僕なりのエレキギター選び。 | Honolulu Music Society byなかじー

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出自は日本生まれの日本育ち。
米国籍を取得してハワイに在住する音楽家であり実業家。3児の父。

今までの日本人には発想出来なかった独自の視点と解釈を元に展開されるちょっとだけ凄いブログ。
更新不定期。

​Aloha!


昼下がりのEpiphoneさん。


さて、僕は普段からいろいろな記事にてエレキギターというものについてあれこれ語ってますよね。


しかしどういうわけか僕は多くのギター愛好家さんに比べてギターを買っていない。ソレは僕なりに理由がある事なんですが、じゃあソレってホントのところとしてはどうなんだろうというのを自分なりに整理してみるという試みです。


あくまでも『僕にとっての』ですから、ソレは不特定多数のギター愛好家の皆さんに当て嵌まるものではないのかもしれません。


しかしながらギターは見た目で選べばいいとかいった、『楽器の選び方』としてはあからさまに間違えた考え方ではないので、今後ご自分に合った楽器選びというものを冷静に考えてみたいという方にとっては何らかのお役に立てる考え方にはなっているのかもしれません。



僕にとってエレキギターに求める条件ってのは幾つかあります。


​自分の使用目的に適う機能を持つエレキギター

​自分の使用環境に適う仕様を持つエレキギター​

​自分の身体にしっくりくるエレキギター


よくよく考えてみると実はこの3点のみだったりします。


ご存知の通り、ハワイというのは年間通じて華氏82°(摂氏28°)前後の気温を保ち、紫外線量は日本の約2.5倍、雨季もありますがそれでも年間通じて湿度は低くて貿易風の影響で『いい風』に吹かれているため汗をかいたりスコールに打たれても衣服がすぐに乾くという快適な生活環境を維持できる場所です。


そんなハワイですので、世界中からある程度経済的に裕福な人達が多く集まる高級なビーチリゾートとなっているので、僕らはそうしたロケーションの中でお呼ばれするパーティバンドという『サービス業』としてのライブ演奏をする事でお仕事を得られているわけです。


つまり、僕自身がギターを弾くのは自分の自己顕示欲や承認欲求を満たすために演奏をするわけではないため、いかにもロックギタリストというテイでカッコつけなきゃいけない、目立たなきゃいけない、チヤホヤされなきゃ納得行かないという『縛り』が一切ないのですよ。


エレキギターの『使い道』としては自分たちの膨大なレパートリーの中からあらかじめリクエストされた楽曲をリクエストされた通りに弾きこなせればいいということになり、そしてその演奏の大部分というのは伴奏を弾くことだったりします。


ですから楽器としての使い道は主に伴奏を弾く。


お客さんを楽しませる為に弾くので、ギターに余計な機能は要らないし余計な装飾も要らない。


使用環境としては海のそば、時には海の上(船上)なのでギターは常に潮風と強烈な紫外線に常に晒される。


となるとラッカー塗装のエレキギターは選べないし、ギターにバインディングなどの交換に難のある樹脂パーツや装飾類は極力無い方がいい。(Gibson好きの僕がGibsonを選べない理由がココ)


出来たら丈夫で壊れにくく、万が一不具合があっても容易に部品の交換や修理が容易いのが大切。


膨大な量のレパートリーの中からリクエストされた楽曲でセットリストを組むため、余計なところで混乱しない為にも、出来れば同じような操作系統を備えたギターが望ましい。


たとえば、ピックアップセレクターの位置や形状1つ取っても普段Les paulを弾いている人が急にテレキャスターを弾くとピックアップのセレクト1つとっても混乱することがあります。


リアピックアップで弾きたかったパートなのにセンターになったままで弾くとか、セレクターがフロントに入りっぱなしで弾き続けてしまった、とか単純に手元が狂ったとかってたまに違うギターを弾かなきゃならない時には結構ありますよ。


『いや、そんなものねぇよ!』って方もおそらく一定数いるかもしれませんが、ソレは多分頻度と 環境が全く違うんです。


たとえば週に3〜4回のライブがあって、それぞれ別のセットリストが5〜6曲の割り合いで組まれていて、日によってはそれを1日に3廻しで演奏しなきゃいけないってのを可能であるなら是非経験してみてほしいです。


それは多分お部屋で小さなアンプを鳴らしてギター単体で弾き、誰にも見られずに聴かれずに楽曲の一部分だけを抜粋して弾くのとは全く違う精神状態になる環境ですから。


そういう複数のライブを複数のセットリストで演奏するというといった状況を体験すると、全然仕様の異なる複数のエレキギターをライブで使い分けるなんて、僕からすると神業中の神業なんですよ。


才能のある人は『そんなこと』でしょうが僕は決して才能に恵まれたギタリストではないので。


ですから逆に言うなら僕のエレキギターに対するスタンス選び方の基準が、


​憧れの存在に成り切るためのエレキギター

​主に部屋弾き、主に単体て弾く為のエレキギター

​見た目が好みのエレキギター


であるなら、ソレはギター選びとしては僕がピンク色の項目で言った物とは全く違うものになります。


ギターというのは、弾き手の身体の一部分、ある種の『拡張装置』としてはじめてその機能が演奏の中に成立する楽器なので、見た目云々よりは自分の身体の感覚が追い付くレイアウトを備えていることが何より重要だと言えます。


そう考えてみると、結局のところ僕にとってエレキギターというのは『必要な物』であって『欲しい物』ではないというのがなんとなく見えて来る。


NeedsとWantsの違い、ですよね。


必要であるならば迷わず買うし、欲しいだけなら買わない。  


そりゃ僕だって並の人間ですから欲しいなと思うギターはある。


じゃあそれが必ずしも必要か?と問うてみると『必要ではない』ということに。ギターが2本になれば掛かる手間や弦代やメンテにかかるコストも倍になるので。あ、持ってるだけならそこまでかかりませんが僕はギターは弾かなきゃいけないので。


だから買わない、買ってないってことなんだと思います。


はっきり言って今どきのエレキギターはよく出来ているので、たとえそんなに高級でなくともどれを弾いても概ねいいもんなんですよ。


細々とした好みとしてのサウンドが納得行かない的な不満ってまず感じません。


バンドとして合奏に使って『その音なんとかならないの?』なんて周りから言われるギターなんてそうそうあるもんじゃありません。


だったらそれでいいんですよ。ギタリストがことサウンド面でいちいち細かいことを気にするのって実は最も無駄なことです。はっきり言って『音』に対するこだわりを持つことよりも『弾く内容』にこだわるべきなんですから。


合奏時の音のバランスが最終的には卓側の裁量でほぼ決まってしまうエレキギター奏者の場合は特にね。


皆さんも『エレキギターは見た目で選ぶ』をやって来られて、もしもある種の『行き詰まり』を感じたり、何本ギターを買っても、自分にとっての至高の1本に巡り会えずわけも分からずいつの間にか手元に置くギターが増えてしまう、という状況にお困りなら、試しに僕のエレキギター選び(ピンク色の丸)の仕方を参考にしてみてください。


ちなみに僕が最近少し気になっているギターがコレ。

P.R.Sガチ勢がゴミ扱いするSEシリーズです。

別にサンタナになりたいわけではないです(笑)

ちょっとポジションマークは背伸びしすぎてですけどストイックないい楽器に見えます。


2ハム、ハイフレットまでストレス無く弾ける、セレクタースイッチが手元付近、スイッチが潮風の吹き込まないトグルスイッチ、ポリ塗装、余計なバインディング等が無いシンプルな造作。コレでトップの突き板とか無ければ完璧だった。


残念!でもカッコいいですね!



Mahalo!