『眞山(まやま)さん、テスト終了です。お疲れ様でした。』
下方から暗闇にぼうっとオレンジの薄明かりが灯る。
ピラミッドの形と、その上下が逆になり、横に45度回転させた形が重なった立体六芒星形の3m四方の白い空間、その中心で不自然に浮いているように見える六角形の床、そこに胡座で座る白装束をまとった黒髪の青年の呼吸が吹き返す。
『おーい眞山、落第だ。だいぶ調子が悪いようだぞ。』
胡座の青年がカメラに目線を送る。
「滝でも浴びてきた方が良いんですかねえ。」
モニターに表示されたグラフには彼の何らかの要素が合格のラインに達していないことを示していた。
「そうだな、それならあと3ヶ月くらい待つのはどうだ?気持ち良く水浴びしても何にもならんからな。
今日は終いらしい。上がれよ。」
『む、了解。』
オペレーターの女が椅子の背にもたれ、モニター室から退室する男に声を投げる。
「悟堂(ごどう)さーん、眞山さん大丈夫ですかねえ。」
「ここのところ少しばかり忙しくて応えてるのだろう。
しかしこの程で度で音を上げるくらいなら奴はもう“憑け”ねえよ。」
モニターの白い空間の中に留まっている青年を見ながら女は小さく溜息を付くと頬杖をついた。
「幽体離脱も楽じゃないわね。」
