わたしは、昔から 人生の大先輩方とのご縁が多い方で、振り替えると それは私の母もそうであった。



 幼い時、私には祖母が三人居ると思っていた。
 

 目と鼻の先に住んでいるお婆ちゃんは、足腰が弱く他の二人の祖母より若干高齢。母と一緒に訪ねるとギョロちゃん飴という名前だったか、お口にいれるとほっぺたが飴玉の形にポコッと膨れるくらいの大きく、やさしい甘さの黒糖の飴玉をいつも一袋お土産にくれ

た。
 その飴玉は、お婆ちゃんのお家のお薬の臭いがするのがちょっと苦手だったけど、あの大きな甘い幸せは、お婆ちゃんのお家に行くときのお楽しみだった。

そのお婆ちゃんとは、血が繋がっていないことは、成長と共に自然と理解した。

身寄りのない足腰がちょっぴり不自由なお婆ちゃん。
母親は、まるで親族ように様子をちょくちょく見に行って気にかけていたのだ。

 我が家の引っ越しで 幼かったわたしにはそのお婆ちゃんがどうなったかまでは 母が他界してしまった今では知るよしもない。40年前のお話です









つづく