IWILFIN(エフロルニチン 192mg)
神経芽腫の再発予防の為の薬剤

神経芽腫(以前の通名神経芽細胞種)

主に乳幼児に発生するがん。副腎や脊髄の両脇にある、交感神経節等から発生。抗がん剤や手術、放射線治療が標準。

尚以前は早期発見の為生後6～７ヶ月の赤ちゃん対象に尿検査＝マススクリーニングが行われてたが、陽性とされた子の中にはかなりの数で治療を必要としない子がいる(1才以下でこの病気が発見される場合自然に消えてしまう等)事が判明した故全国規模での上記検査は2004年4月中止された。

正確な適応(米FDA承認内容)
対象、高リスク神経芽腫の

小児、成人。使用目的、治療後

に残存する微小な病巣(微小残存

病変)抑制に因り再発防止。使用

タイミング、化学療法、手術

放射線、免疫療法等標準治療が

完了した後

何故重要？
神経芽腫は再発率が非常に高く

特に高リスク群では再発＝生存率

の大幅低下に直結。IWILFIN は

生存率を改善する初の再発予防

目的の内服薬として2023年末に

米で承認【(新しい用途(高リスク
神経芽腫の再発抑制)の為米会社

US WorldMeds, LLCに因りFDA

承認を受けた】

この薬剤は1970年代に米製薬

研究所Merrell Dow Research

Instituteでがん治療薬として

最初に開発されたが当初はがん

に対しては有効性が限定的と

されその後、寄生虫感染症

や皮膚科用途等で使用(wiki)

米での価格(保険、割引無しの

場合の目安)
100錠、$9,237.68(1錠あたり

約$92.38)割引クーポンや薬局等

の条件に因り$2,800〜3,000程度

に下がる場合も有りうる
保険適用や補助(PAP: Patient

Assistance Program)があると

患者負担は大幅に低くなる

日本では未承認
更に日本国内の公的な治験登録

システム(jRCT等)にはIWILFINを

対象とした治験は現時点で登録

されてない

輸入方法(個人使用目的)
医師の処方箋または診断書
厚生労働省への薬監証明
輸入は1回あたり1ヶ月分

までが原則

輸入費用の目安(1ヶ月分)
薬代、約275万円
輸入証明手数料、約2万円
税金、送料等、数千〜数万円程度

つまり凡そ
米から日本へ個人輸入(1年間)
薬代、約275万円×12ヶ月

=約3,300万円
薬監証明申請手数料、約2万円

×12回=約24万円
送料、関税その他、数万円〜

十数万円(年間)

合計(概算)3,400万円前後／年

個人輸入代行業者を利用可能

(iRxMedicine等)そうすると

又金額は↑

治験すら進まない、やらない事由
主な理由
1. 市場が小さい
日本では市場が小さい∴製薬会社
が治験のコストに見合わないと
判断最初から開発申請を見送る事
もある
ex.希少疾患(嗅神経芽細胞腫
腺様嚢胞がん、聴器がん
頭頸部の肉腫、眼腫瘍
眼窩肉腫、眼瞼腫瘍
眼内リンパ腫、眼付属器
リンパ腫、視神経腫瘍
脈絡膜悪性黒色腫
網膜芽細胞腫、涙腺がん
嗅神経芽細胞腫、腺様嚢胞がん
聴器がん、頭頸部の肉腫
褐色細胞腫、パラガングリオーマ
副腎皮質がん等々約200種

年間数十人の為に億単位の
治験は出せないという判断

2. 規制と手続きの複雑さ
日本の治験制度は手続きが
複雑で時間がかかる∴海外
よりも始め難い。治験実施
にあたって倫理審査、PMDA
(医薬品医療機器総合機構)
とのやり取り、医療機関
との契約等参入障壁が高い

3. 海外治験データの使い難さ
海外での治験データをそのまま
日本で承認申請に使う事が
難しい場合が多く日本人での
追加データが求められる

これ等が企業に取って追加の
負担リスクとなって治験すら
始めない原因

4. 日本国内の治験体制の限界
小児がん等では治験を担える
施設や医師が限られており
症例数の確保が困難∴治験計画
を立てても患者登録が集まら
ない＝実施出来ない事もある

5. 薬価収載、採算性への懸念
日本では薬価(保険での価格)
が厳しく管理されており企業が
承認されても採算が取れないと
判断する事もある

結果として治験すらやらない
＝申請しない＝永遠に日本に
来ないという構図

結局、製薬会社に取って日本
での治験は費用が高く手続き
が複雑で採算が合わないとなり
易い∴抑々始められない始め
たくない状況

そして、良く言われてる陰謀論
(日本の製薬利権が外国薬の導入
を邪魔してる説)に関して

その説が出てくる背景とは
国内企業が似たような薬を

開発中つまり外国の薬が先に

入ったら市場を取られる∴

日本企業、関係者が非公式に

ブロックしているのでは？
という疑い。厚労省、PMDA

が国内産業を保護？日本の

規制当局が経済的判断で日本

企業に有利な環境を作ってる？

日本の審査が異常に慎重...
海外で承認されて何年も経ってる
薬剤でも日本人でのデータが

無い、長期の安全性が不明等

の理由で治験が中々認められない

日本企業が似た薬を作ってる故
外資の薬を排除する、は明確な
証拠はない(文書化、公式な記録
は存在しない) 疑念はあるも
これは果てし無く陰謀論寄り

厚労省が国内産業保護の意識
を持ってる？日本の薬価制度や
産業政策にそれとなく表れる面
もある(一部現実的だが意図的
とは言い難い)海外薬を日本に
導入しにくい制度構造。手続き
倫理審査、薬価、費用等多くの壁
実際にある問題(制度的ボトルネック)

完全な陰謀論ではないが根拠が
乏しく推測が多い。現実的な
障壁(費用、制度、治験体制)の

ほうが圧倒的に大きい

わざと阻止してるというより
仕組みがそうなってる。一言で

言うなら日本でも同じ薬を

作ってる故外国の薬が入って
来ないという説は感情的には
理解出来るが確証が無く制度的

な壁のほうが大きいというのが

現実だろうと思う

これはオプジーボの戦略から

キムリアにまでリンクする

部分は否めないかなと感じる

お読みくださり有難う存じます。

drug lag/エフロルニチン治験もやらない/陰謀論とは