
みたいな話ですもんね
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20211229/22/medu4/26/f1/j/o0971065015053529376.jpg?caw=800)
そんなことをしたら
医局じゅうの嫉妬を買って
いやがらせされたりなんだのと
大変なことになってしまう様子が
描かれていましたっけ
昨日のm3のクイズみました?
ちなみに
N娘は研修医数の多い病院で
研修していますが
自分が希望している診療科では
清潔領域に入れてもらって
いろいろさせてもらえていた
ほうだと思います
志望科以外でも
麻酔科での挿管やライン確保
循環器内科での心臓カテーテルなど
頻回にさせてもらえたほうだと思います
とは言え
昔と比べたわけでもなければ
他病院と比べたわけでもないので
なんとも言えないのですが
少なくとも見ているだけ~
ということは
ないようではあります
でも
中にはなんにもしていない子は
いるみたいですよ
オペ中も無駄にうろうろしたりして
落ち着きがなかったり
時間が来たら
まだカルテ書き終えていなくても
さっさと帰っちゃう子も
そういう子って
なんなんだろう…
志もぴんきりですね