日本の義務教育は崩壊しています。

それは、塾に通わずにいわゆる有名中学校を受験してもほぼ合格しないという事実があらわしています。

崩壊って表現は語弊がある、そうお感じになる方も多いかもしれません。

確かに、塾に通わなくても、学校の勉強をしっかりとやっていれば、字が書けるようになり、計算が出来るようになり、中学まで行けば社会で独りで生きていく上でのコミュニケーションは取れるくらいにはなるでしょう。

ただ、多くの方がそれでは物足りないと考えていて、自己資金を投じて我が子にextraで教育をしています。教育投資と言われるものです。

こうした投資が受けられるのかどうか。日本の相対的貧困率の高さは悲しいデータです。平等というものが幻想であり、階級社会が存在し、親は我が子の階級を少しでも上に上げようと必死になる。

こうした点に非常に世の中の人が興味を持っているために「親ガチャ」という言葉が流行したりするのでしょう。

少子化の中で学歴社会を相変わらず加速させていく悲劇。

このようは実情を考えても、義務教育は実質崩壊している、と考えて良いのでしょう。もはや最低限とすらも言えない。と。

このまま放置するとextraで教育投資できる階層と、そうでない階層のギャップはどんどん開いていきます。

子どもの事を考えて適切な程度で押し付けないでこうした投資が提供されているのかどうか、、人の心を扱う仕事をしている身としては常に気になります。

学業以外の新しい価値基準を親世代が子供に伝えていく必要があります。

＜確かに親からは勉強しなさい！って言われたな、、、＞

私は医者ですが、幼い頃親に勉強しなさい！と一時的にさんざん言われて育ちました。

しかし、それは親が特別教育熱心であった、というわけではなく、教育虐待を受けた、という事でもなく、単純に私が「全くやらなかった！」ために、最低限やらせようとして、それすらも私が拒否していた、という日々の攻防戦の中から出てきた親の「勉強しなさい！」でした。

ちなみに親族に医者は一人もいません。

実際、そののち学ぶことの面白さに気づき、自発的に机に向かってばかりの人間に様変わりするのですが、そうなったらなったで今度は「あまり勉強ばかりするのは体に悪い、ほどほどに、やり過ぎないように」などと言われたものですから、親というのは勝手なものです、、、。

＜親が良かれと思って子供の将来を考えても、時代が合ってないかもしれないね。＞
30年以上前、小学校低学年だったころ、親からは散々勉強しなさい、と言われましたが、

「Youtuberになったらいけません」「Youtubeは見たらいけません」とは当然言われませんでした。私の幼い頃の親達は学歴社会を生き抜いてきた人たちなので、子どもにも良かれと思って、良い大学、良い会社に就職することを一般的に願っていたのでしょう。

でも私たちが大人になると、その当時の大人が描いていた世界に実際になっているのでしょうか？

デフレも進み、非正規雇用もふえて、一生懸命勉強した結果約束された安定した生活が得られているのでしょうか？

「高学歴貧困」が自己責任論で片付けられがちな時代に本当に受験して良い学歴を得ることが必要なのでしょうか？

相変わらず盛んな受験産業は何を根拠に親の不安をあおるのでしょうね？

＜でも、どうせ子どもに医者になって欲しいんでしょ？＞

いえいえ。全くそんなことは考えていません。

末っ子はまだ幼いので判断できませんが、長男、長女は全く勉強しませんね。父親の遺伝です。頑固。勉強しないというのは語弊がありますが、いわゆる押し付けるような形の座学は一切拒否です。筋金入り。指導を受ける、という形が大嫌い。（合う学校ある？？）

公文式なんて大嫌い。

「こんなことをだらだら出来る奴らの方がおかしい！」と言っています。

何に興味があるのかわからないので、それを一緒に探していく。その過程で興味が湧いてきたものをより理解するために漢字や英語やプログラミングが必要なのであれば勝手にやるだろうし、関係ないならやらないだろうな。それでよし。

無理やり押し付けて教育虐待という形には絶対にしない。と思っています。

私個人としては

あたりが良いな、と思っているのですが、自分の人生ではありませんからね。

何かを押し付けてはいけません。

本人は、工芸家（椅子などを作る）か画家になりたいようです。

「僕には勉強がいらないよ。必要のない職業に就くから」と小1に言われると昔の自分を見ているようです。

＜あれやりたい、これやりたい言っても続かない、、、でもそれでいい＞

非常に様々な事に興味を持っています。試してみて、合わなければやめる。そうした体験を通じて、点と点が線になっていく。そうすると楽しくなるのだと思っています。

最近急にプログラミングをやりたいと言い始めました。

以前進研ゼミのチャレンジパッドを用いたスクラッチをほんの少しだけやっていたのですが、チャレンジパッドの接触が子供の納得するレベルでなく、何度も操作してイライラして、やめてしまった経緯があります。

今回はipadでスクラッチのアカウントを作ってブラウザからやるようにしています。

指一本でサクサクできているようです。

人から習うのが苦手なので、本を見ながらやっています。この本お勧めです。

＜大切なのはこころを守る事＞

勉強できなくてもよくないですか？勉強が苦手な子もいますから。

親が思う幸せな人生になってもらうために塾にいれて勉強させるのって、子どもが大変そうですね。もしそうしたプランに舵を切ったとしても、定期的に子供と話し合って、合う合わないは確認してあげて欲しいな、と思います。

どの親も子どもの幸せを考えているでしょうから、ぜひその際に、親が考える子供の幸せなのか、子どもが望んで進んでいこうとする方向なのか、誰にとっての幸せなのか、考えてあげたいですね。

子どもの幸せを願って、進んでいく道をサポートしてあげたら、自然と育っていくのではないでしょうか？

勉強って出来ないといけないの？