【腰椎分離症(ようついぶんりしょう)】 | サッカー育成年代応援ドクター

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【腰椎分離症(ようついぶんりしょう)】

 

 

腰椎分離症(ようついぶんりしょう)とは、10代の成長期の子供たちのオーバートレーニングにより発症するケガです。

特に、12-13歳の子供たちの多いです。

 

同じ部位にいつも負荷がかかり、骨折してしまいます。

それゆえに、椎弓(ついきゅう)の疲労骨折(ひろうこっせつ)と言われます。

 

練習中や練習後に腰の痛みを感じます。

 

理解するためには、まずは、下の図のように背骨を紫のラインで切って(図1)上からみた画像(図2)を示します。

(図1)

(図2)

 

 

 

図2の椎弓根(ついきゅうこん)や椎弓板(ついきゅうばん)が骨折してしまうものが分離症(ぶんりしょう)です。

 

〔治療〕

青少年の分離症は発症してまもなくであれば、スポーツ活動中止してコルセットで3-6ヶ月程固定し、過度な伸展(後屈)をしないようにします。

後屈とは後ろにそらすことです(図3)。これれは骨折部位に負担をかけてしまうため、注意しましょう。

 

しっかり骨がくっついていないとすべり症という骨が前に滑って行ってしまう病気を合併してしまう可能性があります。そのため、しっかり治すことが重要です。

 

成長期の子供たちに、6ヶ月もサッカーを中止させるのは、やりたがりの時期の子供達には難しいのが現状です。

しっかりやすんで欲しいところですが、それが現実難しい状況では、

急性期を過ぎても、骨が癒合(ゆごう)してないときは、腰痛が支障とならなければスポーツ活動を全面禁止せず、薬やブロック注射で対応することも可能です。

また、コルセットを巻いて、痛みが誘発されなければ、その程度であれば、練習OKとし、痛みが誘発されれば、そのメニューは行わない方針とするのも1つの方法かと思います。

 

(図3)後屈画像

 

〔予防〕

オーバートレーニングが原因なので、それを避けることが最も予防となります。

しかし、実際は自分では、「もう限界」と思っていても、監督・コーチがさらなる追加練習を入れたりしてしまうので、オーバートレーニングは避けては通れない状況かと思います。

そのため、普段から、股関節を伸ばすストレッチをしておくことをお勧めします。

股関節の動きが悪いと、それを代償しようとして体が後屈(後ろにそれる)してしまいます(股関節の伸展制限を腰椎の後屈で代償してしまうため)。

それを予防するために股関節伸展させるようなストレッチ(図4)を行うと少しは効果あるかと思います。

 

(図4)太もも前の伸ばすストレッチ