その昔、ときめきメモリアルシリーズで成功を収めたKONAMIが、『サクラ大戦』を生み出したREDとタッグを組み、生み出した、

 

 ファンタジー風ときメモ。その名を『みつめてナイト』。

 

 ――ドルファン歴D26年、四月――

 ――一人の東洋人が、ドルファン王国に入国しようとしていた――

 ――傭兵として――

 

 

 と、いきなり書いたのは、ゲームの冒頭、表示されるモノローグである。

 

 主人公の青年は、戦争の始まったドルファンという王国に傭兵として徴用された。外国人傭兵である。

 ドルファンは南欧の一国であり、国の南側が広く海に開けているため、内陸国から度々戦争を仕掛けられてきた。

 今回はその内陸国の一つ、以前休戦協定を結んだはずの、プロキア公国。

 

 突如として、国境付近の街、ダナンへと侵攻してきたプロキア軍。

 

 ドルファン王国の軍は、腐敗が進み、とても自国だけでプロキア軍に対処出来ない。

 そこで、欧州唯一の中立国スィーズランドを経て、諸外国へ傭兵を募集。

 

 その中の一人が、主人公の東洋人傭兵である。

 

 そうして、いつ死ぬかもわからない日々の中、出会う女性達と恋をして――という内容ですが、色々と伏線も張ってあったりします。

 

 まず、便宜上プロキア軍と言われているけれども、実際は最強の傭兵部隊『ヴァルファバラハリアン』という主力部隊だけがドルファンに固執しているだけで、実際、プロキアとしては休戦協定を破るつもりは毛頭なかった。

 ドルファン王国の王家には忌まわしき歴史がある。などなど――

 

 ということで、今回は。

 この隠れた名作を、語るだけです。

 

 さて、本来ならばヒロインを紹介していくのが、筋という物かもしれませんが、

 まずは、メインの敵となるヴァルファバラハリアンをご紹介。

 

 軍団長『デュノス・ヴォルフガリオ』を筆頭に、八騎将という言ってしまえば四天王のような方々が各々の部隊を率いている。

 最強の傭兵団、と言われており、一団だけで大陸全土を焦土と化せるほど。

 

 では、八騎将を紹介。

 

 破滅のヴォルフガリオ/軍団長~私怨の焔燃ゆる元ドルファン王家~

 全身を赤い甲冑で包み、素顔を知るものは僅か。圧倒的な剣技で一切を切り伏せる。

 その正体は、ドルファン王家の政争により、王国を追われた現国王の双子の兄。

 プロキアにドルファンとの戦争を起こさせる事で、ドルファン王家に復讐をしようとしていた。

 「最早、わが天運も尽きた。なればわが命を持って、ドルファン王家に一矢を報いん!」

 

 幽鬼のミーヒルビス/副団長・参謀長~忠義を尽くす盲目の策謀家~

 悪魔のような戦術で多くの戦いを勝利に導いてきた、ヴァルファバラハリアンの頭脳。

 盲目ながら戦場では大鎌を振るう。

 ヴォルフガリオの素顔を知る数少ない人物でもあり、軍団設立当初からの右腕。

 「デュノス様、このミーヒルビス、最後までお仕えすること、叶いませんでした…」 

 

 疾風のネクセラリア/先鋒隊~戦場を駆ける疾風~

 主人公と初めて戦う八騎将。そして、後述する主人公の師、ヤング大尉を殺した男。

 主人公の初戦の相手、なので、いまいちパッとせず、負けようとしてなければほぼ必ず勝てる。

 元はハンガリアという国に居て、ヤングとは同僚だった模様。

 「ヤングはわが槍で討ち取った。誰か、仇を取る者は居ないのか!」

 

 不動のボランキオ/殿~類稀なる不動の精神~

 二度目のダナン派兵でダナンに残留していた部隊を率いていた。

 妻と子に先立たれており、自らを殺してくれる存在を求めていた。

 主人公によって倒され、最後には、やっと死ねる、と漏らした。

 「これで、妻と子の元へ、逝ける――」

 

 氷炎のライナノール/単騎出奔~愛に生きた悲しき女~

 ボランキオの死後、単身ドルファンへ乗り込み、主人公に一騎討ちを挑む。

 休日にいきなり手紙で呼び出されるので、知らないと体力が低い状態で、瞬殺される。

 八騎将唯一の女性であると言われており、同胞ボランキオを愛していた。

 「最早、私に帰る場所はない。――愛した人の仇を討つのみ!」

 

 迅雷のコーキルネイファ/哀れ~愚かなる進撃~

 最年少の八騎将。幼さ故に、策略を理解せず、無理な進軍を行う。

 結果として、それが痛手となり、敗戦する。

 素早いけれど、それだけ。恐らく、八騎将の中では最弱候補。

 「へっ、オレは参謀みたいに気の長え老人じゃないんでね」

 

 血煙のゼールビス/偽り~策謀巡らす神父~

 叔父のミーヒルビスと仲違いする形で、ヴァルファバラハリアンを出奔。

 ドルファン国内に潜み、機を窺い、国内で爆破テロを起こした。

 割と最初から登場していた、教会に居る神父。

 

 隠密のサリシュアン/秘密~全てが伏せられた最後の一人~

 隠密行動を専門とする正体不明の八騎将。

 正体は後述。

 

 

 という風に、基本的にこの人達と戦ったり、戦わなかったりしながらストーリーを進めます。

 戦闘はコマンド選択式のRPGのような感じ。幻想水滸伝のあれに近いかも。

 

 

 さて、長くなるので、何人かに絞ってヒロインを紹介。

 

 まず、は。

 

 ライズ・ハイマー/無表情の下の消せぬ焔

 主人公が道端でぶつかってしまった少女。基本的には無表情で物静か。常に手袋を身に着けている。

 その正体は、八騎将の一人、隠密のサリシュアンその人。

 全ての八騎将を彼女を除いて倒すと、エンディングフラグが初めて立つ。

 手袋は剣によって出来る柄傷を隠すため。また、ヒロインの中で唯一水着姿が無いのも、体中に無数の傷があるため。

 血縁的にはドルファン王家に連なる者でもあり、軍団長の娘。

 好感度が上がると、笑顔を見せてくれるようになり、誘える場所もぐっと増える。

 この重たい設定と、無表情という部分で、ときメモ2の八重さんと被るが、

 戦争でミスれないので、この娘の方が難易度的には上。

 みつめてナイトのヒロインの中では、筆者が三番目に好きなキャラクター。

 全体では五番目。

 

 ロリィ・コールウェル/名は体を表す

 名前が全てを物語っている、年下のヒロイン。中等部所属にしては幼過ぎるけど。

 初登場時で12歳と、それは世間的にいいのか、と問いたくなるヒロインだが、

 16人もタイプの違うキャラを作ろうとしたら、選択肢の一つとして仕方ないのだろうか。

 まあ、サクラ大戦にはアイリスという年齢一桁のヒロインも居たし、さすがはREDというところ。

 筆者は基本的にはロリ系のキャラは好きだけど、この子はなんか、見てて痛々しい。

 ちなみに、一応は美少女なので、ストーカーに狙われていて、誘拐されることも。

 その誘拐イベントで鬼畜な選択肢を選ぶと、死んだりする。

 

 ネメシス/深き森の科学者

 森の中に一軒家を構え、科学の研究に勤しむ女性。

 素顔の見えないメガネっ娘。年齢は不詳。

 デートの度に科学の問題を出されるので、文系の筆者は一苦労。

 しかも、前述のライズの好感度も上げなければ、必須イベントが回収出来ず、

 公式で同時攻略推奨のキャラ。

 面倒臭いヒロインではあるけれど、憎めない性格なので、意外と好き。

 

 ピコ/妖精

 この作品がファンタジー、と呼ばれている一因を担う。主人公にしか見えない妖精の女の子。

 主人公の身の回りの世話やら、女の子の場所を探したりとか、サポート的な役割を果たす。

 ノエルという人の体を借り、主人公と恋愛をしたいという想いで行動に出る。

 主人公にはかけがえのない存在ではある。

 筆者は、このキャラをこよなく愛している。

 最終的に、力を使い果たしたのか、主人公に「キミはもう大丈夫」といって頬にキスをして消えていく。

 

 アン/不思議な印象の女性

 この作品がファンタジーと呼ばれている(以下略)。突然主人公に声を掛けてくる女性。

 最初から好感度が高いので、攻略は容易。に見えて、実はかなり大変。

 まず、他のヒロインの好感度を上げて、そのキャラの誕生会に呼ばれ、その上で特殊な行動をすることで、

 ようやく本当の出会いが出来る、という、普通では解らない攻略法のキャラクター。

 正体は人魚。最終的に泡となって消えてしまう。

 

 クレア・マジョラム/悲しき未亡人

 こういう作品でヒロインにしていいのか、疑問の残る元人妻。

 しかも、主人公の師匠、ヤング大尉の元嫁。

 攻略は比較的簡単だが、同時攻略が絶対に出来ない仕様。

 他のヒロインの好感度が一定値を超えると、それだけでフラグが立たなくなる。

 年上ということもあり、優しいお姉さんという感じ。声も井上喜久子さんで、より優しさが抜きん出ている。

 昔、疲れた時にクレアさんに癒されていたのはいい思い出。

 

 という風に、多くのヒロインが居る。

 では、最後に。

 

アンの個別エンディングでのみ流れるED曲、恋をするとの一部を書いて今回はお終い。

 

 恋をすると切なくなるの 寂しさに溺れそうになるの

 どうして恋をしたのかなんて ため息をこぼすの